10羽:見えない真意
ユカの家に着くと、玄関付近に黒服の人が集まり、何か騒いでいるようだった。
女性はおらず、男性ばかりで、みんな怒っているように見える。
「っど、どうしたんですか? ユカが何か……?」
みんなの視線が私に集まる。
「アンタユカの何?ちょっとアイツに一言言ってくんない?」
みんなイラついている。
「俺らはお前の玩具じゃないってな!」
そういうとみんな散り散りにどこかへ去っていった。
一体ユカはなにをやってるの?
不安が募るばかりだった。
玄関を開け、家の中に入ると静寂が広がる。
居間にはユカのお母さんが……
精気を失い、ぐったりとしているようだった。
「大丈夫ですか?」
ユカのお母さんは虚ろながらも、私のほうを見上げた。
「あぁ、ゴメンなさいねツユリちゃん、……こんな所見せちゃって。今お茶を用意するわね……」
私はお茶を遠慮すると、ユカの居場所を聞いた。
どうやら2階に居るらしい。
私は急いで2階に上った。
扉をバンッ!と開けると、そこにはテレビゲームに夢中になって取り組んでいるユカが……
私は本体のスイッチを無理矢理切った。
「あっ! 何するのよ!!」
「ユカ! どうしちゃったの? 玄関には男の人たちがたくさんいて、ユカの玩具じゃないって言ってたし。
ユカのお母さんはぐったりしてるし。ユカ自身はゲームに夢中……一体どうしたの?もぉこんなことやめてよ!!」
「ツユリ……帰ってたんだ……」
ユカは黙りこくった。
「答えてよ……」
「……所詮……ツユリは他人だもんね――――」
「!!」
この時、私はユカが言っている意味がどういうことか理解できなかった。
「もぉ知らない!!」
私は怒りを抑えきれず、大きな足音を立てながらユカの家を後にした。
「ツユリにも……私がおかしく見えるんだね……そっ……か――」
ツユリは再びゲーム本体の電源をいれ、格闘ゲームを始めた。
ツユリが操作するキャラはとても強く、オンラインモードでの対戦では不戦勝のようだった。
「あと少し……あと少しで……」




