南国便
こちらの空は南国便、冬晴れ、
久しぶりにやわらかな空です
梢を移動する雀もおひさまが嬉しいみたい
ハイウェイ登る向こうの空には大きな雲
飛行機も飛び立ちました
沢山の鳥達が集まっては散ってゆく
そんな飛び方を楽しんでいる空です
あの鳥があなたの手紙を運んでくるようで
冬の空から降りてくる
やわらかな光が心に沁み渡ります
時々わたしはあなたが思うほどの人間では
ないかもしれないと自信がなくなるのですが
けれど、あなたに見つめられると
飛んでゆきたくなるのです
ふたり、見る夢、その瞳の中のやさしい世界へと
信じたいと思ってしまうのです
こちらの空は南国便、冬晴れ、
久しぶりのやわらかな空です
夕刻には
赤黄緑と鮮やかに染まった峰の上に
さくらいろの雲が広がっています
360°見渡せる
全てがさくらいろの空に包まれています
勘違いしそうになりますが
しかしながら まだ冬はこれからなのですね
冷たい水で顔を洗った今朝
洗面台の横にある小さな窓からみえた
白く輝く朝陽を浴びた寒椿の紅の鮮やかさが
ずっとあなたのように心に灯っています