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ファームの言葉を聞いて思い出されるは、まだこの屋敷に来て1週間のこと。

ファームのお手伝いをしてて、でもファームになかなか洗濯する時の手際がまだまだで、まぁ、その時は新人のメイドだと思われていたみたいだけども、その時は必死でしてたから全くどれぐらい時間が経っていたかなんて分かっていなくて、急に凄い力で立たされたのよね。



「ちょっと、あなた、やりすぎよ!!」



慌ててそう言ったファームの姿は本当に焦っていたっけ。

誰がそこまでやれって言ったと怒られもしたっけなー。

でも、あの時からファームの対応が変わってきたような気がするのよね。

ファームって良くも悪くも無関心な所があったから。



「ふふふ、あれはファームにとっても心配されたものね。」


「えぇ、あの時はなんて熱心すぎる新人だと思いましたが、まさか、若奥様だったなんて2度びっくりしましたよ。」


「あらあら、ごめんなさい。」


「もう、ぜーんぜん反省されておりませんね!もうっ!それよりも、エレナさん。エレナさんも気になっていたでしょう?旦那様と奥様の距離が近くなったこと。」


「えっ?そうなの?エレナ?」



エレナも気になっていたのかしら?

でも、私、エレナには全て話していたから、全部知ってるはずではないかしら?



「えぇ、気になっていたわよ。でも、それは奥様が、じゃなくて、あのバカ旦那様のことよ。」


「旦那様?」


「えぇ、奥様。あの馬鹿旦那様は今の奥様の様子をそれはそれはダラしない顔で見ているので腹が立って腹が立って仕方がないのです。」


「あっ、あー、そういうことですか。エレナさんは、ぜーんぶ分かっていて、それで旦那様の態度が気になって仕方がないと。」


「そうよ!そう!!本当に、奥様がすこーし寄り添っただけなのにデレデレしやがって!」


「ええっと、エレナ?」


「奥様がちょーっと優しくしたら付け上がるようなバカに、私の大事な大事な奥様を任せることなどできませんよ!聞けば、あの馬鹿旦那様は奥様の超ピンチに間に合うことが出来なかったと言うではないですか!!ありえません!!」


「えっ!?そうなんですか!?旦那様ってば!」


「えぇ、そうよ!!」


「えっ、えっと、エレナ?そっそれは違って。」



エレナを止めようとしましたがヒートアップしているエレナは止められず、そのまま全てファームに話してしまいました。

あの、違うのよ?旦那様は、何も悪くないのに。

そう説明してもエレナは怒ってばかりで。

何故その場から離れたと怒ってました。

それが朝の出来事で。

クリスに呼ばれてからエレナとは別行動だったから、まさかまだ怒っていたとは思わなくて。



「あーっ、それは旦那様、ダメダメですねー。」


「そうでしょう!!」


「旦那様ったら、本当に大事なところは決められないですね。もう、奥様が狙われていることは知っていたはずなのに。」


「それがよ!あの馬鹿!自分に危害を加えるしかないと思っていたそうよ!奥様はまだ安全だとか、思っていたそうで、本当に頭がいいのに、本当に馬鹿なんだから!」


「いや、エレナ?旦那様だって、お仕事とかあるからね?だから、仕方がなかったのよ。」


「仕方がないことありません!反省してもらわないといけません!!!なのに、あの馬鹿ったら、デレデレしやがって!!」



あの、エレナ。

もう旦那様の呼び方がただの馬鹿になっているのだけども。

いえ、今は落ち着かせるのが重要よね。

なので、とりあえずエレナとファームを落ち着かせることに集中することにした。

その後、クリスもやって来てくれて、なんとか落ち着かせることが出来たのだけども。

まさか、私、行動にでてたなんて。

正直、金さんが私のことをすっかり忘れていたことにショックを受けていたのを旦那様が支えてくれたことで、今までとはまた違った感情を旦那様に抱いているのは薄々感じている。

けど、昨日の今日でなど、なんて軽い思いなのかと思われそうだし、どっちに対しても。

それに、今のこの気持ちが本当にそうなのか、私自身よく分かっていない。

今まで信じてきた支えを失ったことで誰でもいいからってなっていないか。

そう、はっきりとは言えない。

旦那様は、ちゃんと言ってくださった。

なのに、私は正直、これがそうなのか分からない。

だからできるだけ隠そうとしているのに、まさか。



「はぁ、気を引き締めていかないと。」



まだどうかも分からないのだから誰かに気づかれる訳にはいけない。

ちゃんとしないと。

そんなことを思って改めて旦那様と過ごそうと思っている矢先にまさか、また彼等に会うことになるとは。

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