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勘違いから始まる吸血姫と聖騎士の珍道中  作者: 一色孝太郎
吸血鬼と聖女と聖騎士と

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第一章第24話 新たなる聖女候補

「え? 満室? どういうことだ? 聖女であらせられるフィーネ様がお泊りになられるのだぞ?」


いやいや、何言ってんだ。この脳筋くっころお姉さん。それ、ただのクレーマーだから。


「クリスさん、大丈夫ですよ。他の『宿』に行きましょう。うん、私も宿屋というものに泊まってみたかったんですよ」


王都に帰ってきていつもの高級ホテルに向かったところ、満室で一部屋も空いていないらしい。団体さんでも来ているのかな?


「しかし!」

「申し訳ございません。フィーネ様。クリスティーナ様。次回にいらしていただいた際はサービスいたしますので、是非とも当ホテルをよろしくお願いいたします」

「ありがとうございます。ほら、仕方ないですよ。クリスさん。他の『宿』に行きましょう!」


やった! 何たる幸運! 一泊で金貨 10 枚 50 万円相当が飛んでいくという恐ろしい部屋に泊まらずに済む。


「クリスさん、普通の人が泊まる宿で良いですからね? さっきのホテルみたいなところじゃなくて良いですからね?」


なんですか? そのジト目は。私は貴族じゃないんだから見栄を張らなくていいの!


「かしこまりました。ですが、設備や使用人のレベルなども含め、最低限のラインと言うものはございます。その点はどうかご了承ください」

「はい」


とりあえず、多少は妥協してくれそうだ。これ以上無駄な出費は増やしたくないからね。


「それでは、先に神殿へ参りましょう。教皇猊下にお会いして、仕事の達成を報告してしまいましょう。フィーネ様がご歓談されている間に私は宿の手配をして参ります」

「わかりました。お願いします。」



****


「おお、フィーネ嬢。よくぞお戻りになられましたな」


そうして神殿に着いた私たちは、応接に通され教皇様と面会していた。


「はい。教皇様。パーシー村のゾンビ 12 匹を浄化して、墓地だけじゃなくて村も全部まとめて浄化しておきました。これでもう大丈夫だと思います」

「なんと、村全部ですか。それは大変でしたね」


教皇様はいつもと変わらぬ優しい口調で労ってくれる。


「それほど広い村ではありませんでしたからね。半日くらいで終わりました」

「そうですか。それはそれは。大変お疲れ様でした。聖騎士クリスティーナも、フィーネ嬢の護衛、お疲れ様でした」

「恐縮です」


すると、教皇様が突然話題を変えてきた。


「さて、フィーネ嬢。今の状態を見て差し上げましょう」

「見る?」


はて、なんのことだろうか?


「ええ。フィーネ嬢はまだ職を得たばかりですからな。いきなり聖女候補だ、などと言われても実感の乏しいことでしょう。治癒師としての成長でも構いませんし、何か悩んでいることでもあれば相談に乗りますよ」


相変わらず口調は優しく、心配してくれているというのが伝わってくる。


「はい。そうですね……」


とはいえ、一体何を聞こうか。これを機会に根本的なことを質問しても良いかもしれない。


「フィーネ様、猊下、私はフィーネ様の宿の手配をするためにしばし席を外させていただきます。今回の依頼の詳細な報告書は午後 4 時の鐘の鳴る頃に改めてお持ちいたします」

「そうでしたか。ああ、いつもフィーネ嬢がお泊りのホテルはガティルエ公爵家が貸し切っていますからな」

「貸し切り?」

「ええ。ガティルエ公爵家のシャルロット嬢が聖騎士ユーグ・ド・エルネソスに見出され聖女候補となったのです。それで公爵領よりこの王都にやってきまして、陛下に謁見しこの神殿に礼拝にくる予定なのです。フィーネ嬢もいずれはお会いすることになるでしょう」

「ふーん?」


まあ、私には関係ない話かな。吸血鬼が聖女なんかになるわけないしね。


「シャルロット様にユーグですか……」

「ああ、貴女にとっては苦手な相手でしたね」


クリスさんは沈黙をもって答える。


「それでは、フィーネ様、猊下。行って参ります」


そう言い残すと、クリスさんは足早に出ていった。


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