閑2話
「どうだクロン。あいつらの向かいそうな場所の見当は掴めたか?」
「安心せよ。どうやら連中ここを目指しておるようだぞ」
「はぁ? なんでそうなる。まあ、好都合ではある、か」
漸く掴めたあいつらの足取りと目標。
だがしかし、何をどう考えたらここを目指すことになるのか。
「リリン、すまん。折角、呼び寄せたというのに移動はお預けになりそうだ」
「な~に、気に病むことはないさ。目標はこちらに向かっているそうではないか」
「ああ、うん、まあな」
あいつらを追い掛けるための移送手段として、知己のあるエルダードラゴンに声を掛けたというのに、なんという間の悪いことだ。
あいつら、俺にうらみでもあるのか? 俺の行動が全部裏目へと出ているのが現状だった。
「大体、姉貴はクソババアとどういう取引をしたんだ? 安全なこちらに放り込むことだけが約束じゃなかったのか?」
「エリナ殿を責めても仕方あるまい。全てはエルサリオーネの仕組んだこと、あやつの性根を鑑みれば、此度のことも理解出来よう」
「いや、まあ、そうなんだけどよ。引っ掻き回されっぱなしというのがな」
「お主の気持ちは我も十分に察することは出来ておる。何故なら、同じ気持ちであるからな」
クロンは苦労性だ。あのクソババア、エルサリオーネのお付きを俺が引き継ぐまで延々とこなしていたのだからよ。
「で、詳しいことは何かわかったか?」
「うむ、光の精霊と原初の虚無精霊を連れておることが判明しておる。あの月が欠けた理由が判明したところだ」
「はっ、とんでもねえな! どっちがやったか判るか?」
「我に語りかけたのが小僧であったことから、小僧である確率が高い」
「問題は原初の精霊か。いや、光の精霊も問題と言えば問題だ、なぜ呼応したのか?」
「守護者の能力が開花しておるのだろう」
クソババアの能力が開花するとか、何の冗談だ! 姉貴には少ししか遺伝しなかったし、俺には皆無だというのに。
「それともう一つ」
「まだあるのか!?」
「娘の方、これがまた異常な能力に目覚めておる節が」
「詳しく、詳しく教えろ!」
「道を繋いでおる可能性を否めんのだ」
「……どうすんだよ、そんなの俺の手には負えねえぞ? これ以上厄介なことになる前に、身柄を抑える必要がある」
ああ、どうしてこんな面倒を押し付けられるのか。兄貴、助けてくれよ。




