表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/17

6羽:1人ぼっち

突然モリちゃんがはしゃぎだした。

「うっわぁあー! 吹雪いてる~」

さっきまでは全くそんなそぶりはなかったのに、いつの間にか嵐のように外は雪と風で入り乱れていた。

「やばいんじゃねぇの? 先生」

「う~ん、そうだな……だけど、引き返すわけには行かないし、進んでいいだろ?」

皆の返事はあやふやなものだった。


ヒョォォオォォオオ……


「寒い……」

体がガタガタと震えだし、口からは白い吐息が漏れる。

「大丈夫?」

ユカが優しく私をさすってくれる。

「もう少しの辛抱だから、これでも巻いて」

そういうとユカはバッグからマフラーを取り出した。

赤くて、まるで手編みのようなマフラー。

そのマフラーの隅にはF.Mの文字が縫ってあるのに気づいてしまった。

なんだか切ないものを胸の中でひしひしと感じた気がした。

「先生暖房入れてくれよ!」

「入れたいのは山々なんだが、なんか……壊れ……てるみたいだ」

その時だった。


ビョョォォオオオオオ!!


……ギィ……


一瞬、何が起こったのかわからなかった。

今ここで起こっていること全てがスローモーションのように感じる。

フワッと浮いたかと思うと、バスと数名の人が、私達とは関係無しに回りだす。

そして次に私達もバスの壁にぶちつけられ大きな痛みを味わう。


「キャァアアアァァアアア―――――――!!」


ッガン! ッガン! ッガン! ッガン!


二つの音が混じりあい、今までに聞いたことのないような不協和音を奏でる。


ガッシャッアーン!!!


最後に大きな音があたり一面に響いた。



***



頭が痛い……体中も痛い……一体何があったんだろう……?

横にうずくまるユカをゆすった。

「ねぇユカ……ねぇ……ねぇったら……聞いてよ。私の話、聞いてよ」

いくら呼んでも答えてはくれない。

皆にも聞こうとするが、その時、目に映るもの全てが最悪のことを知らしめていた。

バスの天井が下で、座席が上に。

世界が逆転していた。


突然シートベルトがはずれ、天井に頭をぶつけた。

そこでようやく皆がどうなっているのかわかった。

数名の生徒は私と同様シートベルトをしていたのか、宙吊り状態。

他の生徒は天井で血を流しながら倒れている。

「みんな……誰か……返事をして……」

その場に小さくうずくまり、どうしようもない感情を涙に変え、その場で一人泣きじゃくった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング←よろしければクリックをお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ