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ワールドインフィニティ

最終話です


神の予告した日。

王顕、気を失って目を覚ました日でもある。

そして、見知らぬ場所に立たされていた。

雲1つ無い青い空、草の生えない荒れた大地。


『さて起きたようだね王顕』


頭に響くは、神の声。

王顕は、自分の身に起きた原因が分かった。


「俺に何をした…」

『君は準備する時間を必要としなかったでしょ』

『面倒事を増やされても困りますし、この日が来るまで眠ってもらいました』

「そんな身勝手なっ」


神に(いきどお)りを感じるも、彼らにそれをぶつけることもできない。

彼らは、早速ルールの説明を始める。


『君らの居る場所は特別に準備した場所だ』

『本気になれば、君たちは世界を壊せるからね』

『そこで相手を消滅させ、生き残った1人を4体目にします』

『君らは今まで、それぞれ自分にあった設定で動いていただろうが、ここでは統一させてもらう』


候補の3人は、それぞれ自分が得意としていたゲーム設定ので、異世界に転生されていた。


『今君らには、平等な設定に変えさせてもらっている、最後はゲームではなく現実として頑張ってくれ』

『前世に居た様に、(もろ)い肉体にさせてもらったよ』

『さらに、回復効果の有るものは、全て使えないからね』

『それ以外は、今まで培った全てを使う事ができるわ』

『それでは、始めたまえ』


ドオオォォン

遠くで凄まじい音が聞こえた。

どうやら早速戦いを始めたらしい。



勇者ティカは、仲間達と共にこの戦いへと参加している。

対するシカン皇帝は全国民で戦いに挑む。

量より質のある仲間を持つ彼女と、質より量が圧倒的に勝る彼の戦いは、ほぼ互角だった。


「はああああああああ」


ティカは先陣切って戦い、目の前の敵を百単位で吹き飛ばす。

しかし、それでは(らち)があかない、相手の数は予想していたものより(はる)かに多いものだったからだ。

ティカはスキルや魔法の概念(がいねん)は無く、聖剣(せいけん)を持ち聖鎧(せいがい)を纏い、敵を斬り付ける事しかできない。

しかし彼女の一撃は必殺のもので、体に傷さえ与えれば光に変えた。


「やりおるやりおる、俺の国民をああも簡単に消しやがって」


シカン皇帝は、ヌーの民にまぎれている。

彼は死んだ生物を、1度だけ(よみがえ)らせる力を持っていた。

彼を慕った国民達、彼のためなら命を投げ打って戦う覚悟のある戦士たち、ヌーと言う最大の大陸国家の国民を総動員、8000年の間に死んだ者達も蘇らせこの戦いに挑んでいた。

勇者側の英雄達の力も凄まじく、ティカには及ばずとも傷を負っている者はまだ居ない。

しかし、皇帝側にも力強い奴らは居る。

ギッギイイン


「くっ、あなた達は…」

「親父の夢のために、消えてもらうぞ勇者」

「光栄だね~、伝説と剣を交えるなんて」

「楽しむのは後です兄さん」


ティカに攻撃してきた3人は、シカンの子供達、長男【キシュ】、次男【ウルク】、三男、【ウル】の3人だ。

3人とも古代の人が着ていそうな、布1枚の服を纏っているものの、剣術の腕は3人揃えば敵無しと(うた)われた。

英雄達の相手を、シカンの子孫達が相手する様になって戦況が傾いてくる。

ティカの呼びかけに応え集まった英雄達は、少しずつ後退し始める。


「みんな一旦下がって、立て直すわ」


ティカの合図で一気に後退、目くらましに大地を盛り上げ、追っ手がなるべく来ないようにする。

しかし、国民を足止めできても、3兄弟と子孫達は容易く乗り越える。

そこに、1つの大爆発が起こる。


「あれは…」

「来たか」


王顕が姿を現す。

唯一三つ巴の戦いに、仲間も連れず1人で来た魔王。

だがそれに劣らない、強力なスキルと武法に装備をこれでもかと所有している。


「戦いたくは無い、だが終わらないのなら終わらせよう、来世では()()、肩の荷を下ろして良い人生を送ろう」


彼の装備している鎧は”トリオルティ”金の甲冑に、黒と白で読めない字で何かが書かれた装備で、効果は飛行、回避、武法を2つ同時に使用できる三つの効果がある。

王顕は両手を天にかざし、レベル495とレベル500で覚えた武法を同時に使う。


「レベル495”極超神星(ハイパーノヴァ)”、レベル500”消失魔星(アルティメットノヴァ)”」


どちらも純粋な物理ダメージの攻撃だが、その破壊力はいくつもの銀河を飲み込む超爆発だ。

どれほど数を揃え様が、星の元で生きている生物には抗えない力だ。

この爆発には、その破壊力に見合ったデメリットも存在する。

2つの攻撃は、自分もダメージを受ける。

つまりは、全てを巻き込んだ自爆…。

装備の効果で回避が付与されているが、回避率は三分の二で三分の一で攻撃があたるのだが…。


「…まさか…、生き残っちまったのか…」


光も消えた暗い空間に、自分の意識がある事に気付いた王顕。

彼は運命に勝った、いや運命に(もてあそ)ばれたと言うべきか…。


「俺だけしか居ないのかっ、勇者は?もう1人の候補は?」


2人を消滅させ、生き残った者が4体目の神になる。


「俺は…っ何て事を…っおr」


ドッ


「くっ、あ…」

「魔王がっ」


暗くて見えない、しかし胸を貫く物と後ろから聞こえた声で、何が起きたのかさっしがついた。

体が徐々に光となって消えてゆく、自分から発せられる光でやっと見えた。

勇者ティカ、4体目になる神がそこに居た。

この世界を破壊する力は、3人の候補全員が備えていた。

しかしティカとシカンは、自分も消えるかもしれない攻撃を使わないために、仲間や民を使っていたのだ。

彼女の聖鎧は、彼女が悪だと思った者の攻撃を無力化する事ができたのだ。

これはシカン皇帝には通用しない、彼は民に慕われていた王だった、そんな者を彼女は悪だとは思えない、しかし、今目の前で消えていく男は、彼女にとって悪の塊でしかなかった。

それが、この戦いの決着となった。

消え()く男は何かを呟いたが、それを聞き取る事は彼女には出来なかった。


『決した、ティカ君が4体目の神だ』

『おめでとう』

『おめでとう』

「…………そう、ならさっそくだけど、私に創造する力をくれないかしら?」


いろいろな気持ちが交錯して、俯いていた彼女だが、顔を上げ決意した表情に変える。

しかし、彼女の決意は失意に変わる。


『君には創造の力は与えられない』

「は?何を…」

『貴女が得る力は破壊の力よ』

『僕らは作りすぎた世界の管理に困っていたんだ』

「…」


ティカは絶句し何も言葉を発せ無かった。


(そういえば魔王が最後に言っていた言葉…)

『勇者の君が…悲しすぎる』


王顕はどこかで4体目の神が何を司るのか感ずいていたのだろうか、今となっては知る由が無い。




雪の降る日本。


「う、ううう、寒い、速く家に帰ろう」


仕事帰りの青年、大学を卒業後に家族の元を離れ1人暮らしをする恵まれた生活を送る。

給料の大半をゲームの課金に次ぎ込み、このゲームの世界では彼を知らないものはいない。


「さっ始めますか」


ブウウウゥゥン

家に着くなり、コタツに入りパソコンを起動する。


「ワールド・インフィニティ」


彼は魔王と呼ばれていた。

かなり切り詰めて、呆気なく終わらせました

勇者には勝てず、モヤッとする終わりだったかなっと、俺も思います

最初から書き直したい感が…

こんなでも読み続けてくれた読者の皆さん、ありがとうございます感謝しています

正直こんなに続くとは思っていなかったですし、続けられたのも皆さんのおかげです

王顕の話はこれで終わってしまいましたが、先程も言ったとおり何時になるか分かりませんが、書き直した物を書きたいとも思っております

こんな終わりは、俺もいやあああああああ…です


次回作なのですが、もう少し考えて投稿させて頂こうと思っています

速くて二月末から、遅くても三月中旬には何とかしたいと…

ちなみに内容は日常の話が多い、ロボットが活躍するお話になる予定です

主人公は善か悪かと聞かれれば、悪ですね

投稿する際は活動報告に書きますです



そうそう、次回作のタイトルは『異型のマガツヤクガミ』と決めていますので、見つけたらチラッと読んで頂ければと思います

それでは、また会いましょう

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