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流石は姉様。

どんな人でも姉様を愛さずにいられないのですね。



「けどよぉ、この話からして、公爵様が姫様を好きになってはいるけども、もしかして姫様も公爵様のこと好きなんじゃないか?」


「いやーそれは俺も思った。これが演技じゃないのなら、それこそ好きな相手じゃなきゃ、あの心の広い姫様でもな、受け止められねーよ。」


「それにそれに、どうやら姫様も嬉しそうに答えているみたいだぜ。」


「えぇーー!!あの姫様がぁ!どれほどの奴が好意を向けても、自分に思う人がいるからと誠心誠意でお断りしていた姫様が!」


「相手が勘違いしないようにって!ちゃーんと線引きされていて、でも姫様の魅力に落ちてしまう者が続出してしまうというあの姫様が!!」


「「「どういうことだっ!!!」」」



はっ??

今、コイツら、なんて言った??

姉様が公爵様を好き??

はぁ?はぁ???



「はぁああ????」


「やっべ、頭がガチギレモードだっ!!!」


「避難しろっ!!」


「あの姉様がっ、あんなゲス野郎に惚れただって!?そんな事有り得るわけがねぇだろうがっ!!!姉様は幼い頃の美しい初恋の思い出をそっと胸に抱き続けている女神だぞっ!!それこそその初恋の野郎はいつまで経っても女神を迎えにも来ないチキン野郎だから、そんな奴に女神を渡すわけなんて一切合切、ありえませんがっ!!けどけどなぁ、そんな初恋がもう終わっているとも理解しながらも、それでも待ち続ける女神のなんと愛しいことか!!そう、そうだっ、あの女神を慰めて差し上げることが出来るのは、血の繋がりがあり、女神からも1番可愛がられている、この私だというのに!!なのになのになのに!!」


「かっ頭ぁ。」


「やべぇ、止まんねぇぞ。」


「あぁああ!!!クッソ、こうなったら、奴を。」


「それはダメっしょ、頭。」


「頭の信条は、姫様の幸せだろう?姫様がようやく新たな1歩を踏み出せたんだから、喜んでやらないと。そうだろう、頭。」


「チッ。」



なんだ、なんだ、なんだ。

コイツらに冷静にさせられるとは。

腹が立つがそうだ。

私は姉様の幸せが何よりもの願いだ。

姉様がいつまでも初恋の思い出を大切にしていることを不毛であるとは知りながらも、でも姉様がその思い出を大切にしていることで、幸せならば。

どんなに、相手の男を憎らしく思おうとも、姉様にそのことを伝えることはしなかった。

だって、姉様が幸せそうだから。

でも、いつか、いつかは。

前を向いて歩いてくれたら。

私たちのことなんか気にせず、自分で選んだ人と幸せになってほしいと。

だって。



「私では、姉様の本当に望む幸せを与えてあげることなんて出来ないんだもの。」


「頭。」


「私は女で、どんなに鍛えようとも男性に勝つことはなかなか出来ないし、何よりも姉様がそんなことを望んでいない。そして、私は姉様の妹。1番誇らしい血の繋がりだけども、もし血が繋がってなくて、私が男性だったら、そしたら1番に姉様を、あの優しい人を胸をはって守ることができたのかと思ってしまう。でも、結局、それは私の妄想でしかない。現実の私は姉様を守り幸せにすることができる力がないの。」



悔しくて、悔しくて仕方がないけども。

これが現実。



「だから、俺らがいるんじゃないですか!」


「はっ??」


「そうそう、頭が力がないのなら、代わりに俺らを使えばいい。今までだってそうしてきたじゃないッスか!」


「情報が足らなけりゃ、俺らが走って集めてくる。それで頭が考えて守ればいい。だろう?頭。」


「何のための俺らさ。」


「はっ、はっはっはっ。あははっ。」



そうよ、そうよね。

コイツらに気付かされたのは腹が立つけども、でも、そうよね。

私に足りないものを補うためにコイツらを私は雇ったのだから。

姉様を幸せにするために。



「ただ、ムカつくわね。アンタ達に気付かされるなんて。」


「ひっでぇーー。頭がいっつも言っていることを今繰り返し言っただけなのにさ〜。」


「まぁ、頭が冷静になっただけいいさ。頭が暴れだしたら俺らじゃ止められねぇからな。若様呼ばねーと。でも、そうなったら困るだろう?頭。」


「えぇ、そうよ。兄様に知られるわけにはいけないわ。だって

兄様が私に隠しているわけでしょう?でも、私は知ってしまったし、何より、兄様の想像通りには動かないつもりだもの。」


「どうするつもりだ?頭?」


「そうねー。まずは、相手の情報収集ね。ある程度のことは、調べたけど、それって結局あちらでは常識的な情報だったし、しかも今はまた違っているわけだから、現在の出回っている情報に、それにさらにの情報がいるわ。」


「あーー、それって、もしかしてあの屋敷に潜入するとか?」


「あそこは無理そうなんだよなぁ、厳重すぎてな。セッカの姐さんぐらいじゃないとキッつい。」


「あは、それは分かっているわ。だから、そこからじゃなくて、周りから調べるのよ。本元は無理でも、周囲にならパラパラと落ちているはずだから。出来るでしょう?」


「「「おまかせを。我ら青薔薇に。」」」

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