12羽:ユカのある一日
ワールドゲームマッチ大会前まで私は、ゲームの腕だけを鍛えてきたわけではない。
筋肉も付け、連打時の疲労をできるだけ少なくしたりした。
ということで大会の帰り道、トロフィーを持ったまま電車に乗る。
それからいくつか電車を乗り換え、自分の住む町の駅に着く。
その駅では毎週日曜、アームレスリング大会が行われていた。
私はついでにその大会に出場することに決めた。
対戦相手は子供が多く力強いが、この鍛えた肉体には子供の力など屁でもない。
しかし決勝では、大人の男性が待ち受けていた。
「はっは~、俺にはそう簡単に勝てはせんぞ?」
男の言葉など無視し、台に手を置く。
「早く」
男がようやく台に手を置くと、両者は見詰め合う。
両者ともまだ手に力は込めていない。
「なぁ、コレで俺が勝ったらこの後どうよ?」
「そういうのは勝ってからにしてよね!!!!」
そういいつつユカは思いっきり手に力を込める、不意に男はやられたので、抵抗する暇も無く負けた。
「今のは無しだ!!」
この大会で審判などいない。
台に付いた時からが戦いのハジマリ。
だからコレは私の勝ち。
「バーイ」
ワームレスリングの後、ユカは徒歩で帰り道を歩く。
途中、川原で少年達がサッカーを楽しそうにしているのが見えた。
「コレもやらなきゃ……」
少年達に声をかけ、仲間に入れてもらった後はガムシャラにサッカーをプレイした。
とにかく後悔しないよう、深く考えず、やるべきことをやった。
***
その翌日、再びユカは部屋にこもっていた。
パソコンの画面を食い入るように見つめている。
画面にはグラフのようなものが映っていた。
「今が買い時かな?」
ユカはマウスを動かしクリックすると、再び画面に映るグラフに食い入る。
「こっちの株は売り時っと」
ユカは初心者ながらも株を上手く売買していた。
「めんどくさくなってきた……もぉ全部売り!!」
コレによってユカは収益1億近くも手に入れた。
「って嘘! 私って才能あるじゃん!!」
講座から一部のお金をユニセフに送り、200万ほど講座から落とし親の通帳に振り込む。
その日、夕方近くになって帰ってきた母が、通帳に振り込まれていた金について尋ねた。
「このお金は何?」
ユカは土下座して言った。
「今まで迷惑かけたからそのお詫び。もちろん汚いお金じゃない、私が稼いだお金」
ユカの母は、自分の娘がまだ腐ってないことだけで嬉しかった。
その夜はユカの提案で家族一緒に焼肉食い放題に行くことに。
そこでユカは死ぬほどの焼肉を食べた。
「後もう少しだ……」




