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残念そうにため息を吐くリディの姿に、内心驚いてしまう。

まだまだ幼いと思っていたリディは、こんなにもしっかりしていたなんて。

私が公爵家に嫁に行き、家から離れてそう何年も立ってはいないのに、リディもイーサンもとてもしっかりしている。

昔は2人ともいつも私の後ろをついて回る可愛らしい妹達だったのだけども。

こんなにもしっかりと立派になっているなんて。



「姉様?」


「ううん、なんでもないわ。でも、ワルア国がそれを気にしていないということは、つまり。」


「また戦争を起こそうとしているってわけ。性懲りも無く。」


「えっ?でも、もうそんなことをさせない為にも、財力も力も相当小さくしたはずよね?」


「ワルア国自体はね。でも、それに協力する他の国がいれば?」


「他の国?」



ワルア国の近くの国々に協力しようとする国があるかしら?

以前の戦争で手酷い被害を被り、恨みはしろ、協力しようとする国は近くには無いはず。



「それが、どうやら、結構遠いところに話を持っていったみたいです。」


「えっ?」


「お祖母様は、今回の放浪の旅はどうやらその国がどこかなのかを調べるためだったそうです。」



そんな、お祖母様が?

いえ、お祖母様だから、ですね。

お祖母様は、以前の戦争では、終結させた立役者ですもの。

しかし、表立って表彰されたり、名を知られたりすることは良しとしなかったお祖母様は、自分が戦争に参加したことさえ、黙らせ、記録には一切残さないように色々な国に約束させたのよね。

長く苦しかった戦争を終わらせた立役者の願いだから、国々も聞き入れ、お祖母様は歴史上には名は一切乗らないようになっている。

でも、今でもお祖母様を慕う方々はとても多くいるわ。



「なるほど、お祖母様は早々にワルア国の動きに気付いて動いているっていうこと。」


「えぇ、そうです。調べて分かりましたが、どうやら姫が嫁入りしてレオルド国と協力関係にするようになったきっかけもお祖母様のようです。レオルド国に行ったのはそのことを伝える為のようで、レオルド国は以前の戦争では相当被害を被っていますからね。そんな話を聞けばすぐにでも動きます。」


「そう、そうだったのね。」



姫の婚約話があまりにも急だったとは思ったのよね。

今まで一切そんな話が出ていなかったのに、まさかのレオルド国の陛下とだったし。

本来姫様の年齢なら、陛下よりも皇子方と婚約されてもおかしくはないけども、レオルド国の皇子達はまだ誰も婚約はしていても、結婚まではしておらず、後継者もまだちゃんと決まっては居ないそうだから。

実力主義の国だから、1番上だから後継者になるとは決まっていないのよね。

姫は正直言って皇后になる力はないわ。

今までの策略からも、正直言って頭のいい策略ではなかった。

レオルド国の皇后となると、本当に頭が良く、そして武力もある方でないとはいけない。

何故ならば、レオルド国の陛下は獅子族だから。

獅子族は基本、女性の方が狩りに出かけ、そして食べ物を得る。

勿論、今はそんな事を皇后となられた方がすることはないけども、でも、その根底は変わらず、獅子族の女性は強くあることをのぞみ、そしてそんな獅子族の女性に憧れる他の種族の方も多い。

そんなレオルド国の皇后は基本、獅子族だ。

それ以外の方がなったこともないことも無い。

ただ、その後獅子族の側室が迎えられ、王族を継いだのはその獅子族の子だったとか。

もちろん、皇后となられた方はとても優秀であったそうだけど、子が産めなかった方がいたり、子の能力が国の王向きではなく、皇太子にはならなかったりしたそうだ。



「今ではあの姫、それこそ皇后様にいっつも引っ付いているそうですよ。誰に嫁入りしたのかと思うぐらい。」


「あっ、あはは、そう。」



うーん、それは予想できていたかしら。

あの日、プージャ様に助けられてから、ずっとプージャ様への視線が凄かったですから。

でも、結構多いみたいですね、プージャ様に憧れ慕うお嫁様達。

後々聞くと、ほとんどの側室の方達は陛下ではなく、プージャ様に好意をもってお嫁に来るだとか。

それに対しては陛下も涙目だそうです。



「まぁ、それでお祖母様が調べて分かったのが、結構距離がある国だったようです。」


「距離?えーっと、トマッティア国かしら?」


「えっ?なんで分かったんですか?」


「あら、当たったのね。」


「えっえぇ。そうです。トマッティア国ですが、なぜ?」


「ふふふ、リディがヒントを出してくれたからよ。距離って。」


「えぇ?距離としか言ってないのに。」


「あら、それだけあれば充分よ。それに、他にもヒントはあったでしょう?」

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