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まっまさかの、まさかの展開です!

実家に帰ってきたら、まだまだ幼いと思っていた妹からの恋愛相談だなんて!!

リディはとっても可愛いし、美人さんだからどんな人でもリディに惹かれるとは思うけど、でも、今までずっと私の後ろを着いて来ていた可愛い可愛い妹が、初恋だなんて。

少し寂しいけども、喜ばしいことよね!

何よりも、誰でもない私を頼ってくれたんだもの!

ちゃんと話を聞いてあげないと!

アドバイスなんて私にできるかわからないけども。



「あのね、私が好きになった人は、そのね、獣人族の人なの!!」


「えっ?そっそうなの!?リディもなの?」


「うん、そうなの!だから姉様に話したいって思っていたの!!姉様も長い間、獣人族の方を思っていたって、教えてくれたでしょう?」



えぇ、言ったわね。

リディがあまりにも私を女神だのなんだの言うから、普通の人よって教えるために、話をしていたら何故か私の想い人の話になったのよね。

大事な妹に嘘をつくのもできず、正直に話せばとても興味深そうに、聞いてくるのでどんどん話していたのよね。

だから、リディはよーく知っているのよね。

金さんについて。



「そうね。でも、リディ、獣人族の方なんて、いつ会ったの?」


「えへへへ。あのね、青薔薇達と少し遠くに出かけた時にね。嗚呼、もちろん、領地内よ!それはちゃーんと約束した通り。」


「それならいいけども。でも、青薔薇さん達元気なのね。」


「元気、元気ーーー!とっても元気すぎて困るぐらいだよー。姉様が帰ってくるって知ったら、すんごーく会いたそうにしてたけども、仕事もあるからって残念そうにしてたよ!」


「そっか。ふふふ、私も久しぶりに会いたいわ。」



リディのわがままにも苦笑しながらも付き合ってくれている優しい大人達。

数年前、この領地に盗賊としてやってきた彼等だが、早い段階で気づいた2人に早々に捕まえてしまい、その後は父様と話して、この領地で住んでもらうことにしたのよね。

私も少しお話させてもらったけども、根はいい人達。

ただ、貧しさに方法がなくなってしまい、そうなってしまった人達だった。

そんな人達を領地に住まわせて、そりゃあ、うちも貧乏な領地ではあるので、余裕はないけども、でも、彼らをそのまま放り出すことなんてできなかったのよね。

その後、リディにとって、とってもいい遊び相手にもなっているわ。

それまではずっと私の後をついてばかりだったリディがあの人達から会ってからどんどんといい方に変化していったのよね。

何やら彼等のお仕事を手伝うほどにね。

そりゃあ、危ないことはして欲しくないけど、私も幼い頃から狩りに出かけたりしていたから、言える立場ではないし、何よりリディがとっても楽しそうだから。

それに青薔薇さん達が、リディをちゃんと守るからって約束してくれてるのだもの。

だから、私は彼等とリディを信じているのだけども、まさか、それでリディに初恋が。



「それでね、姉様。」


「えっえぇ?」


「私が出会った獣人族の方ってのが、その隣国の方らしくて。お仕事でこちらに来たそうで、すぐに帰ってしまったの。」


「そうなの。でも、リディはその人のこと好きなのよね?」


「うん、好きよ。私をお転婆娘と笑いながらも受け止めてくれた人だから。姉様も知ってるでしょう?私って外見と中身があまりにも違いすぎて、残念だって言われること。でもね、彼は、あの人はそんな私をいいって言ってくれたの。」



嬉しそうに笑うリディに驚きを感じながらも、暖かい気持ちが胸をしめる。

どこか寂しそうに笑う妹が、こんなに幸せそうに笑うなんて。

でも、隣国だなんて。



「またお仕事に来るらしいけども、多分そんなに直ぐではないって言っていたわ。私もついて行きたいって言ったけども、駄目だって言われちゃって。これって、振られちゃつわたのかなぁ、姉様。」


「えぇ、そっそれは、その私もお会いしたことがないからどんなに人か知らないし、分からないから何とも言えないけども。その方はどんな人なの?」


「んー、熊みたいな人。でもね、とっても優しくて、いい人よ。きっと私を町娘だと勘違いしているけども。だからこそ、一緒について行くって言ったのだけども、もっとしっかりと考えるべきことだし、まだ出会ってそれほど経っていないからって。お互いのことをよく知ってからじゃないとって言われて。」



あら、あらあら。

この言い方なら、その方もリディに気があるんじゃないかしら?

それに、この感じならとってもいい方みたいね。



「ふふふ、リディ。その方が言った通り、少し冷静に考える時間も必要ね。今のリディは初めての恋に少し舞い上がり過ぎているのかもしれないわ。」


「えぇー、そうかしら?じゃっ、じゃあ、姉様?姉様はお義兄様のこと好きよね?どれぐらい好き?どれぐらい好きだったら結婚してもいいの??」

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