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「あー、もう、誘拐するにしても、もっとちゃんとしなさいよっ!!」


「シッ。静かにしろ。奥様がそんな荒い口調じゃないんだから、バレるだろう。」


「そうは言っても、こんなボロ荷車に、こーんな適当に縄括り付けられて、悪態着きたくもなりますよ。ほーんと、雑なんだからっ!」



本当の本当に雑過ぎる。

始まりから雑だったわ。

奥様が狙われていると知ってから、頻繁に街に繰り出すようにしたけど、まさか狙ったように裏道通れば、本当にテンプレ通りに誘拐しやがって。

今回は、隠す気一切ないのかって思えるぐらい視線を感じて、誘うようにすれば、予想通りの誘拐。

しかも、用意してるのはこんなボロボロ荷車。

逆に目立つだろうって言いたい。

一緒に行動していた叔父さんは、今別行動で、この誘拐には空を飛んでいたクリスさんが一緒に着いてきている。

獣化できるクリスさんはこの任務に適任だからって叔父さんと一緒に着いてきてもらうことが多かったけども、今回着いて来てもらって本当に良かった。

今、クリスさんがここにいてくれたから、暴れずにすんでるもの。

本当に腹の立つ。



「今、この荷車でうちの大事な大事な奥様を誘拐しようなんて、本当に頭が足りてませんよね?うちの奥様をこんなオンボロに。本当に、これで、奥様に怪我でもしてみなさい。本当に許しませんよ。」


「いや、誘拐するつもりだからな。こんな感じなのは。別に奥様をお連れするつもりではないから。それに結局運ばれているのはお前だしな。」


「そりゃそうですけども!」


「声が大きい!!」


「ぐっ!」



声が大きかったのは悪いですけど、眉間をクチバシでつつかないで貰えませんかね!?

めっちゃ痛いんですけど!!

嗚呼、もう、今、手を後ろに括り付けられてるから、なでることもできないんですよ!

うぅ、痛い。



「それにしても、このまま国境を越えるつもりなんだろうか。」


「いっっ。そうなんじゃないんですか?急がないとバレるのは、分かっているでしょうし。なんたって誘拐されたのが、うちの公爵家夫人ですよ?直ぐに追いつかれるかもしれないから焦ってるでしょうね。」


「いや、それがそんなに焦っているようには思えないんだよな。」


「えっ?」


「一応、もう3日目だろう?だから、少し様子を見たが、まだ国境まではしばらく掛かりそうな場所だったんだ。正直言って、遅すぎるぐらいだ。」


「そうなんですか?私、ずっとこの調子なんで。全く外の様子分からないんですよね。」


「何かおかしいんだよな。この誘拐。」


「おかしいって?」


「お粗末過ぎないか?計画なんて立てていないのではないかと思うほどだ。正直行き当たりばったりすぎるだろう?カムフラージュの為のこの荷車かと思ったけども、急いで国境を超えなくてはならないのに、これじゃあスピードなんて出るはずもない。だから途中で新たな馬車にでも変えるのかと様子を見てたが、そんな様子もないだろう?合流するような気配も今のところないし、正直言って、酷すぎる。」



まぁ、確かに。

違和感だらけの誘拐なんですよね。

コレ。

用意が全くされてなくて、たまたま誘拐されたみたいな感じ。

一国の公爵家夫人を誘拐したなんて感じが全くなくて。



「もしかして、まだアチラは情報をそれほと知らない?曖昧な情報を得て、たまたま似ている容姿の者がいたから誘拐した?」


「そんな、馬鹿な。」


「いや、これなら今の状況の説明がつく。なんらかの情報を得ているのは確かだろう。でも、多分、うちの奥様であるというのはまだバレていないんだろう。しかも高貴な方であるってのも。とりあえずうちの国にいるらしいのと、曖昧な容姿の情報を得てて、それで行き当たりばったりに。」


「そんな!それなら、何人も誘拐されていませんか?奥様は本当に美しい方ですが、よく似た容姿だけの方なら何人もいますよ?それを手当たり次第なんかしてたら、それこそ大事件になりますよ?今回、私だったからいつでも逃げられますが、これが一般の方だったら。」


「その可能性は多いにあるし、何より、そうなる可能性があると考えているんじゃないか?エレナの一族に依頼した方は。」


「えっ?」


「そうならない為に、先にエレナを囮に使ったのでは?そりゃあ、一応敵国となる国に潜入して、誘拐するなんて早々出来やしないが、痺れをきらせば、それこそ何人も攫うこともあるだろう。その前に、攫いやすそうな奴がいれば、とりあえずそいつを連れ帰って終わるかもしれない。そう考えたのでは?」


「はっ?つまり、これは奥様を守る為の偽装ではなく、国の大事件を起こさないようにするため?」


「まぁ、奥様を守るっていうのは守っているだろう。ただ、それにオマケで他のご令嬢達を守ることにも繋がったってことだろう。」

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