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聞けば聞くほど、ミシェルの祖母は一体。

陛下も、ミシェルの祖母に対して、とても尊敬しており、それこそ神のように思っているって言っていた。

それに、他国でも有名だと。



「ハハッ、大丈夫です。そんなに酷い人ではないですから。少し、自分に正直すぎて、それを貫き通してしまうという人ではありますが、身内にはとても甘い人ですから、今回のことを聞いても、そこまで怒ることは無いと思いますよ。」


「そこまで・・・ですか。」


「まぁ、少しは怒るかも知れませんね。母は特にミシェルを可愛がっていましたからね。才能は自分のを受け継ぎながらも、容姿は母の最愛の父にそっくりですから。」


「父と言うと、ミシェルの祖父、ですね。」


「えぇ、私よりもミシェルは父、祖父似ですから。私も父似ではありますが、ミシェルはさらに父に似てます。残念ながら、今は母の放浪について行って、なかなか会うことが出来ませんがね。」


「そっそうですか。」



そういえば陛下も何年も会えてないと言っていたな。

我が国にいてもらう為の爵位だったと言うのに、まさか、その本人が放浪してしまうなんてって泣いていたな。

まぁ、しかし、最後には帰ってくださるからいいのだがとも言っていたが。



「まぁ、そんなこんなで、我が一族はそれはそれは目をかけられているのですが、それを良しとしないのが我が母なので、表だって出ることはほとんどないのです。呼ばれていくのもそれこそ個人的にしかですし、内密なことも多いので我が一族を知らない方も多いと思います。それこそ殿下達は知らないのではないでしょうか?殿下達が生まれてからはそれこそ数回しか会いに行くことはなかったですし。」



確かに、殿下達は知らないはずだ。

俺がミシェルと結婚する時に、名を伝えたが、知らないようだったし。



「父が爵位を私に譲ったことで、母の放浪がさらに酷くなったからですね。国にいることの方が少なくなったほどです。故に、王都に行くことも減りました。母がいないのにいく理由がありませんし。陛下は来て欲しいと何度か手紙が来ましたが、私にも仕事があり、領地が災害にあったこともあって、足は遠のく一方。陛下とミシェルが会ったのも遠い昔の数回ですから。幼いミシェルしか知らない陛下がわざわざ、これほど機密にしている公爵様の嫁として名を上げることはしないだろう。まず、師匠の孫であるミシェルを勝手に嫁へとは進めることはないだろうと思って、陛下の手入っていないと思い、ただただ当人達が話し合い、納得して決めたものだと考えつき、反対しませんでした。」


「旦那様がもっと反対してくだされば、お嬢様ももしかしたら。」


「セッカ、それはできないよ。例え父親でも、ね。もう、ミシェルは大人なんだ。ミシェル自身で考えて決めたことを親だからとねじ曲げる事はできない。そりゃあ、間違ったことをしようとしたら止めるけども。今回のことに関しては、お互いが納得して、決めたことだからね。流石に騙されているのならばとめたさ。でも違う。まぁ、ミシェルが泣いて、戻ってくるのならばそれはそれでいいかなっとも思っていたしね。」


「そっそれは。」


「ははっ、大丈夫、今はそうは思ってませんよ。あんなに幸せそうに笑うミシェルを見れたんだ。セッカだって感じているだろう?嫁にいく前まで、ミシェルはずっとどこか寂しげだった。けど、今日帰ってきて、その寂しさは今は一切感じられないんだ。それは公爵様のおかげだと思っているよ。」


「確かに、お嬢様は想い人を何年も待ち続けたことで、大変疲労しておりました。どうにかしたい気持ちはありましたが、それをお嬢様は望んではいませんでしたから、見守るしかなかったのです。」


「そうだね。私達家族は、知っていても何も出来なかった。けども、公爵様と結婚したことで、今は本当に幸せそうだ。だから、始まりがどうであれ、今は公爵様と結婚したことは、ミシェルにとって良かったものだと私は思うよ。」


「旦那様。分かりました。私はこれ以上、何も言いません。」



そう言って、セッカと呼ばれた侍女は、一礼をして部屋を出ていった。

残ったのは、俺と義父。



「すみません。セッカが失礼なことを。あの子はミシェルが拾ってきて、助けたもので、ミシェルに対して、それこそ信仰しているがの如く、敬愛してましてね。あの子自身も、産まれてから大変な人生を過ごしてきてたそうで、ようやく出会えた奇跡がミシェルだと。」


「ミシェルが奇跡。」


「えぇ、あの子自身が希少な種族であること。それが故に他国では差別されるだけではなく、それこそ兵器のような扱いをされることもあったそうです。」

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