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私を守るため?

この魔石が?



「これをカスタマイズしたのはミシェルちゃんもよく知っている人だと聞いたよ。」


「私が知っている?」


「ミミ、魔石は元々強い力を持っているが、さらに魔石を思いのままに能力を変えるとなると普通の魔術師では、無理だ。それこそ魔導師ほどのもので無ければ。」




魔導師様ですか?

いや、ただでさえ魔術師様も少ないというのに、魔導師様なんて、私の知っている中ではいらっしゃらない。

んっ?



「あっ、あの、もしかして、その魔導師様は女性ですか?」


「ん、嗚呼、多分。と言っても魔導師レベルならば、姿を変えるなんて、朝飯前だろうからね。私がお会いした時は女性だったよ。」



そんな!

姿を変えられるなんて、いえ、でも、女性ならば、もしかして。



「ルーミックさん。」


「嗚呼、そうそう。名前をそう言っていたね。」


「ルーミックさんが、そんな、魔石を?」


「ありえない話でもないな。あの店には、それこそ色々な魔術が施されていた。それを同時にそのまま保てているんだ。相当の力をもっていると見ていたが、まさか魔石をカスタマイズするほどとはな。」


「旦那様は気づいて!?」


「いや、俺も魔術師でも無いからね、なんとなく匂いで分かっただけで、どれほどの物かなんてのは分からない。ただ、複数の魔術の匂いだけは嗅ぎとれたからね。だから相当力のある魔導師であるのはわかっていたが。」


「そうなのですね。」



ルーミックさんは、私が幼い時からお店を出していた領民の1人。

いつだって笑顔で優しく接してくれていて、いつもお嬢って気さくに話してくれていて。



「そういえば、ルーミックさんの姿、変化していない。」



昔を思い出して、気づきました。

それまではまさかルーミックさんが魔導師で、姿を変えられるなんて思っていなかったから。



「まぁ、ミミには何も害をなそうとしていたものではないのは、以前お会いした時に分かっている。今回の魔石に魔術を施したのがあの方ならば、それこそミミの為になることをしていると思うよ。」


「そうですよね!ルーミックさんは本当に昔っから、お世話になっているんです。ルーミックさんが一体、どんなことを、しているのか分かりませんが、ただ、ルーミックさんのことはとても信頼しています。」


「そっか、やっぱりミシェルちゃんがよく知っている人だったのね。でも、この使い方を私には教えてくれなかったのよね。お嬢なら分かるって言って。」


「私なら分かる?」



ええっと特に私が知っていることなんて、なにかあったかしら?

んーー、あっ。



「もしかして、幼い時にお祖母様からお借りしたあの弓と矢。あれに付いていた宝石がこの宝石によく似ているような。」


「弓と矢?」


「えぇ。他国も回っている時に何かあったらいけないからってお祖母様が子ども用の小さな弓と矢を貸してくださっていたのですが、それに宝石が付いていたんです。この魔石に良く似てたと思います。」


「その宝石が実は魔石だったとか?」


「それが、どうだかまでは。似ているなっと思っただけで。確か、お祖母様はその弓を、〝ルシアナ〟という友人からもらったって。」



お祖母様が大切にしていた弓だったけども、小さすぎて自分では扱えないから私に今だけでもいいから使って欲しいって。

使わない武器は寂れてしまうからって。



「この宝石がそのご友人、〝ルシアナ〟様の瞳に良く似て」



そう、その友人の瞳によく似ていて、とても綺麗なんだと、宝石を撫でながらお話ししてくれていたのを思い出しました。



「弓にもその友人の名を貰って、〝ルシアナ〟と呼んでいました。日々のメンテナンス中もこの宝石に触れて、〝ルシアナ〟は今日も元気そうだなって、言いながらって、えっ?」



懐かしい過去を思い出し、お祖母様がそれは優しくあの弓を大事そうに、宝石を撫でいたのをおもいだして、つい、お祖母様のように赤い魔石を撫でて、あの懐かしい愛武器を思い出してれば、何故か、手にはあの時の弓と矢がありました。



「ええっと?」



しかも、あの時とは違って今の私にピッタリのサイズで。



「えっと、これって?」


「なるほど、姐さんったら昔っからミシェルちゃんに持たせていたのね。」


「えっ?プージャ様?」


「なるほど、そういう事か。ミミのお祖母様はなんというか先見の持ち主なのかと思えるほどだな。ミミが幼い頃から対策をしていたっと。」


「え?旦那様?」



お2人とも、一体何を?

いや、まさかまさか、今この手にあるこの弓達があの頃使っていたあの弓と同じものだと言いませんよね!?

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