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義理だと分かったら、妹がガチの恋愛脳になった。〜妹が妹じゃなくなれば、最強ヒロインができあがる  作者: 白井 緒望


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第97話 脱衣所えすけーぷ。

 露天風呂に浸かりながら、ふと気になった。


 「父さんたちが戻って来たらヤバくないか?」


 俺はビクビクだったが、鈴音は余裕そうだった。


 「そのまま食事会場に行くって言ってたよ。もう少し入ってから出よう」

 

 「そうか。ならいいんだけど」


 「でも、パパ、カメラを部屋に置いていったの。うっかりさんだよね」


 「鈴音、フラグって言葉知ってる?」 

 

 「なにそれ。旗?」

 鈴音は首をかしげた。


 カエルは2、3回跳ねると浴槽の外に落ちてしまった。俺は拾おうと身を乗り出した。



 ガチャ、ガチャ……ガチャ。


 鍵を開けようとする音。


 (ヤバい……。カメラを取りに来たんだ)


 フロントで渡された鍵は2つ。

 父さんたちも、鍵を持っている。


 鍵がうまく噛み合わないらしく、何度もガチャガチャとドアノブを回している。


 (これなら即部屋に戻れば、ギリごまかせる)


 俺の全裸はともかく、鈴音が全裸で発見されるのはマズイ。


 「俺は後で良いから、鈴音が先に戻って」


 鈴音は即答だった。


 「イヤ」


 今は緊急事態だ。

 駄々をこねている場合ではない。


 「なんで?」


 「だって、わたしお湯から出たら裸だし」


 「目を瞑ってるから! その間に脱衣所で下着だけでも着てよ」


 「わたしの下着とか脱衣所にないし」


 ……は?

 脱衣所は、その名の通り脱衣するところだ。

 なぜ、そこに服がない。


 「なんで?」


 「だって、脱いだ下着とか、悠真に見られたら恥ずかしいじゃん」

 

 この人、部屋から裸で来たの?


 「ちなみに、脱いだ服は、ベッドの上とかに?」


 そのまま脱ぎ捨ててあれば、すぐに着れる。

 だが、鈴音の返答は残念なものだった。


 「スーツケースの中に入れたよ。中でちゃんと別の袋に入れたし」


 「鍵は?」


 「掛けた」

 

 鈴音のスーツケースはダイヤルロック。

 部屋に戻って、スーツケースのダイヤルを回していたら、とても間に合わない。


 全裸の鈴音と父さんのご対面=ゲーム終了。


 とりあえず、裸がバレなければいい。

 そのままベッドに潜り込むのは?


 全裸でベッドにいる鈴音と父さんのご対面。そもそもベッドに入っていること自体不自然。しかも2つのベッドはくっついている=ゲーム終了+父さんが俺にパンチ。


 ……詰んだ。


 背に腹はかえられない。

 こうなったら、最悪だけでも避けるべきだ。


 この場合の最悪とは?


 それはすなわち、全裸の2人とパパが浴槽でコンニチワすること。


 「もういいや、俺だけでも先に出る!」


 片足を上げると、ざぶんと水面が揺れて。

 鈴音が俺の手首をつかんだ。鈴音はギュッと目を瞑っている。


 「悠真、タオル巻いてないからっ! 見えちゃう!」


 (俺は最初、1人で入ってたの! タオル巻いてたら、むしろ怖いわ)


 「じゃあ、そのまま目を瞑ってたらいいよ」


 鈴音の声のトーンが上がる。

 「無理ーっ。そしたら、悠真がわたしの裸を舐め回すようにみるでしょー!?」

 

 言い方ぁ!


 鈴音は続けた。


 「そ、それに。目を開けたら、悠真の男の子が見えちゃう! せ、せめてカエルちゃんで隠して」


 (そんな小さなオモチャじゃ隠せんわ!)


 俺の位置から脱衣所に行くには、鈴音と向かい合わせにならなければならない。


 それにしても”男の子”って……。


 俺は初めて知った。

 直裁的な存在を無理矢理に遠回しに表現すると、卑猥になるらしい。

 

 「そんなの子供の頃に何回も見てるだろ」


 鈴音は、俺をつかむ手に力を入れた。


 「だって、今の悠真は大人じゃん。そんなことになったら、悠真の顔を見るたびに思い出しちゃうぅぅ!」


 確かにそれは困る。

 17歳で歩く公然猥褻リピートマシンにはなりたくない。


 俺はまた肩まで浸かった。


 ガチャリ。

 ドアノブが回り切った音。


 「おーい。悠真、鈴音。いないのか?」

 脱衣所の外から父さんの声。


 ……終わった。


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