表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/109

王子Side ~レオの独り言4~

 初日の朝は残党共の邪魔が入りディアと登校できなかったが、今日は間に合った。


 朝日の中でディアの綺麗な銀髪がキラキラと輝いている。


 ディアと呼んで近づこうとしたら見知らぬ男子生徒がディアに近づいてきた。


 誰だあの男は。


 男はディアの前で真っ赤になっている。


 入学2日目にしてもう告白か。

 これだからディアから目が離せない。目を離すとすぐに虫が寄ってくる。


 国内のディアに釣り合う男どもは散々牽制してきたからディアには手を出さない。

 だとすると身分の釣り合わない下位の者だろう。

 

 相手が誰であろうがどうでもいい。


 私のディアに手を出してタダで済むと思うなよ。


 ディアの後ろから現れた私を見て男子生徒は顔を青くして逃げて行った。


 不甲斐ない。


 ディアが欲しいのであれば私を敵に回してでも奪いに来い。

 そんなことも出来ない薄っぺらい感情でディアに近づこうなど百万年早い。


 挨拶の代わりにディアを褒めてみたが、喜んではくれるものの今日も流された。

 いつものことだからこれくらいではもう傷つかなくなったけれどね。


 ディアを専科に誘ったらあまり良い感触ではなかった。もしかしたら政治経済学科には来ないのかも知れないな。

 それならば私が移れば良いことだ。何の問題もない。しかし私がそれを言うとディアが困った顔をした。

 理由は分かっている。でもごめんね、ディア。君と過ごす放課後はどうしても譲れないんだよ。

 私は君が私を拒絶する理由をどうしても知りたいんだ。


 しかしそこでアーサーが割り込んできた。アーサーはここ数年でディアの事になると反対することが多くなった。

 なんのことはないアーサーもディアが好きなのだ。それに関しては元々時間の問題だと思っていたから別にいい。

 多分本当はもっと前からアーサーはディアのことが好きだったんだろう。でもアーサーもディア同様恋愛ごとに鈍いから気づくのが遅くなっただけだ。

 

 理由はなんであれディアが政治経済学科に見学に来てくれることになった。メリットを並べ立てうまく入科させてしまおう。無理なら予定通り私が転科すればいいだけだ。


 今か今かと待っていたらディアは隣に見たことのない女子生徒を連れていた。

 ディアが女の子の友達を紹介するのは初めてではない。

 今までも大勢紹介された。

 

 しかし、今日はディアの様子がいつもと違う。

 いつも通りの笑みを浮かべてはいるが、唇や目元に微かな緊張が見える。


 私とこの女子生徒を引き合わせることに何か意味でもあるのだろうか?

 パッと見可愛らしくはあるが、どこにでもいそうな感じだが。

 

 少し試してみよう。

 

 私はバート男爵令嬢の手を持ち上げ唇を落とした。

 女子生徒は失神し、ディアは軽く目を見開いた。

 私が挨拶で貴婦人の手にキスをするくらい嫌と言うほど見て来ただろうに、なぜバート男爵令嬢の時だけあのような反応をしたのか。


 ディアにとって彼女は特別なのだろうか?


 気絶から覚めたバート男爵令嬢を交え学科を案内することになった。

 無邪気に喜ぶバート男爵令嬢は私に騙されているとも知らず喜んでいた3歳のディアを彷彿させた。


 思わず昔を思い出し顔を綻ばせていたら、ディアがなぜかショックを受けた顔をしてそのあとすぐに納得したような表情になった。


 どういう意味だ?

 

 途端にディアがいつも言っていた言葉が思い出された。


『レオには私じゃなくていつか運命の人が現れるはずだから』


 あれは本気だったのか!?

 ディアにとって彼女が私の運命の人だということか?


 そんな馬鹿な。

 しかしあのディアの事だ、頭の中でどんな妄想をしているか分かったものじゃない。

 

 試しにわざとディアが政治経済学科に入らなくても良いようなセリフを吐いてみた。

 ディアはちょっとムッとした顔をした。すかさずバート男爵令嬢が甘えた声でおねだりしてくる。


 ディアに意識を取られていたせいで気付くのが遅くなったが、このバート男爵令嬢も中々裏がありそうなご令嬢だった。

 私がわざと優しい声で了承すると、バート男爵令嬢は喜びディアはやっぱりねとでも言いたそうな顔になった。

 

 当たりだな。


 ならば存分にこのご令嬢を利用させてもらおう。

 ディアの凝り固まった頑なな心を溶かす為に。


 ディアがいなくなった後、バート男爵令嬢の正体を暴いてみると中身は実に単純明快なご令嬢で、お金の為ならなんでもします!という感じだったので、ちょうどいいから残党共の殲滅にも役に立って貰おうと考えた。


 後はディアの心を散々揺すぶってあげよう。


 君は私が彼女に心を奪われると信じているんだよね。

 ならばまずは君の期待どおりに行動してあげるよ。

 それが全て嘘だったと明らかになった時、ようやく君はその盲信を手放すだろう。

 

 どの道今のままではディアは私の手の中には落ちてこない。


 私は私の持っているすべてを壊してでも君を手に入れるよ。覚悟しておいてねディア。 

読んで頂きありがとうございます(*^_^*)

疑問の多かった2問目。


問2

 何故レオはディアに残党殲滅作戦を内緒にしたのでしょうか?


 元々のレオの目的がディアを騙すことだったので、内緒にしておりました。

 全てが終わった後でアナベルと二人で実は付き合っていませんでした~と言いに行く予定だったのですが、ディアが現場に飛び込んできてしまったのでその場で説明することになりました。

 ゲーム終了期間までレオがアナベルに振り向かなければさすがにディアもレオの心を信じたんじゃないかと思うのですが、レオはゲームのことを知らないので今回ディアの盲信をさっさと壊す作戦に出ました。(*^_^*)


 もう少しレオサイド続きます。(*^_^*)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ