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9:充電とささやかな会話

必要なものをすべて持ち出したエクスは講義室に戻ってきた。

講義室のドアをノックしてアヤが合言葉を尋ねるとエクスは予め決めた合言葉を使って本人であることを証明した。



「…あ、合言葉は?」



「僕のショットガンが暴発しそうです!」



「…エクスさんおかえりなさい、今すぐ開けますね」



「………ああ、やっぱその場のノリで思い付いた合言葉をいざ言うってなるとすっごい恥ずかしいな………もう今度から変えよう」



講義室のドアが開く。

エクスが武器と充電器を持ってきてくれたのだ。

エクスを入れるとすぐに講義室のドアを閉めて施錠する。

アヤはエクスが無事に帰ってきたことを喜んでいた。

ロボットなのに、ロボットよりも人間らしいとエクスはアヤをみて思う。

講義室の椅子に今回収穫した武器と弾薬、そして簡易充電器とアダプター変換機を机の上に置いた。



「警備室にはこれだけあったよ。RM870ショットガンにSSP220…弾薬がそれぞれ25発と30発…それと70パーセント充電された簡易充電器と充電器のアダプター変換機も持ってきた。変換機はこれで良さそうか?」



「ええ、これで充電ができます!ありがとうございます!」



アヤはエクスに感謝の言葉を述べてから、簡易充電器に変換アダプターを通してから自身の充電接続口である背中部分に差し込んだ。

すると、胸元で点滅していた充電不足のマークが充電中のマークに代わる。

本来であればアヤはロボットの充電場所にいかなければならないのだが、感染者によるパニックの影響でその場所は感染者だらけだという。

エクスは何故それが分かるのかと尋ねると、アヤは同じ同型機からの情報を共有しているので、オフライン状態でも同じ施設の区画内であればどんな状況なのかある程度は把握できると語る。



「感染者が襲ってきてから6時間と経たないうちに私のような民間用ロボットの半数以上は破壊されました…残りは別の区画に避難したと判断されます。また軍用ロボットも殆どが機能停止状態となっております」



「別の区画も無事なら今頃封鎖しているか…それとも全区画で同様の騒ぎが起こっているかもしれないか…少なくともこの区画内で無事なのは、今のところ俺とアヤだけってことになるな…あとアヤって軍用ロボットじゃないんだよね?民間用ロボットって皆アヤと同じロボットなのかい?」



「いいえ、私はこの保護施設に最後に納入されたロボットです。つまるところ最新型ということになります。他の民間用ロボットは会社が違っていたり製造元が異なっているのです。生物災害(チェルノボグ)の影響を受けて、軍は保護施設の近くにある各ロボット製造会社などから完成品や部品を接収したので、それぞれ取扱いや規格が違うのです」



製造元も規格もバラバラなのは、各製造会社が輸出用に作られた完成品などを軍が接収し、保護施設に送られた。

アヤも元々は国内ではなくイギリス向けに作られた個体だと語った。

なので、同じモデルでも規格が違ったり輸出国に合わせて仕様を変更したりしているので民間から接収されたロボットは皆性能などに差異があるという。



「本来であれば人間を守るように造られている私ですが…私はあくまでも民間企業で開発された生活支援用の女性型ロボットですので、軍用ロボットのように戦闘に特化されていないのです………なので、エクスさんのように射撃は上手くありません…上手くなるとしても銃の動作などを学習しないと上手く制御することは難しいでしょう」



生活支援用として作られたアヤは戦闘は苦手のようだ。

なので、研究者がアヤを講義室に置いて行ったのも足手まといになるかもしれないと判断したからなのかもしれない。

それでも自分の身は自衛しなければいけない。

エクスはアヤに身を守るための術を教えようと思い付いた。

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