表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

埃と妄想

作者: につき

きらきらきんいろ

ほこりのつぶ舞っている

見とれているのは

あなたのほおの産毛

午後三時十二分の明るいけだるさ

あなたは何か言った

微笑まないで

こんなに苦しいのに

そのやわらかな指さきで

かろやかにめくる楽譜こそ

あなたとの共有する確かさ

どうしてなんて問わないで

時が今終わればいいのに

あなたの丸い瞳は亜麻色で

なんて締め付けてくるのだろう


雲流れる空広い屋上から

いっそ飛び降りたら

この想いは消えないだろうか

それとも

むしろ死んでしまえと

想いを告げたなら

悔い残らず

果てへ飛び込めるのか


すべての悲しみを

すべての弱さを

すべてのわたしを込めて

あなたに一つ詩を贈る

これは決して届きはしないもの

これは何時までも忘れられるもの

さいごの朝が明けるとき

一声鳴いたカラスの声


 そのままでいてください

 わたしにとって

 あなたがすべてです

 あなたのそのままこそ 

 わたしのすべてなのです

 だから

 どうか

 あなたのその銀の星のような声で

 わたしのなまえをよんでください

 わたしは何処へでも迎えに行きます

 例え裸で割れたガラスの海を泳いでも

 例え炎立つ重油の沼で溺れても

 例え千尋の谷を落ちようとも

 この想いは

 どこまでもいくのです

 茜の空を超えて

 重々しき雲の帳を払い

 峻険なる白い峰の頂きより

 鏡の湖を渡る風となり

 ひとりのあなたへ

 あなたへと

 涼やかに頬を過ぎるものとなり

 あなたのたじろぐものを

 遠ざけるために

 あなたの安らぎの

 礎となるために

若き日の追憶と膨らんだ妄想です。

ある方の企画に感化されました。

詩とは鮮度が短い故、今しか書けないのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ