男騎士、始めからキレてる
ここは冒険都市。
世界中から冒険者が集まる独立都市である。
そんな都市にある屋敷から静かな怒声が響いている。
「これはどういう事かな?」
そこは椅子がひとつしかない異質な部屋。それ以外は普通な間取りなところもより不気味にしている。
そんな部屋に数人の男女がいる、裸で。
服を着ているのは椅子に座っている男の子だけだ。
「いや、違うんだ!俺は悪くない!こいつらが呼ぶことになっていたのに、全然呼びに来なかったからっ!」
「何言ってるにゃ!呼びに来るのはおみゃーら!の方だったはずにゃ!嘘つくにゃ!!」
「いえ、呼びに来る役はあなたたちの方です。二人とも私に責任転嫁するのはやめてくれませんか?」
椅子の一番近い列に横並びで正座している3人の男女が椅子に座っている男の子に対して弁明している。
醜い責任の押し付けあいである。それを見て不快になったのか?少し力をこめて足音を立てた。まるで不機嫌なウサギのようだ。
「「「「「「ひっ!」」」」」」
自分らが怒られてる訳でもないのに前の3人よりも後ろの男女の方が怖がっている。
「もういいよ。誰が悪いとかどうでもいい…それよりこれで遅刻は一体何回目だろうね……ダンテ?」
「えっと……4回目だったか?」
「相変わらずお前はバカにゃ。5回にゃ。」
「貴方も間違えてるわよ、ペル。6回よ。」
「7回だよ。三馬鹿!」
まさかの3人共間違えていた。流石に怒りを堪えていた男の子も大声で怒鳴った。
「まっったく……お前らときたら、遅刻は当たり前、それを叱ってもすぐに同じ事をする犬でも一回躾けたら覚えるのに。」
男の子は呆れていた。この出会って三ヶ月一度たりとてまともに集まった事がない。
「あの〜私達帰ってもいいですか?」
そんな時まだまだ説教が続くと思ったのか、後ろの一人が話に割り込んできた。
「私達、関係なっ!」
何か言い切る前に他の人達がその人を押さえた。
「申し訳ございません!!!!こいつには後でちゃんと言いつけておくのでどうか気にしないでください!!!!!!!!!」
その瞬間から多分後ろに座っている人で一番偉い人だろう人が正座から土下座に変えて謝り倒した。(全員全裸で偉いかどうか分からない)
「ふーん………」
男の子はじっと〜〜とその人達を見ていた。
前の3人はというとまたお気に入りの店が無くなるのかと我関せずと傍観している。自分らのせいで巻き込まれているのに。
「まぁいいよ。もう君たちに期待する気はないから。君たちを連れてきたのも7回やった癖で連れてきたみたいなもんだしね。」
「ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!」
処刑宣告を免れた死刑囚が如く歓喜して感謝を述べる偉い人である。抑えている人達も全員号泣である。何人かは涙以外で水溜りを作る始末である。
「クリーン」
これ以上汚物を見るのは嫌だったからか、屋敷に備えついている掃除機能を作動さして水溜りを消した。
「いい加減に離してよ!」
取り押さえられていた女の人は無理矢理拘束を外した。
「さっきから聞いてたら一体何様よ!Sランク冒険者かもしれないけどこちとらちゃんとしたおもてなしをしただけよ!それなのになんでいきなり連れてこられた上にこんな仕打ちを受けないといけないわけ!」
「おっおい…やめろ…」
男の子の圧力が負けたせいで小声しか出せない中女の愚行を止めようとする偉い人でも女には一切聞こえていない。
「それに男がそんなに偉そうにしてんじゃないのよ!犯すわよ!」
「まずっ!」
まずい、そう思って止めるより圧倒的に早く男の子によって女はバラバラに切り刻まれていた。




