167
「まぁまぁ、いいじゃないか。元々、用があれば直ぐに呼び出していたから騎士団長殿も慣れているからこそさ。それに、それは元々お前が自ら望んでいて来ていたことだしなっ。お前が悪い。」
「ぐっ、そんな昔の事を言って。」
「昔って、そんなに昔じゃないぞ、それこそまだ半年もたってないんじゃないか?」
「そうだね、半年前はまだ姫の側でいたいと言っていたようだがなぁ。」
「ぐぅぅ。はっ半年は経っている!何より、私は結婚してもう1年はたっているんだからなっ!」
「そういえば、そうか。でも、まだそばに居たいと言っていたような。」
「ぐううー!!分かって言っているだろう!始まりはそうでも、今、俺はミミ一筋で、ミミ以外どうでもいいっ!!」
「そうかぁー。でも、そんなお前も、奥様の誕生日、ずーっと忘れていないか?」
「えっ?」
「だって、お前の奥様、もう18になるだろう?お前と結婚してすぐに誕生日で、その後ついこの間、それこそお前が奥様の実家に帰るためにって必死に片付けている時にうちの妹が、誕生日プレゼントを送っていたはずだが?」
そっ、そんな!
俺は2回も、愛おしいミミの誕生日を忘れて。
しかも、スーニャに先を越され、あっ嗚呼!!
「いっ今すぐミミにあって祝わないと!!国中の宝石を!!いや、ドレス!?嗚呼、なにより祝わないと!!」
「おおいっ!!待て待て!!行くな行くな!!」
「おいっ!ローエン!!なに、火に油を注ぐようなことを!!」
「すみませーーーん!口が滑りました!!腹が立って!!」
「腹が立つのは分かるが、愛しの嫁の誕生日を忘れていただなんて、夫てして最低だなんて言えば正気を保てなくなるだろうがっ!」
「ぐううううっ!!」
「いやいや、俺、そこまで言ってませんよ!?」
嗚呼、もう、今すぐにここから離れたいっ!!
ミミに土下座してでも許しを請わなくてはならないのに、何故、今、俺はここにいる!?
「まあまあ、奥様が帰ってきたら盛大に祝ってあげればいいじゃないか!」
「うちのミミはとても謙虚なので、殿下のような考えでは、逆に恐縮してきまうんですよ!!だから、細かく考えて本当にミミが喜ぶ誕生会を行わないとっ!だから、今、ここで無駄に時間を潰している暇など無いのですっ!」
「無駄って。おいおい、戦争になるかもしれないんだぞ?そうなったら、それこそ年単位で離れ離れにな「冗談でも言わないでくださいっ!」」
なんて恐ろしいことを、言うのか!!
このアホ殿下は!
ミミと数年も離れるなんて考えられるかっ!!
「冗談ではなくてなぁ。」
「冗談でしょうが。今、ここに陛下が居られないということが物語っているでしょう?」
「ほう?」
何が、ほう?だっ!!
分って言っているのが丸わかりだっ!!
「ミミのお祖母様のことは、陛下から何度も何十回、それこそ何百回と聞きました。何個も手札を持ち、それを巧妙に使う、戦術の天才だと。そんな方がこうやって情報を持ってきたということは、その先も弟子と名乗っている陛下は分かっているはず。もし、それが分かっていないのならば、今、ここに陛下は居て、さらに細かく、私に聞いてきたことでしょう?でも、それがないということは。」
「嗚呼、そうだ。父上は今、最初の段階の準備に取り掛かっている。」
「やはり。この場に陛下達がおらず、殿下の側近しか居ないのでおかしいとすぐ気付きましたよ。でっ、独り身の嫌がらせはもういいですか!?」
「いやいや、待て待て。確かに嫌がらせがなかったとは言わないが、それが全てではない!!お前に協力してもらわなければならないんだっ!」
「協力?命令ではなくて?」
「嗚呼、そうだ。協力だ。」
何故、協力などと。
俺に従わせたければ今のように命令すれば、ん、まさか!!
「俺ではなく、家の者たちに、ですか!?」
「嗚呼、そうだ、その通り。」
「殿下ー、その、やっぱり可笑しくないですか?その、公爵家に仕えている人達を使うのわ?」
「可笑しいかもしれないが、そうじゃなきゃ、初段階が動かないんだっ。」
「というと?」
「それがな、レオルド国と共に動くことになっているのだが、上手く連携が取れるもので、力のあるものとなると、お前の屋敷の者たちが、適任ということでな。」
嗚呼、成程。
獣人同士ならば連携が取れるし、うちの国のこともよく知っている。
故に1番適任だと。
「獣人同士だからと。でも、うちのものは皆、本家の者とは違って、今はまともな訓練を受けていない者も多いんですよ!」
「そうは言っても、普段から影として動いているものも多いだろう?なにより、まず、公爵家で仕えているものはある程度の実力のあるものでは務まらないだろう?」




