205
「キャハハッ!まだまだじゃーん!隙ありすぎだよぉー!」
「クッ!いつもやる気ないのにっ!!」
「やだぁー。負けるからって言い訳ー?酷すぎるっしょ!」
わぁ、あんなに生き生きとしたリームちゃん、初めて見ました。
リームちゃんはメイド長さんです。
エレナの右腕として働いてらっしゃるそうで、よく私のところに来てくれる1人です。
マッサージを得意としているメイド長ですね。
結構サボり魔で、困りますと他の子達から言われることが多いですが、実はよく周りを見て動いている方なので、今回、対戦しているメイドさん達を上手く交わして、コテンパンにしてますね。
「キャハッ、前回はエレナさんが居なかったからー、私も行くなんてことはできなかったけどぉー。今回はいいよーってエレナさんからも言われたから、全力出していくからぁー。」
「クッ、腐ってもメイド長めっ!」
「あはっ、負け犬の遠吠えー。」
ううんと、とっても楽しそうですね。
その隣ではエレナが侍女達をコテンパンにしてますし。
その前はクリスが執事の子達を上手く交わしてましたし、それにそれに、他の子達も上司メンバーがとても楽しそうに他の子達を蹴散らしてますね。
「まだまだ気合いが足りませんねっ!さあって、旦那様!今回は、コテンパンにさせていただきますよ!」
「はっ、エレナに負ける気はしない。」
「あら、旦那様とエレナの対戦。んー、旦那様、結構最近ガチで訓練してたからー、いい動きしてるわねぇ。」
「師匠としては、どうですか?」
「そうねぇ。今までは、固定的な所があったけども、今は結構トリッキーな動きも当てはめてだから、読みずらい動きをしてるわね。正直、トリッキーな動きはエレナの得意としているものだから相性最悪かと思ったけど上手く動けてるわねぇ。奥様のお祖母様の修行のおかげかしら?」
確かに、スピードのある旦那様がトリッキーな動きをすれば、それを追うために慎重にならざる負えないエレナは結構不利かもしれませんね。
嗚呼、やっぱりエレナが焦って動きがぎこちなくてそこを狙われてしまいましたね。
「嗚呼、悔しいーーーー!!」
「うん、上手く動けてるのぅ。これは旦那様に上手く動いてもらえれば、良いかもしれんのぅ。」
エレナがとても悔しがっていますが、それよりもお祖母様が旦那様を見ながら何か考えてるみたい。
何か良くないことを考えている?
それなら止めないと。
あっという間に全試合、終わり、お祖母様は満足したようですね。
「いやー、おもしろい者が沢山おったなぁ。」
「お祖母様、何をお考えで?」
「ん?今回のメンバーは5名ほどに決めたぞ?」
「決めたぞって、そんな勝手に。」
「いやー、あちらのメンバーが来る前に決まって良かった、良かった!」
「あちらのメンバー?」
あちらのメンバーとは?
一体、誰のこと?
「ミーファ様。遅くなりました。」
「んー、いや、丁度、いいぞー。ナイスタイミングだ。」
「なっ。」
急に朝、起きたら急に行くぞっと捕まえられ、そのまま馬に乗ってお城に連れてこられたと思ったら、目の前に居るのは、何故この方が?
「コールド殿、よく来てくれたのぅ。」
「レインで構いません。ミーファ様。」
金さんが何故今、目の前に?
この方は国の方にいらっしゃるのでは?
だってラートム様の右腕で、きっと国の方でいないといけない方で。
もう2度と会うことがないと思っていた方で。
「お祖母様、その、なんで、コールド様達がここに?」
「ん?言っただろう?今回の作戦のメンバーじゃよ。今回、一緒にあの国に忍び込むメンバーじゃ。仲良くしないとダメじゃぞ、暫く一緒に過ごすんだからのぅ。」
「えっ?」
えっえっえ???
金さんがメンバーの1人?
暫く一緒に過ごす?
「ミミ!!お祖母様!!勝手にミミを連れていくのは辞めてください!!!」
「わぁお、本当に面倒じゃのう。良いじゃろう?孫娘と出掛けるぐらい。」
「出かけるのは構いませんが、勝手に出かけるのをやめてください!ミミはうちの大事な妻です!何かあったら困ります!!って、あれ?」
「お久しぶりです、ウォルド公爵殿。」
「あっ、お久しぶりです、コールド殿。」
あっ、旦那様が目の前に来て、意識が戻りました。
良かった、あのままだったら混乱して変なことを言いそうでした。
旦那様が私を隠すように立てってくださり正気に戻りましたが、何故、どうして、まさかの金さんなのです?
「プージャから借りてきたんじゃ。懐刀をなぁ。」
「お祖母様、そんな借りてきたって。」




