Act2 嵐の転入生 3
昼休みのチャイムが鳴った瞬間、研斗は『薫と龍輝の密着攻撃』に机に突っ伏したまま動けなくなっていた。
同じ空間で、ヒメは優雅に立ち上がり、横の龍輝に声を掛ける。
「__さて、私は生徒会の用事があるから、龍輝、貴方は希と合流して」
「__おう、やっと解放ってか」
龍輝が研斗の横を通り過ぎる際、一瞬だけ足を止めて、航聖から通信で指示されていた「見張り」の任務を思い出した。
「(おい、航聖、こいつもう死んでんぞ。見張る必要ねえだろ)」
「(__黙れぇ、龍輝ぃ……!)」
航聖の悲鳴のような怒りの通信を「あっ、電波ワリィな」という顔で聞き流しながら、龍輝は中庭で待っていた希と合流した。
中庭のベンチで希が出したのは、大きな握り飯だった。樹家特製ニンニク風味のから揚げマヨおにぎりだ。二人ともこういうジャンキーな食べ物が大好きだ。
「これだよ。こういうのがいいんだよな。上品なメシじゃあ戦えないからな」
龍輝がパクリと豪快にかぶりつくとニンニクと醤油の香ばしいにおいが辺りに広がる。
「あはははっ、同感!あたしも高級料理より、やっぱお米が一番かなぁ……あ、そだ龍輝、さっき航聖がブチ切れてたよ。『チャットの報告の書き方を一から教えないといけないって。キモイとかウザいとかいらん。データのノイズ』だって!」
龍輝はもぐもぐと口を動かしながら、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「……ケッ、あいつは現場の空気を分かってねえ。あの佐藤のツラ見たら『キモイ』の言葉しか出てこねえっつうの。……んで、他に何か言ってたか?」
「ええと……『面倒くさいはどういう意味だ?僕のシステムにケチをつけるのか』って、そこが一番ショックだったみたいだよ」
希は意地悪そうに笑う。
「……ったく。そもそも、俺がボソッと言ったことも、ヒメが余計なことまで全部書いて送ったんだっ!あいつワザとやりやがったんだぞ」
「キャハハハッ!ヒメも航聖が怒るの分かってて送ったんだよ。……あ、また航聖からだ。『龍輝、食べたら歯磨きしろ。ニンニクのにおいさせて歩き回るな』だって」
「うっせーなっ。オカンかよ。あ、希、あと二個くれ。うめーな、これ」
チームをまとめないと進まない(笑)




