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なっなんていうこと!?

嗚呼、もう、それって結局、仕事を増やしていたということよね?



「嗚呼、もう、みんなになんて言えば。」


「皆、喜んで行ってますので。寧ろ、奥様の実家に行けるとなるとクジで行くものを決めたものもありますので。」


「えぇ!?」



そんな、うちなんて田舎で何もないのに。

あるとしたら、自然ぐらいで、まぁ、そのお陰で空気は美味しいことはありますけども。



「嗚呼、今、多分奥様が考えているようなことが理由ではないですが、まぁいいですけども。」


「えっ?」


「そのことはいいとして、奥様にご紹介したい方が。」


「初めまして、奥様。」


「えっと、初めまして?」



えっと、いったい彼は?

素敵な叔父様ですが。



「この方はエルビス様。大旦那様の右腕と呼ばれる秘書もされている方で、基本は領地の方にいらっしゃいます。」


「おっお義父様の?」


「はい。そして、私の前のこの屋敷の執事長をされていた方であり、私の師匠とも言える方です。」


「クリスのお師匠様ですか?」



あの完璧執事のクリスのお師匠様なんて。

それにお義父様の右腕なんて、呼ばれる方。

とっても凄い方では!?

でもそんな凄い方が、何故ここに?

もしかして、私何かしてしまったのかしら?

一体、何をしてしまったのかしら。



「嗚呼、奥様。奥様になにかあって来たわけじゃないですよ!えぇ、そんなことで来やがったら、私が尻叩いて追い返してますから!!」


「えっエレナ!そっそんなこと言って。」


「いいんです!こんなんでも、私の叔父だから、許してますが、奥様に要らぬ心配を掛けようとする奴は許されません!!」


「えっ?叔父?」


「はい、目の前で胡散臭気に笑っているのは私の叔父です。この人がこの屋敷に仕えていたせいで、私も巻き込まれて、ここにお世話になることになったんです。まぁ、奥様に出会えた奇跡があるので、少しは感謝してますが、それとこれとでは話が違います。何より、叔父さん!以前聞いた話なら、旦那様の代わりにここに来たって言ってたわよね!なのに、旦那様が帰ったのはもう数日も前のことよ!なのになのに!何故まだここにいる訳!?」



ええっと、エルビスさんが、エレナの叔父さんで、クリスの師匠で。

嗚呼、頭が混乱してきたわ。



「あははっ、そんなに怒るなよ。エレナ。若奥様にお会いしてから帰ろうかと思ってただけだよ。」


「奥様にお会いしてから?忙しい叔父さんが?」


「嗚呼、なかなかお会いする機会が無いからね。この機会を逃せば、いつ会えるか分からないじゃないか。」


「本当にそれだけ?」


「嗚呼、それだけだよ。」


「エレナ、叔父姪喧嘩はそこまでで。奥様をいつまでも外にいさせるつもりか?それに皆も仕事に早く戻らないと。」


「あっ、そうでした。奥様。さっさ、長旅でお疲れですものね!早く部屋に行きましょう。」


「えっええ。」



いいのかしら??

嗚呼、皆笑顔で手を振っているし!

確かに、実家から帰ってきて疲れてはいるけども。



「叔父のことは気にしなくていいですっ!何かあればすぐに私に言ってくださいね!」


「えぇ、分かったわ。でも、エレナったら叔父さんと一緒に働いていたのね。」


「働かされていた、とも言います。あの人、独身で子どもが居ないので、あの人の兄に当たるのが私の父で、父は子どもが何人もいて、そこで声が掛かったのが私なんです。元々、私は社交界とかそんなの向いてない子どもだったので、叔父の話を聞いてこちらの方が自分に合ってると思ったので、こちらに来ました。するとお仕えになることになったのはあのおバカ旦那様ですからね。少し後悔しましたよ。まぁ、大旦那様達はお優しくて、過ごしやすかったですけども。」


「そうなのね。エレナは、あんまり自分のこと話してくれないから。」


「嗚呼、すみません。一応叔父から、自分のことをあまりするものでは無いと指導されていて。クリスさんも叔父から指導されていますが、何故か私も一緒に指導されてて。私は執事を目指している訳じゃないというのに。でも、そのお陰で今では一流と呼ばれるほどになれましたし。」



そうよね。

私もお茶会に呼ばれることが何回かあって、他から見た屋敷の皆のこと知ったけども、皆一流で、うちに入りたいと思う人は多いけどその壁の高さに諦めるものが多いって聞いたわ。

そしてその優秀な者の筆頭がエレナなのよね。

まだとっても若いのに、本当に優秀な侍女なのよね。

でも、それは本当に幼い時からのエレナの努力故の姿よね。



「ふふ、私、エレナが侍女になってくれているのって本当に幸せよね。」

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