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うんこという名の怪物

初投稿です。

よろしくお願いします。


 あれは朝日が眩しい人混みのプラットフォームでの出来事だった



いつものように休むことが許されない地獄(会社)へと俺を連行(出社)する満員電車のドアが開いて、その黄色い線という過酷な一日のスタートラインを越え列車に乗り込もうとする瞬間のことだった



突然下腹部に津軽海峡の荒波に匹敵するほどの痛みが押し寄せてきた!

瞬時に痛みに抗おうと俺の全身の筋肉は硬直し、身体中からは雑巾のように汗が絞り出され、目の前が真っ白になるほどの虚空にさらされた!

それと同時に何故か脳裏にフラッシュバックされる幼き頃の思ひ出。。

あぁ…これが、走馬灯なんだなって。俺、死ぬんだなって。。



そう、俺はうんこがしたくなったんだ。



それもただのうんこではない。

特大のうんこ。


近年まれにみるビッグウェーブが来てしまったのだ。



それは俺の必死の抵抗をあざ笑うかのようにゲートの出口をじわじわとこじ開けていった。


俺は追い詰められたこの窮地を打破できる方法がないか光速のごとく思考を巡らせた。

目の前の電車に乗り込むことを諦め遅刻する覚悟を決め、今からトイレに向かえば万事解決するのでは・・・

その苦渋の決断を実行しようとUターンをかまそうとしたが身体が言うことをきかなかった。防衛本能が足の向きを少しでも変えたら、奴が漏れるということを察知したのかもしれない。

これはもう、腹をくくり痛みをしのぐしか方法はないのか!?

いや、待て。たとえ今この瞬間うんこの侵攻を耐えきったとしてみせよう。

だが後には、今度は腸にじわじわとダメージを与える電車の揺れと戦わねばならないという直視し難い現実が待っているではないか。



もう無理だ。

この試練を越えることは俺にはできない。

その考えに至った時、俺に一つの答えが導かれた。


うんこを・・・うんこをここで漏らそう。




この人混みの中でうんこを漏らしたらきっと、俺は社会的に死ぬことになるだろう。

もう二度と普通の生活を送ることは出来なくなるだろう。


でもこの苦しみから開放されることが出来るのなら、こんな冴えない俺の人生くらい・・・!!


ハハッ。開き直ったらなんだかすごい清々しいぜ。

そうだ、よく考えたら俺に失うものなど何もないぢゃあないか。




ただ、一度でいいから女の子の脇を舐めてみたい人生だった。

許されるのなら一度でいいから女の子の耳をペロペロしてみたかったなぁ・・・

そんな感傷に浸りながら天を仰ぎ、そして全身の力を抜いて目を閉じた。

これから人前で催すというのに意外と気分が悪くなく、それどころか快感すらあった。

俺にはそんな性癖があったのかもしれない。なんてな。



ふぅ・・・








    ぶりっ






目を開けたらそこには一面の野原が広がっていた。

そう俺は異世界に転生していた。

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