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「あっ、あの、リディにそう言ってもらうのは嬉しいのだけども、でも、そのね、そんなに、皆にはそんなに言わなくても。」


「えぇー、なんでですか?姉様の話は私の自慢なのに!!とっても素敵な人がお義兄様になったんだって!」


「そうなのだけどね、恥ずかしいから、ねっ?」


「そうですか?んー、なら仕方がないですね!」



嗚呼、慌てている姉様も可愛らしい!!

ふふふ、可愛らしい姉様だけじゃなくて、驚くお兄様も見れたことだし、大成功じゃないかしら?

本当にアイツらはよくやってくれたわ!

チラッとお義兄様を見れば、冷や汗を拭っているわね。

ふふ、やっぱりこっちの方が効果あるみたいね。

どうやら兄様は怒りのあまり、考え無しでやっちゃったみたいね。

まぁ、私も前情報がなかったら、そのまま怒り狂っていたことでしょうけど。

私には、お義兄様がどれほど姉様に惚れ込んでいるか、よーくよーーく調べましたからね。

本当に、あの屋敷は警備が頑丈すぎて、なかなか情報が得られなかったけども、あの屋敷に通っている商人や周囲の貴族から情報を得ることが出来た。

まぁ、大した情報は得られなかったけども、お義兄様が仕事をすぐに終わらせた時期や、様子が変化した時期、並びに姉様のことを話す内容。

それらさえ知れれば、姉様にいつ惚れて、どれほど惚れ込んでいるかなんてよーく分かる。

だって、何よりも姉様を愛している私だもの。

同じ人種と成り下がったお義兄様なのだから。

だから考えること、なす事がよーく分かる。

そして、知れば知るほど、私とよく似た人だということが知れてしまった。

つまり、私と考えること、なす行動が本当によく似ているのだ。

しかし、まだまだだ。

姉様を愛して日が浅いからか、まだまだ姉様のことを知らず、そして、姉様の為の行動が取れていない。



「姉様が愛するのに一体何があったのかしら?聞けば聞くほどお義兄様は空回りばかりしているようだけど?」


「いやー、それが、そのことはよく分からないっすよね。あの女神様がなぜ、公爵なんかを愛したのか。ただ今まではこう女神様にガンガンアタックする奴なんていなかったし、それかなー?」


「そんな簡単な女じゃないわよ。姉様は。」


「そうっすよね、女神様がそーそーやすやすと落ちないッスよ。」


「んー、どうやら、公爵サマが変化したのは、結構前っスけども、女神様が変わったのは多分、結構最近ッスよ。それこそ頭が激おこになったクソ姫の事件ぐらいみたいっす。まぁそれも、多分な情報ッスけどね。」


「その辺かー、確か隣国からあのクソ姫を引取りに来てくれたんだっけ?獣人族の王である陛下自らが。あっ?獣人族??」



そうだ!そうだった、姉様の思い出の君は、獣人族だった。

どんなクソ野郎でも忘れたいてはダメだった。

姉様のことに関することなのに!!

そうか、これは何かしら。



「関係があるな。しかし、これ以上はきっとこのことは調べることはできないな。それこそお前達が消されてしまうだろうし。」


「それは勘弁してほしいっす!!」


「分かってるよ。そんなことで、お前たちを無くすのは惜しすぎる。大体、その獣人族とでなんかあったのは確実だ。しかし

、姉様がこれ以上、お義兄様に惚れ込む前に、私がなんとかしないと。」


「なんとかって?一体どうするッスか?」


「そりゃあ、理想の男性にするのよ!姉様の本当の意味の旦那様になるならば、ただのハリボテ野郎じゃ困るのよ!姉様を幸せにすることができるように、姉様が望むことを自然とできるそんな男性にっ!!」



その為にも、まずは私がお義兄様とある意味仲良くならないとね。

まぁ、腹立つ気持ちがないわけが無いので、とりあえずお灸は据えて。

でも、それは何も知らない素直で可愛らしい義妹としての姿をちゃーんとしながらもだけどもね。

じゃないと、その後の方が大事なのだから。



「うわー、きっとえげつないこと考えているよな、頭。」


「まぁ、いいじゃないか。俺らに被害は被ることは無いだろうし。何より、俺らだって、女神様、ミシェル様には幸せになって欲しいからな。俺らを命という意味で助けてくれたのは若と頭だけども、魂という意味で助けてくださったのはミシェル様だからな。」


「俺らはあの日を一生忘れることはないだろうな。」


「そりゃあ、そうッスよ。俺らはこの地にやってこれたこと、そしてスーティン家に出会えたこと。これまでのクソのような人生で本当に奇跡のような事だったんだからな。だから、ミシェル様には、いや、勿論、頭と若にも幸せになってもらいたい。それが俺らができる唯一の恩返しだからな。」

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