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危険な森に期待する

暑いですね

水分補給が増えて、固形物が入らないです

夏ばての原因の1つです、みなさんも気をつけてください

森の中は暗く、太陽の光も入ってこない。

索敵(さくてき)を掛けているので、何かが近づけばすぐに気付ける。


「ご主人様、楽しそうですね、ボクはこんなに不安なのに…」

「楽しいに決まってんだろ、それにその装備で何が不安なのか」


ちょっと不安そうな叉夜(さよ)だが、俺はドンドン森を進んでいく。

歩くたびに鎧の擦れる音が聞こえる。

道にそって歩いていると、分かれ道が、地図を確認する。

この地図は紙で出来ているが、魔法のアイテムでタッチパネルのタブレットの様に、指をかざすと拡大したりする。


「ここは右か、歩いていれば森を抜けるのに後3日は掛かるな」

「ご主人様、この先泉があるみたいです」

「確かに、今日はそこで一泊しよう」

「はい」


日が傾き始めた頃、森が開け泉に到着した。

透明感があり、飲んでも問題なさそうだ。

テントを設置して、焚き火を起こす。


「今日は遭遇しなかったな」

「ボクは安心しましたけど」

「まあいいや、それより叉夜、こっちに来てみ」

「なんでしょう、ご主人様」

眷属(けんぞく)への分配(ぶんぱい)

「え、あっ…、なに…これ…、ン…んぅ…、体が…」

(え、何この反応、リリーの時はすぐに気絶したよな)


叉夜に眷属への分配、つまり俺のステータスを分け与えたのだが、前に使ったときと反応が違う。

頬を染め、息は荒く、身悶えする。


「ふぁ、あぁっ、うぅ…ああぁ」

「…」


凄くエロい。


「何かぁ、ボク、の…中に…、んっ!」

「…」


目の前の光景に、自分はちゃんとあの時と同じスキルを使ったのかと、少し不安になる。


「ひぁ、あぁあ…、んんっ…あっ、あぁぁぁあああっ…………!!」

「…」


不安にはなっていたものの、叉夜が気絶するまで黙って見続けてしまっていた。

大きく息を吸い、ゆっくりと吐く。


(落ち着け俺、気絶した美女に何かしようものなら、絶対後悔するぞ)


この煮え切らない、モヤモヤした気持ちを静めるため、森に入り食料調達と言う名目で、動物狩りに出かけた。

10分後、熊に1本角が生えた奴を仕留めて持ち帰った。

叉夜はまだ目が覚めてなかった。


「熊、熊鍋か…、野菜は王都シャハラからいくつか仕入れてるから」


日本刀で野菜を切り、熊を捌く、これぞ男料理。


「そういや、この世界に来て、動物を捌いたりして中身見ても、気持ち悪くならないな、俺もいよいよ染まって来たな」


調理は進み、鍋にはこれでもかと、盛られた具材たち、火に掛け煮込む。

煮えてきた頃、テントで動く気配がした。


「う…、ん、あれここは…」

「気が付いたか?」

「ご、ご主人様、ぼくはいったい」

「ステータス見てみ」


叉夜が言われた通り、確認する。


「え、ええええぇぇ!」


現在の叉夜のステータス。


【叉夜】

種族 人猫(じんびょう)

役職 眷属

レベル 300

HP 12500/12500

MP 17400/17400

攻撃力 770

防御力 490

特攻力 620

特防力 420


目を覚ましたら、勇者のレベルを越えているのだ、それは驚くだろう。

少し放心状態だったが、我に返ると、俺に飛び付き。


「ご主人様は、やっぱり神様なんですね、ボク一生お仕えします!」

(まあ、前の設定は半神半魔で半分神って設定だったけど、魔王だったんだよな)


上機嫌な叉夜と2人、鍋をつつきあった。

その後、泉の水を汲んで来て身体を洗う、また叉夜に背中を流してもらった。

守護城壁(しゅごじょうへき)でテント周りに壁を造っておく、これで簡単に中に入ってこれないだろう。

テントに入ると、叉夜が正座して待っていた。


「ご、ご主人様」

「どうした、寝れないか?」

「ご主人様、ボク心の準備できてますから!」

「…………」


一瞬何を言っているのか分からなくて、沈黙したが思い当たる事が1つ。

思わず喉が鳴ってしまう。


「叉夜、良いんだな?」

「初めて、なので、優しくお願いします…」


覚悟を決め、叉夜が服に手を掛け、すぐに生まれたままの姿になる。

もう既に2度見ているものの、その健康的な褐色肌に大きく形の良い胸、長く細い脚と程よい大きさのお尻に黒い尻尾がピンッとのびている。

両目が違う色で濡れ、ネコ耳がピクピク震えている。


(日本に居たら、いや元の世界にも居ないよ、こんな可愛くも綺麗な女性、ホントいいの俺みたいな童貞で、思うくらい)

「あ、あの…そんなに見詰められると…///」

「だってこんな綺麗なんだから、見とれちゃうって」

「///ツッ~~~~~///」

(女神か!!)



「やってしまった」


テントの中で目を覚ました王顕はポツリと呟く。


「スースーzz」

「…」


隣にはネコ耳褐色美女が寝ている。

どちらとも裸、白いシーツには赤い染み。


(うおおおおおおおおおおおおおおおお、とうとう、やってしまたああああ)


頭を抱え昨晩の事を思い出しながら、これから彼女とどう接すれば良いのか考える。

叉夜がモゾモゾと動く、どうやら目が覚めたらしい。


「う、うう、ご主人…さま…、おはようございます」

「お、おはよう」


なんとか挨拶は交わせた。

だがそこまで、俺は飯の調達だと言いテントを出て、森に走り去った。

取ってきたのは、猪だ。

叉夜はかなりの肉好きで、昨日も野菜にはまったく手を出さなかった。


「ご主人様、ボクが食材を取ってきますから、休んでてもらってよかったのに…」

「う、うむ、そうか」

「あ、料理はボクが作ります」

「お、おう」


叉夜はかなり積極的になっていた。

だが料理は全然駄目で、肉を焦がし、調味料を間違え、材料を地面にぶちまけていた。

最終的に王顕が料理を作った。


「ごめんなさい、ご主人様…」

「気にするな、材料は沢山あったし、誰にでも苦手な事はあるさ」

「はい…」

(ご主人様に褒めてもらい、頭を撫でてもらいたかったのに…うーーー、ボクのバカッ)


かなり落ち込んでいるのか、耳が垂れ俯いたまま料理を食べようとしないので、近付き頭を撫でてやる。

顔を上げる。


「…ご主人様?」

「お前は頑張ってただろ、ちゃんと食わないと前みたいに、また俺が口にねじこむからな、はは」

(個人的に、失敗するドジっ子を見れて満足だしな)

「ふふ、ありがとうございます、もっとボク頑張りますから」


料理を食べ終わると、テントを仕舞い(シーツは叉夜が洗ってくれていた)、森を抜けるべく歩き出した。

またくらい森の中を歩き進める。

数分歩いたところで、王顕の索敵(さくてき)に何かが引っかかる。

1匹や2匹じゃない、数10匹単位で囲まれる。


「叉夜」

「はい、囲まれてます」


叉夜も気付いているようだ。

神獣(しんじゅう)(つめ)を構える。


「キュキー」

「!」


ザンッ

飛び出してきた何かに俊敏に反応して、叉夜がカウンターを決める。

仕留めたのは草虫(そうちゅう)、見た目は体中に植物を生やした顔くらいの大きさのバッタだ、レベルは3~6の低級モンスターだ。

だが集団で行動し、その数は30~60で襲ってくる。


(弱いし良いアイテムも落とさない、凄くめんどくさいだけの奴なんだよな)

「任せていいか」

「はい、この力を試したかったですし」

「「キキキキキーーーー」」


バババババババババァ

一気に飛び出してきた、叉夜は地面に手を付くと叫ぶ。


「アイス・スピアー」

「「キキュアーー」」


地面から氷の槍が突き出す魔法、的確にバッタを串刺していく。

集団戦で有効な魔法の1つだ。


「にゃあ!にゃにゃ!」


アイス・スピアーが当たらなかったバッタは、かぎ爪で仕留める。

他に複数の魔法を使い、全部片付けるのに15分。


「それにしても魔物って、こいつらの事か…、これなら冒険者を数人雇えばこの森抜けれるだろ」

「ご主人様!何か来ます」


ズウゥン、ズウゥン

木を薙ぎ倒し、重量感のある足音と共に現れたのはインセクトエンペラー。

背中に複数の棘を持ち、黒光りする2本の角を持つ、全長15メートルのカブトムシ。

防御力が異様に高く、耐久力なら中ボスクラスだ。

【ワールド・インフィニティ】ではレベル110くらいで出てくるが、ステータスを確認するとレベル57だった。


「こいつも見た事あるし、やっぱそう簡単に新しい発見はないか」


叉夜はまだ無傷なので、こいつも任せてみる事にした。

相手は頑丈なだけで、攻撃力はそれほどでもない死ぬ事はないだろう。


「クールダウン・ドラゴン」


氷で出来たドラゴンがカブトムシを飲み込むと、そのまま氷漬けにした。


「サンダーボルト・ドラゴン」


次なる一撃で砕け散った。

残るのは虫の死骸と、凍った地面に焦げた木々だった。

やはり、この世界は全体的に低い。


「やりました、ボク1人であんなに強いモンスターを倒しちゃいました」

「良くやったな、あれがたぶん魔物の正体だろう、これで安心して森を進める」

「……あの、ご主人様お願いがあります」

「ん、何だ?」

「頭を…、撫でて…、もらえませんか…」

「…いいぞ」

「//ありがとうございます//」


なでなで、なでなで

撫でてあげると耳をパタパタさせ、尻尾も左右に振って嬉しそうにする。

美人なのに仕草がいちいち可愛いにだ。

叉夜は頭を下げている為、王顕の表情は見えなかったが、魔物への期待はずれで少し残念そうに笑っていた。

モンスターはあれから現れなくなり、後1日歩けば森を出る、出た後は近くに村があるので、そこで休み山岳地帯に向う。


「よし、斬首手刀(ざんしゅしゅとう)


木々を切り開き、広い空間を造りテントを張れる場所を造る。


「今日はここで一泊して、明日は【スクト村】に向う」

「はい、ではボクは食材の調達に行ってきますね」

「ああ、任せたぞ」


叉夜は森の中へと肉を求めて入って行く、王顕は暇になってしまう。


「はは、久しぶり素振りすっか」


王顕は少し過去の事を思い出し笑ってしまう。

彼は学生でありながら、全国格闘大会で優勝するほどの実力者だった、唯一互角に戦えたのは親友であった真也(しんや)だけだった。

だが、その栄光は長く続かず、王顕は学校の帰り道に小学生の男の子を交通事故から救う際、大怪我をして選手生命を絶たれた。

その後は、病院を退院し周りの人に支えられながら、仕事にも就けた。

【ワールド・インフィニティ】には退院後に真也に勧められ始めたことだった。


「フッ、フン、ハァッ!」


怪我のせいで無理だった姿勢も、この体なら可能だった。

数年ぶりだったが、動きは体が覚えている。


「シッ、チェストォ!!」


ズバアァン、ドッドドドドォォ

だがこの体だと、ちょっと本気になると自然災害級にいろいろ破壊してしまう。

森の木々を無駄に倒し、地面を抉ってしまった。


「………やっちまったな~…、ん?」


索敵に何か反応があった、今までに森で出会ったモンスターより速い。

森の中から、それは高くジャンプした。

見上げるとそれは人の形をしている。

ドゴォン

王顕目掛けて落ちてきたそれを避ける、地面が盛り上がり土煙が舞う。


「こいつは…」

「…」


土煙から人影が現れ、その姿を確認しようと目を細める。

ズガガガァ

足元から細長い何かが王顕の脚に絡まりついた。


「な、こりゃ…がぁ」

「…ゃく様…」

(…油断…、した…な……、すまん…、叉………)


王顕は脚に痛みを感じ、麻痺と睡眠の効果を受け、意識を失う。

この森に自分に傷を負わせる奴は…、いや違う…、この世界には自分に勝てる存在がいないと思い始めていた、その油断がこの状況を生み出してしまった。

………。

叉夜が王顕の起こした轟音に気付き、駆けつけた時にはその姿は無かった。

今回は2人で旅をしながら、2人の仲を縮めるお話がメインでした

一応ですけど、魔物の正体はカブトムシでは無いですよ

次回は王都シャハラに残ってる人達と、王顕がどうなったかを書きたいなーっと

少し色々まとめたいんで、土日過ぎての月曜くらいに投稿出来ればと思います

それまでお待ちくださいませ

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― 新着の感想 ―
[一言] 廃課金ゲーマーの装備に、異常耐性(無効)が無いなど、ありえないと思うのですが、、、
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