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「だっだっ旦那様!!」


「なんだ、ミミ?」


「その重くはありませんか!?」


「いや、とっても軽いよ。羽のようにね。」


「はいはい、旦那様ー。ちゃーんと前を向いて下さいねぇ。奥様を落としたりしたら本当に許しませんからね。」


「分かってる。」



エレナを助ける為に1番早い方法で行くと聞いてはいましたが、まさか、まさか。

旦那様が獣化して、その獣化に乗ることになるなんて!!

それに合わせられる獣化ができる人達を選ぶなんて。



「旦那様ー、疲れたらいつでも変わりますからねー。」


「変わるか、馬鹿者めっ!」


「ジュジュ、あなたも獣化できたのね。」


「そうですねー。できるんですよねー。しかも、今回の任務には最適な体なんでぇ。」



ジュジュがまさか完全獣化できるとは知らなかったわ。

完全獣化できる人達って少ないって聞いていたけど、こんなに居たなんて。

今、居るのは10人程度。

御屋敷の中で、獣化が出来て、旦那様の足のスピードについていける人達で、戦闘能力もあるとなるとこの人数になったのだけど。



「まさか、ジュジュもだなんて。」


「ただの侍女じゃないんですよね〜。」



ジュジュが犬族ってのは知ってたけども、まさかこんなに大きな犬になるなんて。



「大型種なんで、足腰しっかりしてますよー。それこそ旦那様に負けないぐらいー。」


「そうね。とっても素敵ね。」


「ふは、ちょっ、旦那様睨まない睨まない。嫉妬は醜いですよー。」


「馬鹿なこと言ってないで、早く行くぞ。」


「わっ!」



スピードを上げられたので、驚いてしがみついてしまいました。

大丈夫かしら、旦那様。



「もう、あんまり早すぎると皆着いていけませんよ!」


「私達もいることを忘れないでよー!」


「嗚呼、そうだった。師匠達も居るんだったな。」



そう、そうです。

ビィ達も一緒にきているんです。

ビィ達は獣化は出来ないけど、元々の能力で足が早いから一緒に着いてきてるんですけども、獣化した皆よりは遅れてしまう。

でも、今、エレナ達を追ってくれているのはビィの母親であるジウさん。

ビィとジウさんは親子の能力でテレパシーのような物が使えて、なんとなくお互いの場所が分かるのだとか。

だからビィは必ず居てもらわないといけないし、それを手助けする為にもノエルママにも来てもらっている。



「ビィ、大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ。こうやって母さんの居場所を探るってのは今まで何度もしてきたから。実戦ではあまり活用することは無かったけど、大丈夫。今回の任務でも、使って失敗したことはないから。」


「そう、でも、無茶しちゃだめよ。」



確かに凄い能力だけども、使いすぎると不調を起こすこともあるって聞いたから。

そう、エレナからそう聞いて。



「ねぇ、旦那様。」


「なんだい?」


「エレナは、その、能力を使って、私になって、誘拐されたんですよね?」



今回、エレナの能力が変化であるって聞いて、驚いたわ。

その能力と言っても、身体能力が上がるとか、視力がとてもいいとかまでだと思っていたけども、ある一族だけにはある能力があるなんて。

そういえばセッカも獣化して飛べるし、でもそれは能力ではないって言っていたわね。

あの子はとっても特殊で、獣化もできるし、一族だけの能力にも目覚めて使えるだったわ。

実際に目にしたことがないから、どんな能力まではしらないけどお父様がそう言っていたわね。

獣化するのも一部の人達しか出来ないし、能力も目覚める人もいれば目覚めない人もいるってその時聞いたわ。

どっちも起こる人もいれば、どっちも起こらない人もいるって。



「そうだな。聞いた話だと、そうだと。」


「その、それって今もですよね?能力を使い続けているってことですよね、それって。」


「嗚呼、ミミの考える通り、ヤバいだろうな。獣化はただの体の変化で、変わっていても特に大量を消費するってのはない。まぁ、多少いつもと違うって言うので疲れる者もいるだろうが、それぐらいだ。でも能力は違う。常に走り続ているのと同じようなものだ。使えば使うほど体力を消費する。今のエレナは相当ヤバいだろうな。いくらアイツが体力があるとしても。」


「エレナ!」



誘拐されているってことは、今も私に化けているってことよね。

誘拐されたのが正確な日にちは分からないけど屋敷に居なかったのは一昨日からだから、一昨日からだったら3日は立っているはず。

そんな3日もずっとなんて。



「はやく、はやく、助け出さないと!」


「ミミ落ち着いて。大丈夫、アイツも訓練を受けているから。」


「そーそー、大丈夫。うちの侍女長なんだもん、確か1週間ぐらいは大丈夫って言ってたもん。」

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