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使える人がいない?

そんな、だってこれは名前を呼べば。

ほら、こうやって。



「ルシアナ。」



私の声にネックレスが反応して弓が現れる。

これを出すのは3回目。

名前を呼べば、直ぐに弓になって現れる。

とても簡単なはず。



「おうおう、相変わらず綺麗な弓じゃなぁ。」


「えっ?相変わらずって、お祖母様が今まで持っていたのでしょう?」


「ああ、持っていたよ。でも、発動はしてない。いや、できなかったんじゃ。」


「できなかった?」


「嗚呼。そうじゃ。」


「何故、お祖母様が元使っていた弓でしょう?」


「確かに昔、使っていた物じゃ。でも、今はもうこれはワシが使っていたルシアナではない。ミシェル、お前のルシアナなんじゃ。」


「私の、ルシアナ?」



えっと、それって一体?

何がどういうことなのかしら?



「よーく、ルシアナを見てみぃ。」



ルシアナをよく見る?

あっ、あれ?



「あれ?ルシアナが、少し、違う?」



最初に発動した時は白い弓だったのに、なんか赤い筋がある。

なんか模様のように見える。

これって。



「羽?」


「なんじゃ、なんじゃ!羽になったか!!」


「えっ?」



嬉しそうに笑うお祖母様に、訳も分からず尋ねれば、返ってきた答えがまた不思議で。



「ルシアナはな、学習する魔石弓じゃ。」


「はっ?」



元々、お祖母様が譲り受けた師匠と呼ばれる魔導師様が気まぐれに作った弓。

なかなかわがままで気まぐれの弓だそうで、使える人を選ぶそうだ。



「まぁ、師匠が気まぐれのわがままじゃからなぁ。造り手に似てるんじゃな。」


「そんな、馬鹿な。」



旦那様、私もそう思います。

そんなこと似ないで欲しいし、似るわけがないと思うんですが。



「まぁ、ワシが使っている時はそれでも構わんかった。弓だけじゃなく、他にも使う物があったからなぁ。しかし、ミシェル、お前さんに持たせるのにはそんな師匠のようなわがまま弓では困ったからな、一度リセットさせたんじゃ。」


「リセット?」


「そうじゃ、リセットした。全てをゼロに戻し、学習した物もゼロにしたから、真っ白の弓になった。それが、お前さんが1番最初に発動させた時に出たルシアナじゃ。でも、もう3度目じゃからなぁ。しかも2度目でかなりの数を打ったじゃろう。学習したんじゃろうなぁ。故に、お前さんの為に形を変えていっておる。それの結果が、その模様じゃ。」



羽の模様が?

というか、お祖母様が言っていることがよく分からない。

ルシアナが不思議な弓であることはよく分かってるけども。



「ミミの弓は魔石を使っているのは、俺にもよく分かっていますが、学習するなんてどんなに凄い魔石でも無理です。」


「そうなんじゃがなぁ。うちの師匠がそれはそれはアホな程盛り込んでしまったが故の産物でな。正直、師匠も偶然の産物でしかないから、よぅわからん。だから、今回、結構な実力者で、解読が専門のルーミックに頼んで、解読してもらって、学習したのをゼロに戻してもらい、尚且つ、ミシェルが扱いやすいように変えてもらったんじゃ。」


「そんな、それってとっても大変な事じゃ。」


「まぁ、ルーミックも相当大変だと言っておったがなぁ、ミシェルを気に入ってるから、相当力も入れてくれてのぅ。故に、ミシェルにとって最高に使い勝手の良い弓になっとるはずじゃ。」


「えっ、あっ、うん。相当使いやすいよ。正直、暫く弓から離れていたから不安な気持ちもあったけど、ルシアナはとても手に馴染んだから、昔よりは少し衰えたぐらいでいけたの。」


「そうかそうか!流石はルーミックじゃ!なんじゃ、ゼロにする為には材料が足らんとか、1から作り直さないとやらなんじゃかんじゃと言って数十年かかっておったからのぅ。良かった良かった。」



いや!良くないよ!!

そんなに大変なことを頼んでたの!?

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