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「はっはははっ。いやー、笑った笑った。本当にお前の奥様には度肝を抜かれるな。」
「帰ってきて、一声めがそれですか?後、うちのミミは最高の嫁です。」
「分かってる。本当に、お前の嫁に行ってしまってるのが本当に惜しいよ。」
「冗談でもそういうことを言うんじゃない。ほら、激重旦那がお怒りだぞ!ソイツには今から聞かなくちゃいけないことがめちゃくちゃあるんだから!!」
おぉ、そうだったそうだった!
あまりにも聞いていた話が面白すぎて、再度目の前の奴を見たら思い出して笑ってしまった。
先程、この城に戻ってきたうちの公爵様はそれはそれはいい笑顔でとっ捕まえてきた奴らを見せてきた。
しかも、この捕獲にはその公爵様の奥様がとても活躍されたとか。
事前にクリスから聞いてはいたが、本当に。
色々と考えさせられるよ。
「お前がまさか、こっちの許可も取らずに動くとわな。」
「殿下の許可などもらわなくとも、こちらの判断で動けますからね。」
「そうは言いつつもいつもはちゃんとこちらに伺いを立てていただろう?」
それこそうちの馬鹿妹を嫁に貰いたい時だって。
「それは逆ですよ。殿下。コイツはその妹様に恋していたから首輪が付いていたんですよ。残念なことに。その妹様と結婚したいが為にあなた達の機嫌を伺ってたんです。でも、今や、コイツの中心は奥様ですからね。奥様の為ならコイツ、国を抜ける気さえありますよ。」
げっ、なるほど。
そういう事か。
てか、無言で頷くなよ。
お前に抜けられたら相当困るんだからな!
「まぁ、早々には抜ける気はありません。愛しのミミの実家はこの国にありますからね。それこそその場合ならば、ミミの実家並びにその領地、領民ごとを考えなくてはなりませんから。」
「おいおい、そんな怖いこと言わないでくれよ。」
「なら、そう思わせないようにしてください。」
そうは言ってもな。
今回のコレはそれこそその奥様の実家、いや、奥様の祖母である方が裏から計画していたのだからどうしょうもないだろう?
今回のことは俺も知らずだったわけだし。
父上は本当にその奥様の祖母、師匠殿を慕って慕って、それこそ父上の側近達にしか言ってなかったのだから困ったものだ。
俺が知ったのもクリスが来て、事実を父上に報告した時なのだから。
「まぁ、何かしらが噛んでいるのは分かってます。うちのミミがそれこそ祖母が噛んでいると勘づいてますから。なので、今回は殿下に対して怒ってはいませんよ。」
「そうか、なら良かった。」
「でも、陛下の方には怒ってますよ。ミミが特に。」
「わぉ、それはそれは。父上に大打撃を与えられそうだな。」
師匠殿の孫娘で、一緒に弓を打った中で、それこそ自分の娘のような、妹弟子のような、そんな色々な感情をもっている子から怒られるとは。
結構メンタル弱い父上はヘコむだろうなぁ。
めんどくさいなぁ。
「それで、陛下は?」
「んー、それが今はこの国に居ない。秘密裏に隣国の方に行っている。師匠に呼ばれたからとかなんとかでな。だから、今は俺がこの国の代理主となってるけども。アイツらをどうしたものかな?」
「一応、話は全て聞いてます。本当に金で雇われただけの奴らです。正直言って、なんの価値もないですね。」
「そっかー。まぁ、情報も曖昧すぎてるからな。なら尚更どうするかな?そりゃあ罰を与えなくてはならないが、我が国の者では無いし、どうしたものか。」
「なら、ミミの実家の方に送っても構いませんか?」
「なに?奥様の?」
「えぇ。ミミの実家の辺境伯の領地では、結構色々な国の物が流れ着くのが多いようで、それこそミミの下の子達の事業の者たちはそういうものばかりだとか。なので、今回、この話をすると特に義妹の方が怒り狂ってる様なので、いい罰を与えながらも、上手く使ってくれるのではないかと。」
なんとなんと!
奥様の妹君も、天才か!
まだ幼い年だったのではないか?
なのに、もう事業を立ち上げているとな。
「そういえば、奥様の実家は貧乏だとか言ってなかったか?それで、お前が目をつけて。」
「酷い言い方をしないで下さい。確かに、あまり裕福ではないようでしたが、どうやらここ数年で急成長を遂げているんです。義弟達のお陰で。なにより元々もそこまで浪費するような方たちではなく、ただ運が悪かったとしか言いようがなく。」
「なるほど、着実に回復していたのだな。」
「まぁ、私と結婚した時はまだまだという感じだったそうだが、私と結婚して援助もしたので、そこから加速して、今の現状になったと言う感じだそうだ。」
「なるほどなるほど。本当に、お前の奥様は色々と驚くものが出てくるな。」




