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ほーんとほーんとに失礼しちゃうわ!
なーんでドン引きされなくちゃいけないのよ!!
「イッいたたたっ!!!」
「ほーんとに失礼すぎるわ!」
「そう言いながら関節技掛けてくる頭怖すぎるだろう。」
「なによなによ!私だって、とーってもか弱いんだからね!!」
「か弱い人がこんなことしませんよ。態々、痺れ薬を打ってまで。」
「だって、そうしないとアンタ達が逃げちゃうでしょうー。」
「「「恐ろしすぎる。」」」
ちゃーんと罰を受けるならいいけども、コイツらはすぐ逃げちゃうからね。
だから、まとめて痺れ薬よね。
本当に母様のあの小屋様々よね!
だって簡単に薬を作ることができるから!
こればっかりは兄様も勿論天使のような姉様も出来ないことよね。
母様の才能を1番に受け継いだ私の唯一の自慢できる特技だもの。
でも、兄様ったら絶対にこのことは領地以外ではするなって言われてるのよね。
嫁入り先がなくなるからって。
そんなことで嫌がる奴なんてこっちから願い下げよ!
私にとってこれは特技で、なくてはならないものなんだから!
姉様はこのことを本当に褒めてくれたんだから。
父様だって私が私で居れるようにしてればいいって言ってくれてるから、このことを嫌がるようなやつの所にはお嫁なんか行きたくないわ!
でも、このことを悪用する人もいるかもしれないから、だから領地以外では秘密にしておくのよって、母様は言っていたからそれ以外のところでやることはないし、まず、今まで領地以外に出掛けることなんてなかったから。
こいつらを雇い始めてから、外の情報はすぐ入るようにはなってるけども、実際に領地から出たことはないんだよね。
「まぁ、いいや。それよりも、アンタ達、ちゃーんと姉様が帰ってくる日は間違いないのよね?」
「まぁ、いいやって、ちゃんと報復してから言う言葉じゃないような。」
「確かにそうだが、これ以上言うな。」
「嗚呼、大丈夫だぜ。セッカ様も言ってたし、確かだろう。」
「そうなのね。本当にもうすぐなのに、ぜーんぜん言ってくれないのよね。」
「頭が暴れると思って黙ってるんじゃないッスかね?」
「失礼しちゃうわ!私だって、いつでもどこでも暴れるわけじゃないわ!ちゃーんとタイミングを見計らってしているのに!」
「結局暴れるんじゃないっすか。」
「あら、暴れる理由があるならよ。」
理由もなく暴れるわけないじゃない。
ちゃーんと、理由はあるのよ!
ただそれが私にとってはってことだから、あまり理解されないこともあるけども。
1番の理由になるのはいつだって。
「姉様に被害がある時なのに。」
「その姫様が、どうやらあちらではとっても有名になりつつあるようだ。」
「まぁ、それは嫌だけど、予想していたことだわ。だって姉様は女神だもの。1度世に出れば、虜になってしまう人が多くいるわ。でも、横に仮にでも結婚した公爵様がいるから、手を出してくるやつはなかなかいないでしょう?」
「そりゃそうだが、問題がその公爵様なんだよ。」
「へぇー、お義兄様に問題が?」
「以前調べた時に、想い人がいるって話しただろう?」
「嗚呼、あのバカ姫ね。」
そのことはよーくよーく知っているわ。
コイツらが調べてくれて、そして尚、母様が一時期荒れたからね。
まぁ、前情報として私は知っていたけども。
でも、好条件だったから、姉様も嫌になったら帰ってこれるしって思ったのよね。
それが一体どうしたの?
「それが、どうならこの前の婚約発表会でやらかしたそうだぞ。あっちでは隠されているが、結構大事だったそうだ。それに姫様が巻き込まれていたそうだ。」
「姉様が!!何!クソ雌豚めっ!!!」
「ちょっと待て!落ち着け!!姫はもうこの国にはいないんだから!!落ち着け、頭!!」
「邪魔をするなー!!」
クソっ、羽交い締めしやがって!!
痺れ薬はさっき使ったので最後だったから、今手持ちにはないっていうのに!
今手元にあるのは眠り薬だから、今コイツらに使うのはまだ話してもらいたいことがあるから使えないし。
「それに、結局最後に被害を被ったのは姫の方だって!!」
「何それ?どういうことよ!!」
詳しく聞けば、なんとアホらしい。
バカだバカだと思っていたけども本当にバカ姫じゃん!
姉様と同い年だとは思えないわ。
しかし、この話だと。
「公爵様は姉様にベタ惚れってことね。」
「まぁ、愛妻家って言われてるそうッスね。」
「でも、演技なんじゃないっすか?」
「いや、これはガチよ。ガチガチのガチよ!というかさ、あの姉様といて、一緒に過ごして、惚れない訳がある?ないわよね!有り得るわけがないわ!!」




