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ルーミックさんって、それこそ毎日店に居たはずなのに。



「元々、ルーミックに頼んでたのはコイツのことじゃならなあ。」


「元々って、そんな為にルーミックさんはうちの領地に居たの?」


「まぁ、それ以外にも理由があるが、まぁ大きな目的はそれじゃな。」



なんて言うこと!?

話を聞けば聞くほどルーミックさんってばとっても凄い方じゃないの?

あんな辺境地で魔道具屋を開いてるなんておかしいと思ってたけど、まさかコレのせいだったなんて。



「お祖母様、やりすぎよ!!」


「いや、それはルーミック自身が望んだことじゃぞ?ルーミックは元々、研究気質のある魔導師じゃし、根付く場所を探しておったから声をかけただけでなぁ。」


「そんな、でも!」


「ミミ、多分、あのルーミックさんは望んであの場所にいるのは間違いないさ。以前会った時にそれは強く感じたからね。」


「旦那様。」



そうなのかしら?

でも、今は、こちらに移動してるじゃないですか?

それって。



「それは、そのだなぁ。まぁ、目的の者が移動したから移動したのだろうなぁ。」


「目的の者?」


「あっ、嗚呼。」



そうなんでしょうか?

でも、旦那様はなんでそれがわかって。



「ほーーーんと、鈍感すぎるのう。」


「それがミミのいい所ですから。」


「そうじゃなぁ。本当に、うちの旦那様とよー似とる。」


「あっ、そうだ!お爺様は!?」



そう!そうよ!

お爺様!!

確か、お爺様もお祖母様と一緒に旅に出てたはず!!

なのに、今この場に居るのはお祖母様だけ。



「お爺様は一体何処に?」


「ん?旦那様なら、今この地に来て、散歩してくると言っておったぞ?」


「「散歩!?」」



えっとお爺様が散歩って。



「奥様!!」


「どうしたの!?エレナ!」


「そっそれが!!」



慌てたエレナに連れられて行けば、何故か畑に居るお爺様。

何故!?



「あの、いつの間にか入って来られてて、それで、尋ねたら、奥様のお爺様と聞き、奥様に似てらっしゃったので。」


「いつの間にかって。」



お祖母様もいつの間にかでしたね。

もう夫婦そろって。



「おっ、ミミ!久しぶりじゃね。」


「お爺様!」


「いやー、いい土を使っとるなぁ。この土、肥料はウチから持ってきた奴か?」


「えっえぇ。そう。うちの領地から持ってきてもらったのを使ってるわ。」


「そうかそうか。これだけ気候が違うのに、領地と同じように育ってるなぁ。」


「お母様に相談したら、よい肥料になりそうな植物も教えてもらったから。」


「なるほどなるほど。本当にいいお嫁さんをもらったのぅ。」



お爺様ったら、久々に会ったのに、畑の話ばかり。

それもそうよね。

久しぶりだったから忘れていたけども、お爺様も畑仕事など農業に対してとても興味を持っていて、よく領民と共にしていたものね。

その血を引き継いだお父様も領地運営よりも真剣に農作業してたもの。



「なんじゃなんじゃ。旦那様、来ておったのか。」


「えぇ、少し見て回ってここに来たら、良い土の畑があってね。」


「ほんとに、畑とか大好きなんだから。」


「ははっ、君と一緒に色んなところの農作物を見て回ってきたからなぁ。色々と試したい物が増えてきたよ。」


「それは良かった。これからまたあっちに帰った時の楽しみが増えたね。」



あの穏やかそうに会話してますが、周囲は驚いに戸惑ってますからね!

本当にお爺様はマイペースなんだから!!

お父様もマイペースだけど、なによりも1番マイペースなのはお爺様!!



「お爺様は一体どうやってここにいらっしゃったの?」


「ん?普通に門から入ったよ。門番の子達にうちの孫がお世話になってますって言えば入れてれてのぉ。」


「そっそう。」


「奥様、ちょっと今の門番達に話し合い(という名の絞める)をしてきますね。」


「えっ、えぇ。エレナ、分かったわ。」


「ちなみにワシはこの屋敷の塀から入らして貰ったぞ!」


「奥様、長引きそうですので、後のことは他の者に任せておきますので。」


「えっ、えぇ。ありがとう、エレナ。」



嗚呼、ごめんなさい。

今の門番の子達。

お怒りのエレナは止められないわ。

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