「ウとハとエ」[2]
これ思ったんだけど、短編じゃなくて連載の方ですかね?
スマホばっかり見てる。
もうちょっといい誘い方あったかなー?でも乗り気じゃなかったし仕方ないかなー?嫌われてたりしないよね?
「まずは、どこいくんだよ」
「あ、あーえっと、」
いきなりの問いにハナは少しビクついてしまった。
「あそこの店かな」
ショッピングモール内のレディース中心の服屋を指差す。
「マジか、まぁいいや。早いとこ済ませよ。」
相変わらずスマホに夢中なウリマ。
「一緒に見てくんないの?」
「見てもわからん」
「えー」
ハナは少し考えてこう言った。
「じゃあ一緒に見てくれたら、なんでも買ってあげる」
ウリマは怪訝そうに一瞬眉を動かした。
「あっそ、やっぱ見てやるよ」
意外とあっさり受け入れてくれたことにハナは少し驚いて先を進むウリマを追いかけた。
それから少しして、いくつか服を買った。
その間もハナはウリマに話をするがそのほとんどにさっきと同じ、表情を浮かべた。
「もう夕方の3時か、どうする?」
内心、ウリマはもう帰りたがっている。それが察せられるぐらい覇気のない怠そうな声でハナに質問した。
「えっと、小腹空かない?秋季限定の新作出たらしいし食べに行こうよ」
「おう」
それだけ放ってまた足早にウリマはファストフード店へ足を運ぶ。
注文を終え、新作のサツマイモパイをトレイにのせて、 席につく。
食べてる間もずっとウリマは怪訝そうにスマホを触っていた。 パイを食べるハナは、
「最後に寄っておきたいところがあるんだけどいいかな?」
「最後か」
「うん」
「じゃあいいよ」
じゃあか…誰にも聞こえないくらいの声でハナは呟いた。
ガシャンッ
ハナたちのいる机の丁度向かい側の机から激しい物音がした。
すぐに視線をやると、そこには散乱したハンバーガーとポテト、そして同い年ぐらいの青年が屈強な男に頭を下げていた。
「ほんっとごめんなさい。ボーッとしてました。
弁償します。」
今にも折れそうなくらい細い手足の青年は、せめてもの償いを提案する。
「おいおい、最悪だよ。これ一張羅なんだけど。
お兄さんみたいな学生が買えるほど安くないんだよ!」
わかりやすくチンピラ。
「あんまり見るなよ。」
ウリマはハナに忠告する。
「ううん、見てられない。」
そういいハナは席を立ちチンピラのところへ駆け寄る。
「ちょっと、ここは公共の場ですよ。そんな服一つ汚れたぐらいで、子供を脅すなんてみっともないですよ!」
煽りに聞こえなくもないハナの発言に周囲はどよめく。
「そんな服だと!これは本当に一張羅だ!
ガキが、舐めてると潰すぞ!」
「そんな服ならこちらが用意します。」
とハナは言い、おもむろに服の内ポケットから名刺を取り出した。
「これは…お嬢ちゃん、本当に?」
さっきまで邪智暴虐と言った様子のチンピラは態度が一気に小さくなった。
そして、ハナは携帯を取り出して電話をし、チンピラに行き先を伝えて帰らせた。
これ連載だわ