表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/109

生徒会長の正体

 え、やっぱり睨まれている?

 じゃあ入学式で睨まれたかもって思ったのは気のせいじゃなかったのね。

 でもなぜ?

 話したこともないのだけれど。

 私の頭が疑問符で一杯になっていると、生徒会長は私に近づいてきた。


「クラウディア=エストラル侯爵令嬢ですね」

「はい」

「一度貴女(あなた)と話してみたいと思っておりました。今お時間は宜しいですか?」

 上級生なのにやたら丁寧に話しかけてくる。さすが真面目キャラ。

 顔が何やら怖いけど。


 拒否りたい。こんな怖い顔の人とお話なんかしたくない。

 でも会うたびに訳も分からず睨まれるのも勘弁だし、仕方なく「どうぞ」と部屋にある簡易椅子を勧めると、生徒会長は足を揃えて背筋良く座った。


 魔術学科にはいないキャラね。

 魔術学科は皆「だら~」とか「どべ~」とかいう擬音が似合う座り方をする。エリオットに至っては、床に座って椅子に頭を乗せて寝てたりもする。

 だらしないと眉を潜められそうだけど、こういう息抜きの場があっても良いんじゃないかと私は思う。

 皆公式の場ではちゃんとしてるんだろうし。多分。


 私が座るのを待ってから、おもむろに生徒会長は話し出した。


「こんなことを私が言うのはお門違いだと十分承知の上で貴女にお伺いします」

「はい」

「なぜ貴女はレオン王太子殿下と婚約をなさらないのですか?」


 ん?

 なにやら予想外の話が飛んで来たぞ。


「レオン王太子殿下は素晴らしいお方です。我々凡人にはたどり着けない境地におられる至高の存在です。あの方と同時期に生まれたことの素晴らしさを私は日々神に感謝しております。あの方は間違いなく歴史に残る賢王となられるお方だ。最近私はあの方は建国王の生まれ変わりではないかと思う程です。いや、もしかしたらそれ以上かもしれない」

「は、はぁ」


 レオ信者(ヤバい奴)キター!!


「あなたもあの方の素晴らしさは良くご存知でしょう!?」

「ええ、まあ」


 確かに頭は良いわよね。1度見たり聞いたりしたことはすぐに覚えちゃうし。

 1を聞いて10どころか100悟ってしまうような人だし。


「レオン王太子殿下の偉大さを分かっていて尚あのお方に望まれていながら、なぜ貴女はその手を取ろうとしないのですか!?私には理解できません!私が女であれば喜んで身も心も殿下の前に差し出すでしょう!」


「ソウデスカ、ソレハドウモシツレイシマシタ」

 全くもって心のこもっていない謝罪をしながら、私は生徒会長ってゲームでもレオの親衛隊(シンパ)だったかしら?と思い返してみた。


 んー、生徒会長は一応バッドエンドも含めて全部やってみたけれど、確かそんなんじゃなかった気がする。

 

 生徒会長はいつもテストで王子(レオン)に僅差で負けていて、生徒会長は王子のことをライバルだと敵視していた。

 生徒会長がヒロインとカップルになった後肩の力が抜けてリラックスして試験に臨めたのが良かったのか、そこで初めてテストで王子を抜くことが出来て、君のおかげだとヒロインにお礼を言っている最中に王子がやってきて「おめでとう」って祝福されて今までの自分の態度を反省して、そこで初めて王子と友人になるのよ。

 最初からこんな尻尾振った犬状態ではなかったはずよ。

 それなのに、なぜ現実の生徒会長はこんなにもレオを崇拝しているのかしら。


 もはやレオを現人神扱いしてるわよね、この人。


 あれかな、ゲームのレオンと違って現実のレオは勉強もその他も無双状態だから、生徒会長はライバル心を抱く前に最初から白旗上げちゃって、それどころかレオを神格化して崇めるようになっちゃったってことなのかしら。


 ありえそうで怖いわ。真面目で頭の良い人ほど宗教ってハマるって言うものね。


「謝罪は結構です。分かっていらっしゃるなら貴女は1日でも早く殿下の御手を取るべきです。あの方の苦労を貴女は全く理解していらっしゃらない。貴女と殿下の間には何も障害はないのですから、貴女はただ黙ってあの方の隣に寄り添えば良いのです」


 その言い方に少しカチンときた。

 なに、その女は黙って男の隣に立ってりゃ良いんだよっていう傲慢な意見。

 私の人権丸無視ですか。

 そんなにレオが好きなら、あなたが女装でも去勢でもなんでもして寄り添ってれば良いじゃない。

 人に押し付けないでよね。

 私は怒りで怒鳴りそうになる気持ちを一旦呑み込んで尋ねた。


「・・・少し前に王太子殿下には他の女性との噂がありましたが、それについては生徒会長はどうお考えですか?」


「ああ、某男爵令嬢とのことですか。あれは周囲が少し騒ぎ過ぎでしたね。愚かな者達が殿下の御心を測ることなど出来ようはずもありませんが、少し頭があれば殿下には別の何かが目的としてあったこと位分かりそうなものではないですか。あの方がたかが女一人に身を持ち崩すなどありえませんからね。ですから我々はただ黙って殿下を信じて付いていけば良いんです。あなたもそう思われていたから、あの時何も騒ぎ立てなかったのでしょう?結果やはり我々の考えが正しかった。何があったのかは私は存じ上げませんが、今では殿下はあの男爵令嬢には目もくれないではないですか。それは目的が完了したからと見て間違いないでしょう」


 狂信者の目で盲信してる割に核心ついているところがなんだか嫌だわ。

 しかも何気に私同志扱いされてるし。


「私はね、エストラル侯爵令嬢。その件もあって貴女のことは認めているんです。愚かな女ならば、あそこで騒ぎ立て殿下の足を引っ張ったことでしょう。でも貴女は黙して何も語らなかった。じっと我慢して殿下が戻られるのを待っていた。さすが殿下が望まれた女性なだけあります」


 私を褒めながら最後はやっぱりレオの手柄になるんかーい!


 ・・・思わず心の中で突っ込んじゃったわよ。


 ダメだこの人。一旦信じたら他人が何言っても聞く耳持たないタイプだわ。

 こういう人には私の言葉より(レオ)の言葉の方が良いでしょうね。


「コホン。ジャスティン=クロムウェルさん。そこまでレオン王太子殿下を理解していらっしゃるのでしたら、私達の関係も今結ぶことのできない何かがあるのだと想像は出来ませんか?」

 ないけどね、そんなもの。


 しかし生徒会長は丸っと信じたようで、まるで雷で打たれたような顔をした。

 

 私は軽く息を吐き、出来るだけ優しく且つ慈悲深く聞こえるように語りかけた。


「レオン王太子殿下をお信じ下さい。あの方が間違ったことをなさるはずがないのはあなたが一番良くご存じのはずでしょう?」


「そうでした、私としたことがなんと愚かなことを。貴女にもとんだ失礼を」

 本当よ。

 

「よいのですよ。我々は同志ではありませんか。ジャスティン=クロムウェルさん、これからもレオン王太子殿下の力になってあげてくださいね。私は訳あって表には出れませんが、影ながら応援しておりますわ」

 訳なんてないけどね。

 だってこうでも言わないと同志扱いされて絡んできそうなんだもの。疲れるから影から見てる位で十分。


「分かりました!不肖このジャスティン=クロムウェル、殿下の為に骨身を惜しまず努力する所存です。本日はエストラル侯爵令嬢とお話が出来て本当に良かった。あなたはやっぱり殿下の隣に並び立つに相応しい方です」


「ありがとうございます」

 生徒会長は私と熱い握手をして去って行った。


 ヤレヤレ、これで次に会っても生徒会長から睨まれることはないでしょう。


『行ったか?』

 机の下から神馬がトテトテと出てきた。


「隠れてたの?」

 ギル先生がいて良いって言ってくれたんだから、姿見せてても大丈夫だったのに。


『いや、我昔からああいうタイプと相性が悪くての』

 あ、うん。納得。

 神馬って授業中イビキかいて真面目キャラの優等生から目の敵にされてそうな感じだものね。


 精霊に学校があるかどうかは知らないけどね。

ブックマーク登録&評価をして下さった皆様ありがとうございます(*^_^*)


誤字連絡&感想を下さった皆様ありがとうございます(*^_^*)


勝手にランキングを押して下さっている皆様ありがとうございます(*^_^*)


ジャスティンやっと帰ってくれました。笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ