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「しかし、旦那様がとても優秀だからこそ、頼られているのでしょう?プージャ様もそう言ってましたし。」



あの人は!!

最後の最後まで邪魔をする気だな!!

本当に!

俺が仕事を辞めようとしていることもミミに言いやがって!!

それを聞いたミミがどれほど怒ったか。

あの時のミミはとっても怖かったな。

お仕事を貰えることはとっても嬉しいことですからって。

ミミは実家の領地で、仕事がしたくてもなくて困っている人達を何人も見てたから、仕事は大切にしなくてはならないって思っている。

だからこそ、俺があれだけ仕事をしているのも何も不思議にも思わなかったと。

いや、まぁ、俺が姫を思っていた時だからなお思わなかったようだけども。

ミミ自身も自然と自分の仕事を探してしまうのも、そんな人達を見ていたからかもしれない。

働きたくても働けない人達を、ミミの実家は受け入れては仕事を与えていた。

それほど高い給金は払えないけども、でも、望んでいる人を無下にはできないと、お義父さんが言っていたとミミは笑顔で言った。

そんなお義父さんを尊敬しているってミミが言っていたからこそ領地の仕事も少しずつし始めて行ったのに。

やはり、騎士としての仕事が多くて、それ以外にも仕事を持ってくる殿下に怒りを感じずにはいられない。

そりゃあ、今すぐ辞めるのは流石にとは思っているさ。

でも、部下たちを育て上げた後には、この仕事を辞めて、領主として専念するのも大事だと思ったからこそなのに。

あの人は仕事を辞めるだけをミミに伝えて行きやがって。

そりゃあ、今すぐにでも辞めてやりたい気持ちは半分ぐらいはあったが、半分はちゃんと責任をはたしてから辞めるつもりだったさ。

それをミミに話して、ようやく落ち着いてくれたんだからな。

それなのに、まだ言っていたとは。



「優秀か、いや、それほどではないよ。今の地位はそれほど高いものでは無いしね。それこそ、今の団長や副団長には及ばないし、なによりは俺は領地を守らないといけないからね。正直、今の騎士としての俺の変わりになるものは沢山いるけども、領主は俺しかいないからね。だから、辞めないといけない時が来るだろうし、その為にも部下たちをしっかりと育てていかないといけないからね。」


「なっなるほど。」


「俺がいるとどうしても気心知れた俺に殿下は頼ってしまいがちだが、俺がいなければそれこそ色々な奴等に声をかけることができるし、いい人材が育つと思うんだ。だから、殿下には俺がいなくとも頑張ってもらわないとな。」


「そっ、そうですね?」


「あの殿下が手放すわけが。」


「クリスッ!!」



いい感じに話がまとまりそうだと言うのに!!

クリスめっ!

思わずクリスの口を止めるためにも手で抑えてしまった。



「だっ旦那様?」


「まぁ、なので、とりあえず、ミミの実家に帰るのはすぐではないだろう?」


「ええ、1か月後に行こうかとは、思っていますが。」


「そうか、なら、その間にきちんと殿下や団長に話しておく。」


「あの、旦那様、無理はされずとも。」


「無理などしていないよ。大丈夫。」



クリスが何か言っているが、今は黙らしておくしかない。

ミミが笑顔で部屋を去るまでは、クリスの口を閉じておく。



「はぁ、良かった。」


「良くはありませんよ!旦那様を殿下が離すわけないでしょう!!あなた程の優秀な方はそうそういません。それこそ、スーニャ様程のレベルでなければならないでしょう。」


「スーニャが男だったら、それこそ重要な地位に付いていただろうな。今のスーニャでさえも、殿下は傍に置きたいと思っているだろう。ただ、それを周囲がなかなか許さないからこそ、スーニャは今の立ち位置にいるけどな。まぁ、本人は今の立ち位置に満足を思っているがな。」


「そうですね。スーニャ様は今のご自分の立場をとても誇りに思っていますし、殿下がお誘いしてもお断りになられるかと。」


「だろうな。殿下もなかなか諦めないだろうがな。それこそ、王妃にするとか言い出しそうだが。」


「それはスーニャ様が怒るでしょうね。って、違います。旦那様、本当に4ヶ月も仕事を休むつもりですか!!そんなこと、無理だと思いますが!!」


「なんだ、なんだ。無理だと決めるには早いだろう。正直、今の騎士としての仕事は少ない。それこそメインが殿下の元での仕事になっているからな。殿下さえ黙らせさえすれば、団長も頷いてくれるだろう。」


「そうですかね。」



まあ、まずその殿下を黙らせるのが難しいとクリスも思っているな。

しかし、妻の為だと言えば、殿下も黙るしかないはずだ。

それに陛下も。

陛下の方が味方してくれるかもな。

ミミが師匠の孫と知ってから、それはそれは日々の様子を聞いてくる。

本当に、あんたの娘かって言うぐらいに。

はぁ、ミミには伝えていないが、陛下が何度も何度も会わせろと煩いし、とりあえず4ヶ月の間、逃げるのもいいと思うのだ。

だからこそ。



「殿下を黙らせるぞ。」

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