表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義理だと分かったら、妹がガチの恋愛脳になった。〜妹が妹じゃなくなれば、最強ヒロインができあがる  作者: 白井 緒望


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/109

第106話 ママが変化した。

 旅行の数日後。


 変化が起きた。


 母さんがすごく優しくなったのだ。

 「ママって呼んで」と言われたが、さすがに断った。もうすぐ高三になる男子にそれは厳しい。


 すると、母さんは鈴音に困ったことを言い出した。

 「鈴音。悠真ママとしては、悠真のお嫁さんは誰でも良いって訳じゃないの。澪が納得する相手じゃないとダメ。鈴音が油断してると、他の子に負けちゃうかもね」


 鈴音は頬を膨らませた。

 「わたしだって、悠真に優しくするし!」


 うんうん、妹よ。

 もっと俺に優しくしておくれ。


 ♦︎



 ガチャ。

 ドアが開いた。


 「ただいまぁ」

 ほんの数日なのに懐かしい。朱音の声だ。


 朱音は脱ぎ捨てた靴を、玄関に戻って揃えた。そして、母さんに抱きついてから、鈴音に抱きついた。


 相変わらず人懐っこい。


 朱音は俺のところにくると、お辞儀した。

 やけによそよそしい。


 「お兄様は『血縁じゃないと盛り上がらないド変態』なんですか?」

 そう言う朱音はジト目だった。


 「いや、普通に盛り下がるでしょ」


 「ほほう。では、風夏さんという新しい嫁候補の存在については、どう弁明されるのですか?」


 「いや、血縁なんだからコンプラ的にも嫁にはなれんでしょ」


 朱音はカバンから本を取り出し、しおりが挟まっているページを開く。そして、ポンポンと指差した。


 読み上げろということらしい。

 「なになに、『民法734条……三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない』。従姉妹って何親等?」

 

 鈴音が指を4本立てた。

 どうやら、従姉妹は四親等らしい。


 朱音は本を閉じて、ズイッと一歩踏み出した。

 「お兄様。この通り、血縁があろうともコンプラ的には嫁になれてしまうんです」


 「お、おう」


 風夏と付き合ったりとか、感覚的には考えられない。ドキッとしないし。


 でも、ルール的にはOKらしい。


 「このケダモノっ!」

 朱音は自分で両肩を抱き、クネッと腰をひねった。


 鈴音は強く頷いている。


 あぁ、そうだ。

 鈴音はルールマニアだったんだ。ルール重視で鈴音も風夏をライバル視しているのかもしれない。

 

 

 実際に風夏とどうにかなるとか、あり得ないけれど、鈴音を怒らせないようにしよう。


 俺らの様子を見ていた母さんが口を開いた。


 「風夏ちゃんかぁ。健康的ですごく良い子よね。悠真にふさわしければ、わたし的には全然OKよ?」


 いやいや。

 澪母さん的にNGでしょ。


 「それに、風夏ちゃん本人にも『悠真はアタシをどう思ったかな』って聞かれたのよね。気にならない人にそんなこと思うのかな……」

 母さんはそう言うと、舌を出した。


 この人、多分、面白がっている。


 風夏も年頃だし、単に自分の見た目を気にしただけだと思うんだけど。


 朱音はまた俺の前に戻ってきた。

 「……ということで、言い残したことは?」


 ちょっと!

 言い残すのは死ぬ人だから。

 俺はまだ元気。まだまだ生きる予定。


 そして『言い残すこと』ね。



 「朱音、おかえり」

 これを言ってなかった。


 「うちが居なくて、どうだった?」


 「寂しかった。わりとマジで」

 すると、朱音が抱きついてきた。


 ……うちの家族みんな同じだと思う。


 「そういえば、施設の子、亜美ちゃんだっけ? プレゼントは喜んでくれた?」


 「うん。ぬいぐるみにしたんだけど、喜んでくれたよ。わたしのお誕生日もお祝いしてくれるんだって」

  

 「良かったじゃん」


 「ちらっ」

 朱音が擬態語を口に出した。

 何やら視線を感じる。


 ああ、俺にも祝えという意味か。

 「分かった。朱音は6月生まれだよな。誕生会しような」


 そして、俺は気づいてしまった。


 もうすぐクリスマス。

 鈴音は12月24日生まれ。


 つまり、もうすぐ誕生日。


 やばい、誕生日プレゼントのことをすっかり忘れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ