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レオが恋に落ちた

 気絶から復活したアナベルは元気だった。

 ずっとレオにベッタリとくっつき、無邪気にレオから学科説明を受けていた。

 どうやらヒロインが先に落とされてしまったようだ。


 レオを観察すると、普段のレオなら絶対に嫌がるはずなのに全く嫌がっていなかった。

 いや、むしろこの顔は喜んでいる。


 レオが内心嫌がっている時はいつものあの胡散臭い笑顔を浮かべるから私やアーサーにはすぐ分かる。

 今のレオの笑顔は心からの笑顔だ。

 本気でアナベルを愛おしいと思っている。


 なぁんだ、やっぱり現実のレオもヒロインちゃんの魅力にメロメロになっちゃうのね。

 婚約者になること避けてて良かった。私グッジョブ!


 虹恋を間近で見れて嬉しいような、でもなんとなく癪に触るような。ちょっと複雑な気分。


 いやだって本気にはしてなかったけど、あんなに私に婚約者になってくれだの美しいだの好きだのって言っておいて、ヒロインちゃんと出会ったらコロッと落ちちゃうなんてバカにしてるわ。本当お友達止まりで良かった。

 最近イケメンの威力にほだされかかってて危なかったもの。

 GO TO 修道院になるところだったわ。

 危ない危ない。

 

 二人の邪魔をしないようにちょっとだけそっと離れる。

優しく説明するレオに嬉しそうに微笑むアナベル。


 ほら、お似合い。

 

 これで良かったのよ。私はどの道負け確定のライバル令嬢ですもの。


 レオの案内が終わった後レオが私に聞いてきた。

「それで、ディアは結局ここに入るのかい?」


 む、何その聞き方?ヒロインちゃんと出会ったからもう私には用無しって感じね。


「ここは入るのに難しい試験があるのでしょう。私は他の所も見てから決めるわ」

 レオの希望通り邪魔者は消えますよーだ。


 私がそう言うとアナベルがすかさず被せてきた。

「あ~ん、そうですよねぇ。ここ入るのに難しい試験があるんですよねぇ。私入りたいんですけど、受かるか心配ですぅ。お勉強見てもらっても良いですか?」

 アナベルが可愛くレオにおねだりしている。


「ええ、もちろん良いですよ。出来るだけお手伝いします」


「きゃあ、やったぁ!」


 両手をグーにして胸の前に置き飛び跳ねるアナベル。

 それを優しく見つめるレオ。

 

 はーん、仲の宜しいことで。

 そう言えば初期段階はヒロインに王子(レオ)が勉強を教えることで親密度を上げて行くんだったわ。

 間違いなくこれはレオンルートね。


 ならちょっと私もライバル令嬢っぽく振る舞ってみようかしら。

「いいわね、私も一緒にお勉強しようかしら」


「えっ・・・」


 アナベルが固まる。


 レオがにっこりと笑って拒否をした。

「ディアに今さら勉強など必要ないでしょう」

「そ、そうですよ。クラウディア様にお勉強されたら私永遠に追いつけないじゃないですか」


 アナベルも私を拒否する。


 ハイハイ、ちょっと自分の役割を演じてみただけです。


「それもそうね。じゃあレオ、アナベルさんの事宜しくね」

「ええ、もちろんですよ」


 それ以上私がいても二人の邪魔になるだけなので、私だけ帰ることにした。


 だからレオはチョロ男だって言うのよ!!



 そのまま帰るのもなんだか癪だったので、そのまま剣術科にお邪魔した。

 アーサーを見つけたので無理やり剣の相手をさせた。


「お前、せめて着替えてからにしろよ!」

 壁に掛けてあった模造刀を無言で取っていきなりアーサーに襲い掛かったのだから、アーサーが文句を言っても仕方がない。


「大丈夫、この制服伸縮性が高いから余裕よ」

 喋りながらアーサーに切りかかる。

 アーサーは余裕で私の剣を横に払う。

 払われた剣をそのまま遠心力で振り回し逆方向から攻める。

 アーサーはそれも余裕で受け止めた。


「そういう問題じゃなくて!」

「何!?」

 私が振り下ろした剣をアーサーは右下から左上に払いあげ、私の手から刀を巻き上げた。 

 刀は大きく飛んで私の後方の地面にぐさりと刺さった。


「あ~」

 終わっちゃった。アーサー強すぎ。

 巻き上げられた時に衝撃があって右手を押さえているとアーサーが覗き込んできた。


「すまない、痛めたか?」

「ううん、大丈夫。ごめんなさい急に乱入して」

「いいさ、何かあったんだろう?子供の時の癇癪起こしてるお前を思い出して懐かしかったよ」

「ふふ、私が癇癪起こすとなだめるのはいつもアーサーの役目だったものね」

「そうそう、レオの奴はお前が癇癪起こすとオロオロして役に立たなかったからな。とばっちりはいつも俺」

「まぁ、酷い」

 クスクス笑ってアーサーの胸にトンと頭をもたれかける。


「アーサーはいつも私の傍にいてくれるものね」

「当たり前だろう」

 アーサーの大きな掌が優しく私の頭を撫でた。

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