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勘違いから始まる吸血姫と聖騎士の珍道中  作者: 一色孝太郎
白銀のハイエルフ

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第二章第29話 海辺の野天風呂

2020/03/17 分かりにくい表現を修正しました

2020/05/20 ご指摘頂いた誤字を修正しました。ありがとうございました

町を出て 20 分くらい歩いた私たちは、湯気が立ち上っている場所が沢山あるエリアに到着した。なるほど、行けばわかると言われたが、確かにその通りだ。


どこにしようかな?


キョロキョロと見渡してみると、なんと海辺でも湯気が上がっているのを発見した。


これは素晴らしい。


「さあ、あそこに行きましょう!」

「「「おー」」」


なんでみんなこんなにテンション低いかな? よしよし、私が温泉の素晴らしさを伝えてあげようではないか。


5分くらい歩いて藪を抜けるとそこは岩だらけの海岸だった。岩の隙間からは湯気が立ち上り、かすかに硫黄の香りがしている。


「硫黄泉に海水が混ざっている感じですね。これはまさに女性のための湯と言っても過言ではありません。保温効果があり、なおかつ美肌に婦人病にと効果があります」

「フィーネ様、一体どこでそのような知識を?」

「ふふふ。私は温泉にはうるさい吸血鬼なのです。ここには牛乳がないのが残念ですがそればかりは仕方ありません。あとは 40 ℃くらいの丁度いい温度の場所を見つけたら入るだけです!」

「はぁ」


クリスさんが何か呆れたような表情をしているのは何故だろうか?


「あの、姉さま、本当にここに入るんですか? なんか変な匂いがするんですけど」

「ルーちゃん、それは硫黄の匂いです。その成分に美肌効果があるんです! ルーちゃんはまだ若いですが、お肌のケアは今からですよ?」

「ええと。はい……」


なんだかみんなまるで乗り気じゃないようだ。


よし、やはりここは私が率先して入って手本を見せるべきだろう。


私はあちこち歩き回って良い場所を探していると、目の前が開けていて海が見えるうえに温度も丁度良い場所を発見した。


「ここならばっちりです。ここにしましょう!」

「あの、フィーネ様。本当にここで裸になるのですか?」


ああ、なるほど。それを気にしていたのか。


「大丈夫です。私がちゃんと結界を張りますから。男性と敵意を持つものが入ってこられない様に、そして外からは私たちの姿が見えない様に、【聖属性魔法】結界!」


ここは思い切ってフルパワーで張ってみた。


「どうですか? これなら恥ずかしくないですよね?」


あれ? 3 人とも固まってるけどどうしたのかな?


「聖女様ぁ? これは一体?」

「え? 【聖属性魔法】で普通に結界を張っただけですよ?」

「こ、これで普通だなんて……」


ううん? 何かおかしなことをした?


「クリスさん。リエラさんはどうしてあんなに驚いているんですか?」

「フィーネ様がとてつもない結界をお一人で張ったからです。流石です」

「ううん? そんなに凄いんですか?」

「何かを通さないようにする、というのが普通の結界でして、男性と敵意を持つもののみを対象に拒絶し、なおかつ外からの視線のみを遮る、というのは普通はできることではありません。何十人、いえ何百人もの高位司祭達が力を合わせてようやくできるかどうか、という類のものなのではないでしょうか?」

「あ……ソウナンデスネ」

「流石はフィーネ様です。やはり大聖女様の再来ですね」


ああ、しまった。やらかしたのか。


「ま、まあ、今はそんなどうでもいいことは気にせずに温泉を楽しみましょう」


私はさっさと服を脱いで次元収納にしまうと髪をアップに束ね、温泉に入る。


もちろん入浴前の掛け湯は忘れない。


あー、気持ちいい。生き返る~。


「皆さんもどうしたんですか? 気持ちいですよ?」


まだ戸惑っているようだ。やっぱり露天風呂の習慣がないとこういうのは難しいんだろうか?


「わ、わかりました。姉さまが入っているならあたしも!」


ルーちゃんがいそいそと服を脱ぎ始めた。岩の上に服を畳んでのせると私の隣に入ってくる。


「ああああぁぁぁ、きもちいいぃぃぃ」


ルーちゃんがなんか変な声をあげている。そうだろうそうだろう。


「姉さま、すごい気持ちいです。何なんですか、これ!」

「ルーちゃん、これが温泉です」

「これが……温泉……っ!」


ルーちゃんの顔がとろけている。


見たまえ、これが温泉なのだよ。しかも、源泉かけ流し! これほど完璧な温泉もそうは味わえないだろう。


「それじゃあ、聖女様。わたしも失礼しますねぇ」


ルーちゃんの様子を見てリエラさんが入ってくる。


「あ、あああぁぁ、まぁまぁまぁ」

「どうですか?」

「気持ちいいですねぇ~」


ふっ、リエラさんも堕ちた。さあ、最後はクリスさんだ。


「クリスさん、どうですか?」

「い、いえ。わ、わ、わ、わた、わた、私は周りを警戒――」

「あらぁ? 聖騎士様。もしかして温泉が怖いんですかぁ?」


尻込みするクリスさんをみてリエラさんが声をかけるが、何か雰囲気がおかしい。


リエラさんはさっと温泉からあがると美しい肢体を惜しげもなく晒してクリスさんに近づいた。そしてクリスさんの服を慣れた手つきでするすると脱がせ始めた。


「ほらぁ。聖女様もご一緒されたいとおっしゃっていますよぉ? ほらほらぁ」

「え、あ、いや、そのっ!」


あっと言う間に服を脱がされるクリスさん。やっぱりクリスさんはこの中で一番発育がいい。胸もある上に女性らしいくびれもしっかりある。顔も美人だし、ドレスを着せたらご令嬢っぽい感じになりそう。


「あらぁ? やっぱり良い体してるのね」


なんだかちょっといやらしい手つきでリエラさんがクリスさんの体をまさぐっている。


「意外と大きいのねぇ? かわいいわぁ」

「ちょ、ちょっと、待って」


クリスさんが顔を真っ赤にして抵抗している。


「そう? じゃあ、入りましょう?」


リエラさんに促されてクリスさんも渋々温泉に浸かる。


「あ、気持ちいい」


ふふふ、クリスさんも遂に温泉の魔力に堕ちた。やはり温泉は最強だ。


もう勇者も聖女も魔王もみんな温泉に浸かってハッピーエンドで良いんじゃないかな?


「ほうら、気持ちいでしょう?」


リエラさんがまだいやらしい手つきでクリスさんに絡んでいる。何だか目つきが怖いよ?


あ、リエラさんがクリスさんの耳元で何か囁いている。えーと、なになに?


「ねぇ、あなた、ちょっと豚になって鞭で打たれてみない?」


クリスさんの顔が真っ赤になった。


「ダメです! うちのクリスさんに変なこと覚えさせないでください!」

「え? あらぁ? 聞こえていたのねぇ。聖女様がダメって言うなら仕方ないわねぇ。でも、聖騎士様、あなたきっと、才能あるわよぉ?」

「お母さん、これ以上被害者増やさないで!」

「ちぇ~っ」


どうやら私たちは解き放ってはいけないモンスターを解き放ってしまったらしい。


うーん、どうしましょ?


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