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Act2 捏造のシナリオ(旧校舎3F 資料保管庫)
旧校舎の片隅、かび臭い空気の中に研斗のノートPCの青白い光だけが浮かび上がっている。
「……くくっ。ここなら加納本家のアーカイブにアクセスしている姿を誰にも見られないだろう……」
研斗は、持ち込んだ椅子に腰かけて、本家のデータベースから『加納 龍輝』の記録を盗み見る。
「さあ__ここからがクリエイティブな捏造の時間だ。加納君のお母さんを最高に卑劣な裏切り者に仕立ててあげよう__」
研斗は龍輝が幼少期に加納家で『虐待』されていたことや母親と逃げた過去も知っている。だが、彼にとってそれは悲劇ではなく龍輝を屈服させるための脆弱性に過ぎなかった。
(姫神さんの前で、奴を徹底的に暴く。『母親にすら売られていた孤独な人間』だと知れば、あの誇り高い
姫神さんが、奴を軽蔑するのは目に見えている。その後で、僕が本家に『処分の完了』を報告すれば、全ては元通りに)
研斗は、自分を「物語の救世主」だと信じて疑わなかった。
短いので、連続で行きます。




