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結末

「何かほかに聞きたいことがあるか?」

 アーサーに問われて首を横に振る。


 レオも今回の件で愚かな王子というレッテルを貴族達に貼られてしまったけれど、元が優秀だからそのうちそれも消えるだろう。


 それより一気に色んなことを聞いたせいで情報を整理するのが追いつかない。


「あ、そうだ。ダレル様は今日は何をしているの?」

 てっきりダレルとアナベルがデートするつもりだと思ったから私達尾行していたのよね。

 リリはどうなったのかしら。


「ダレル君は今日は自宅待機だからリリアーナ嬢に危険はないよ」

 レオが私の心配を先回りして答えてくれる。なぜ私があそこにいたのか私もレオに白状させられたからね。レオはそんな斜め方向からど真ん中にくるなんてと頭抱えてたけど。


「そっか、それなら良かった」

 説明を聞いてもなんだかレオの顔がまともに見られなくてギクシャクしてしまう。

 頭では理解しているのに傷ついた心が全て納得して受け入れるにはまだ時間が足りない。


「ディア・・・」

 レオが寂しそうに呟く。


 ごめんレオ。もうちょっとだけ時間頂戴。


 アーサーが私の頭に手を乗せてグシャグシャにかき混ぜた。

 わ、ちょっとアーサーなにするのよ。


「レオがお前に冷たくしたのを今すぐ許せとは言わない。だけどレオがお前を心から裏切ったことは1度もなかったよ。ただでさえ殺人的な強行スケジュールで他に割く時間なんてなかったのに、お前が婚約者を探してるって噂を聞いた途端、どうしてもお前の口から婚約者の話が聞きたいと言ってきかなくて、仕方なく出来るだけ人の少ない早朝にお前を待ってたんだ。自分からお前をこの計画から遠ざけたいから当分接触しないと言っていた癖にだぜ」


「アーサー!」

 レオが怒って止めようとするがアーサーはひょいと逃げる。


「なんだよ、本当の事だろ。その上クラウディアから外国からも申し込みが来てると聞いた途端更にスケジュールを短縮させやがって。それに振り回された俺や近衛隊の苦労をお前も少しは思い知れ!」


 ああ、だからアーサー最近学園に来ていなかったのね。


「仕方ないだろう、のんびりしていたらディアが誰かに取られてしまうじゃないか。ディアを手に入れる為に一旦手放したのに、その隙に誰かに取られたら意味がないじゃないか」


 レオとアーサーの追いかけっこが始まってしまった。


 呆れて二人を見ていたら、レオと目が合った。

 レオはアーサーを追いかけるのを止め、私の前に来て手を取った。


「ディア、今すぐ私を許してくれとは言わない。でももし許してくれたら今度はきちんと私を見てくれないか。ディアは今まで私がどんなに愛していると言っても本気に取ってはくれなかった。なぜだろうとずっと思っていた。私の事が嫌いなのかと思ったときもあった。でも普段のディアからはそんな気配微塵も感じられなかった。だとしたら私の何かがディアを不安にさせているのだろうと思った。その何かのせいでディアは私の気持ちを信じられないのだと。今回バート男爵令嬢と恋人の噂が出たときディアはなんて思った?やっぱりと思わなかったかい?」

 図星を指されて顔が赤くなる。


「私はいつだってディアの事しか愛していないよ。これで少しは信じてくれたかい?」

 真剣な顔で言われてコクリと頷く。


 私はここを現実の世界だと分かっていながら、どこかで必ずゲームと同じ結末をたどるはずだと思っていた。

 レオをゲームの中のレオン(キャラ)と同じに見ていた。

 失礼なことを先にしていたのは私の方だ。


「ごめんなさい、私レオの事ずっと傷つけていたのね。これからはちゃんとレオの事信じるわ」


「ディア!」

 レオが感極まって私に抱き着いてくる。

「もし、もし私を好きになったら私のお嫁さんになってくれるかい?」

「・・・うん」

 こんなみんなの前でプロポーズされて恥ずかしいけれど、今までレオから目を逸らし続けた分今度はしっかり受け止めようと思う。


 私自身も前世の私(ゆみ)の記憶に振り回されず、クラウディアとしてしっかり生きていこう!


「ディア、ありがとう!」

 私の返答にレオが更にキツく抱きしめる。

 く、苦しい。

 ロープ、ロープ。


 あっぷあっぷしていると、アーサーがレオから私を解放してくれた。

 ふう、圧死するかと思った。


「それじゃあ、レオ。ディアもお前ときちんと向き合うと約束したことだし、そろそろ俺もお前と昔交わした約束を破っても良いよな」

「アーサー!?」

 レオがアーサーを睨む。


 アーサーはレオに向かってニヤッと笑うと私の方を向き、私の髪を撫でるついでに耳に掛けた。


 な、何?

 

「俺もお前が好きだ。レオなんて止めて俺にしておけよ。な、ディア」


 初めての愛称呼びの上に、ディアの部分は耳の傍で囁くように言われた!

 アーサーの魅惑の低音ボイスが腰にダイレクトに被弾した。

 色気のある流し目もアウト!!!


 前世の私(ゆみ)がしっかり反応してしまい、私は鼻血を出して気絶した。

 

「アーサー!!」

 レオの怒鳴り声が薄れゆく記憶の中で聞こえたような気がした。

  


 



1部終了。

1ヵ月間お付き合い頂きましてありがとうございます<m(__)m>

これにて一旦本編は終了とさせていただきます。(*^_^*)

あとでレオンサイドやアーサーサイドやその後なんかを載せて行きたいと思っております。

その辺でディアがどの専科に入科したのかも載せて行く予定です。(*^_^*) 


完結できたのもブックマークをしてくださった皆様、評価をして下さった皆様、誤字連絡をしてくださった親切な皆様、いつも優しく思いやりのありなおかつ笑える言葉で感想を下さった皆様のおかげです。本当にありがとうございました。<m(__)m>


本当に私は読んで下さる方に恵まれたんだなと心より思っております。


感想では鋭い予想をしてきてくださる方が本当に多くて、なぜ誘拐時アナベルがクラウディアの名前を出したのか(どこかにいるであろう影さんに「ちょっとークラウディ様ここにいるんですけどー」と知らせる為でした)、間違って消してしまったのですが(本当にすみません)山下様より貧乏生活していたルーカスがなんでお金持ってるの?とか本当に皆様伏線で忍ばせた違和感にビシバシ気づいてくださいまして。鋭すぎる!とPCの向こうで唸ってました。


 そんな中完璧に見事に予想的中させた方がいらっしゃいました。


  KUKLA様です。 おめでとうございます!

 \(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/


 結構早い段階でバレテしまいまして、いっそのことKUKLA様に続き書いてもらっちゃおうかしらん(笑)なんて思っておりました。(*^_^*)笑

 もちろん読んでくださっている中には他にも的中していた方がいらっしゃったかと存じます。

 その方もまとめて。


 おめでとうございます。\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/大当たりです。



 このような素人の拙い文章に最後までお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。

 読んで下さった皆々様に多大なる感謝を申し上げます。<m(__)m>


PS

 ずっと気になっていたのですが、初回投稿から最後まで読んで下さった方と言うのはいらっしゃったのでしょうか?(*^_^*)

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