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旦那様に思いを告げ、早数ヶ月。

あれ以来、さらに旦那様は以前よりも甘くなったように感じてしまう。

帰宅時間はさらに早くなったような気がしますし、休日の時はちゃんと領地のお仕事もしますが、空いた時間は私の傍にすぐにやってきて、お話をするようになりました。

それに、街へも何度も誘われてお出掛けにしにいくようになりました。



「ミシェル、あの店は最近流行っているそうだ。特に焼き菓子が美味しいらしい。」


「あら、では買って帰りましょう。皆にお土産に。」


「そうだな。」



旦那様が微笑みながらも握られた手は離されない。

街に出掛けた時にはいつも手を繋がれていて、離されることは無くて慣れてしまった。

逆に手を握られていないと少し落ち着かないぐらいなことに気づいてしまった時、顔が真っ赤になってしまって、エレナにとっても心配されてしまったことも。

そんな日々を過ごしている中、突然事件が舞い降りた。

言葉通り舞い降りた。



「えっと、ひっ久しぶりね。」


「はい、お元気そうでなによりです。お嬢様。」


「奥様です!」


「はっ、私にとってはお嬢様はお嬢様です。」


「セッセッカ!!」



久しぶりに会ったセッカはニッコリ笑顔で、畑仕事をしている最中に空から舞い降りた。

あまりにも自然すぎて、ここが実家なのかと思うほど。

でも、確かにここは公爵家で、そういえば前もこんなことがあったけ?

そばに居たエレナは警戒心で耳が出てる。

どうやらエレナは前回のセッカとの出会いがトラウマ?のようで、私がセッカはとってもいい子だと話しても、苦手だと言っていたっけ?

どうやらライバル心もあるみたい。

それは他の子達から聞いたのだけども、エレナはこの屋敷にやってきてからずっと私のお世話をしてくれているけども、それまではセッカがしてくれていたから、どうやらセッカよりもと思うところがあるらしく。

苦手だと言いつつもセッカのことを聞いてくるのはそんな理由があるからだとファーム達が教えてくれたっけ。

そんなこんなで、エレナの警戒心が強い中、セッカは全く気にしていない様子。

セッカは基本マイペースな子だから。



「セッカ、その急にどうしたの?何かあった?」


「何かと言いますが、そのですね、まぁ、事件ですかね?」


「へっ?事件?」



セッカの話を聞いて、思わず、すぐ様、旦那様の執務室まで走っていました。

今日は確か、お休みですがクリスに領地の方の仕事があるからと朝から執務室でお仕事なされていたはず。



「旦那様!」


「えっ、どうした?ミミ!?」


「実家に帰らせていただきます!!」


「えっ?えっ?」



あら、旦那様?

一体、どうしたのでしょうか?

何故、口をパクパクさせているのでしょうか?

不思議に思い、旦那様を見ていると、急に動き始めたクリスに頭を強く叩かれました。

って、ええ!?



「クックリス!?なっ何を!?」


「糞バカ旦那様!!一体何をしたんですか!!?ついこの間、奥様が好きになってくれるかもって喜んでいたはずが!!もしかして、喜びすぎて迫ったのか!!奥様はまだ好きかもしれない段階だとあれほど、あれほど言ったのに!!!」


「いっいっいや!!そんなことは一切していない!!俺は本当に!ミミの気持ちがちゃんと分かるまで待つつもりで!!!」


「なら、何で、奥様があんなことを!!!」


「そうだ!ミミ!!何故、急にそんなことを!!俺が何かしたか!?どこか悪いところでもあったか!!?治すから!絶対に治すから!!だから別れるなんて言わないでくれ!!!お願いだっ!!ミミに見捨てられたら俺は死んでしまう!!冗談ではないよ!!本当に死んでしまう!!」


「えっ?何故、別れるなんてことに??見捨てるなんて、そんなことしませんよ??」


「いや、だって、今!!実家に帰らせていただきますって!!」


「えっ、いや、それは。」



嗚呼、旦那様ったら勘違いされていますね。

もう、私ったら気が焦りすぎて言葉足らずだったのね。



「あの、実家に帰るはその言葉通りで!」


「だから、それは別れるってことじゃ!!」


「違いますっ!!本当に帰るだけです!!!」



セッカから聞いた話を旦那様にしていれば、旦那様もクリスも落ち着いて来ました。

良かったです。



「つまり、お義母様が、妊娠して下の子たちの面倒が見切れなくて困っているから里帰りがしたいと?」


「ええ、とっても仲が良いのは知っていましたが、まさか弟か妹がこの歳になってできるとは思いませんでした。しかし、弟達もまだ幼いので。」


「確か、10歳と7歳だったか?」


「はい、弟が10歳で、妹が7歳です。」

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