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主人公とは親友です
噴水前にて。
赤毛の少女が私に話かけた。
「ルルベル。お久しぶりですわ」
「お久しぶりですね。カレン」
笑顔で私たちは挨拶を交わした。
男爵令嬢のカレン・ルーンは私の親友。そして、前世読んだ作品。「ノーブル・ファンタジー」の主人公だ。
「あの、また、ルルベルの家に行っていいかしら?」
「また、剣の修行?」
「うん。いざとなっら私、騎士学校に入ろうとと思ってるの」
「騎士学校?なんでまた」
「うち...」
そう言ってカレンは黙ってしまった。
カレンの家、「ルーン家」は代々に政治に携わってる家系だ。元々は庶民であり、彼の祖父が私の祖母の引き抜きで議会に(強制的に)入れたのだ。彼の祖父は博識であり、何度も国民に有益な法を作ったことで、祖母の懐刀とも言われたほどである。その功績により、皇帝陛下から、「男爵」の地位を賜ったのた。この話の凄いところはその地位を「一代貴族」にしなかったことだ。まあ、祖母がなんとかしたのだろう。
「いいよ。お父様に掛け合ってみるね」
彼女は嬉しそうに「ありがとう」と言った。
私が読んだ本通りならば、彼女の家は7年後、没落する。