雷の四大竜王、役立たずの俺
ペルソナ5が凄く豪華な声優ですね
耳が幸せデスよ
キャラのイラストもイイネ
船の並ぶ港、王顕が仲間4人を連れて来た。
そこに腰に手を当て胸を張っている、竜人オーカーが待っていた。
「それがあんたの仲間かい、べっぴん揃いじゃねーかい、羨ましいねぇ」
「気苦労がハンパねーぞ」
「叉夜は、主様に苦労しか掛けていませんからね」
「な、何でボクを名指しするの」
「ガハハ、吾は美しいみたいたぞ王顕」
「―ふぁ~~眠いよ」
「個性も豊かで結構、賑やかな船旅になりそうだ」
王顕は疲れた顔をする。
ルカが冷静に叉夜を原因にし、叉夜はルカの物言いに納得いかないとおかんむり、イジェメドは王顕にどうよと目線を送り、ミクトルンは目を擦り小さなアクビを1つした。
彼の船は中型の鉄製で、部屋数は8つで、リビングにダイニング1つの風呂場がある。
他には客が居ない、 貸し切りで行く。
「そんで金の話をしてなかったな、幾らだ?」
「金貨8枚でどうよ」
「吹っ掛けすぎでわ?、主様別の船をもう一度探した方が…」
「ルカ、お前が王顕と探して見つから無かったんだろ、ならコイツに任せてみろよ」
「イジェ…、ですが」
値段は普通の大陸間の航行ではありえない値段だ。
ルカはその金額に頭を抱え、王顕に考え直すよう進言しようとしたが、イジェメドがルカの肩に手を置き、話を遮った。
「ルカ、確かに普通の値段じゃないけど、彼しか居ないのも事実だし、行く場所が行く場所だからこれくらい安いだろ」
「そうだぜ蟲のねーちゃん、金貨8枚だしたところで、この港にヒノモトに連れてってくれる奴なんて俺くらいだ」
「わかりました、主様がそうおっしゃるなら」
「よし、オーカー金貨8枚だ」
ルカが納得したようなので、王顕がポケットから無造作に金貨を取り出したオーカーに手渡した。
オーカーが笑顔で受けとると、船の操縦室に向い舵に魔力を込める。
すると船のスクリューが動き出す。
「そんじゃ出発しますかね、目的地までは3日掛かるそれまで船の中でも自由に過ごしてくれや」
部屋はどの部屋を使っても良いらしく、みんな別々の部屋で過ごす事になったが、夜はわざわざ王顕の部屋に集まり、全員一緒に寝る決まりになった。
(いや、男としては嬉しいよ、でもさぁプライベートな時間も要るんじゃないかな)
心の中では反論するものの彼女たちの勢いに押され、頭を縦に振っていた。
ルカとミクトルンの3人は、アイテム”万能釣竿”を王顕に手渡され甲板で釣りをさせる。
王顕と叉夜の2人は、操縦室の下のスペースに足を運ぶ、そこは前面ガラス張りの場所で外が見渡せる。
テーブルとソファーが2組ずつあって、くつろげる空間になっていた。
ソファーにドカッっと座ると、欲界の倉庫から酒を取り出し手刀で瓶を切り開ける。
つまみには、テムルーで買った焼き魚を取り出す。
「こうやってご主人様と2人で過ごす時間は、随分久しぶりですね」
「そう言えばそうだな…、2人で居たのはシャハラからルカと合うまでの間だけだったけ、最初会った時お前凄くビクビクしてて、猫ってより兎だったよな、その後も奴隷とs」
「恥ずかしいから///、ま、前の話は止めないですか…///、お酒注ぎますね」
酒も呑んでいないのに、頬を染めながら王顕の言葉の上から自分の言葉を重ねる。
酒を2つの杯に注ぐ。
2人はつまみを頬張り、酒を飲む。
「ガツガツ、んくんく、ぷはーー、青い海原は波が穏やかで綺麗だし、酒もつまみも美味い、最高だな~、特に港町で仕入れた焼き魚は脂がスゲー、欲界の倉庫は入れた時のまま保管できるから便利だ~」
「でもボクたちを入れた時は、何も考えたりできないし、記憶も入れられる直前からだからちょっと慣れないです」
「あ~、まあ、ここぞって時以外は、お前らを入れることも無いさ」
「は、は~」
そんなこんなで、酒を瓶8本呑み干し気分も好くなってきたが、叉夜は既にろれつが回らなくなってきた。
「ごひゅびんしゃまは~、どおひておんにゃの子びゃっかり、ふやしゅの~、うえ~~~ん、ううぅ、ボキュのたちゅばぎゃ~~」
「呑ませすぎたかな」
「きょ・た・え・て・よ~~」
「あ~、成り行きだよ」
「う、ううう、うえ~~~ん」
「あ~、はいはい、よしよし落ち着け」
泣きが入った叉夜の頭を撫でて、落ち着かせようとする。
叉夜は王顕の胸でひとしきり無くと、スヤスヤと眠ってしまった。
もう1つのソファーに叉夜を寝かせると、王顕は瓶では無く樽で酒をだす。
味よりもアルコール度数を重視した酒で琥珀色、その度数は70度を超える。
樽の蓋を開けると、独特の薬草の香りがする。
「この体になって酒にも強くなったからな、あっちの世界にはポーランドの酒が1番強くて確か96度だったな、ダチとの集まりのとき罰ゲームで呑んだっけ、お猪口一杯で悶えたっけ、ハハ」
男友達で集まった時に、遊びで最下位になった奴が、スピリタスをお猪口で飲むみたいな事をしていた事を思い出す。
日本での事を少し思い出し、乾いた笑いが漏れる。
「あーあーあー、んくんくんくんくカーーーーー、効くなーー」
ダチの事を思い出し、テンションが下がってしまったのを大声を出しながら頭を振り、樽の酒を杯で掬い取り一気に飲み干す。
70度を超えた酒は、魔王の体でもそれなりに酔いを回らせた。
と言うより樽の酒を飲み干し、酔い潰れた。
「ヒック、あ~~、探せば、あんのかな~、90度、超えの、酒…ヒック…zzz」
意識を失うように、ソファーではなく床で眠ってしまう。
魚を釣り上げた3人が、船内に戻ってきた。
海流の流れが変わり、波も高くなってきたからだ。
「―釣り楽しかった」
「それはよかったです」
「ガハハ、これだけ釣れれば気分も良いし腹も膨れる」ガリガリ
「―お兄ちゃんと釣りする」
「ミク様それは今度にしましょう、今は釣った魚で昼食作りです、イジェは勝手に食べない」
「吾は腹が減って我慢が出来んぞ」ガリガリ
「―うん、ごはん」
イジェメドは釣ってきた魚を、頭から齧り付き食べ始め。
ご満悦のミクトルンが、今度は王顕と釣りをしようと駆け出す。
ルカはミクトルンを言葉で止めて、イジェメドには呆れて注意する。
昼食の準備は、王顕と叉夜がいる部屋にキッチンがあったので向う。
鉄の扉を開くと、目の前には倒れた王顕。
「主様!」
「―お兄ちゃん寝てるの?」
「この状況はどうなって……この感じ」
ルカが王顕の元に走り出した瞬間、イジェメドが気づく。
彼女は外に目を向ける。
雲行きが怪しくなってきた。
海は荒れ始め、船も揺れる。
雲は黒く、中では雷が何度も光っている。
その光りに一瞬、影が見えた。
「あれは!…クソッ、お前たち!」
「「!!!」」
ドッガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ
大声で仲間たちに危機を伝えようとした時、それは起こった。
数え切れない程の落雷が、船を襲う。
まるで雷の雨のように空から落ちてくる。
船はあっという間に崩れてしい、中に居た者は大きなダメージを負いながら、海に投げ出される。
王顕も酔いのせいで、波に流されるがままだ。
「あ、主様」
「―お兄ちゃん…、ミクを…置いて…かないで…」
「ミク様…くぅ」
ルカは王顕を追いかけ様とするものの、近くに居たミクトルンが麻痺を受けて動けなくなっていた為、彼女を抱えたままで思うように動けなかった。
イジェメドは、酔い潰れて溺れ掛けていた叉夜を拾い上げると、ドラゴンの姿に変えて空を飛ぶ。
「ケホゲホ、う、うう」
「無事なようだな」
「な、なん、なの…いっつぅ」
海水を飲んで咳き込む。
叉夜は船に乗る際に、大将の軍服を着込んでいた為、ダメージはあるものの麻痺や火傷は負っていなかった。
「やはりな、お前だったか」
「え…きゃぁ」
黒い雲から、一筋の雷がイジェメドの目の前に落ちると、その中からそいつは出てきた。
体長はイジェメドより少し小さく、黄色い鱗に覆われ、額から1本の大きな角が生え、2枚の羽はイジェメドより大きい、腕はなく脚は筋肉質で太い爪が目立つ、尻尾の先は槍の様に尖っている。
四大竜王が1体、雷電竜王と呼ばれる存在。
【雷電竜王・カタライボ】
種族 ドラゴン
役職 四大竜王
レベル 1450
HP 134500/134500
MP 126200/128200
攻撃力 6230
防御力 2740
特攻力 4980
特防力 2810
「ガラガラガラ、噂には聞いていたが、本当に封印から出てきたんだなぁオイ、だが俺様のテリトリーに入ったからには、容赦しねーからな」
「お前のテリトリーだと…」
「そうだぜ、ここは俺様のテリトリー、【ガララ海域】だ」
「…罠だったか」
ガララ海域は、キフォーカ大陸と【リッドテム大陸】の間にある大陸だ。
船はヒノモトとは逆の方向に向っていた事になる。
つまりオーカーが、わざとこの場所に王顕達を連れてきたのだ。
「黒曜神様の命だとしても、罠にはめるのは気分が良いもんじゃねーな」
オーカーは離れた場所から王顕たちの様子を見ていた。
彼はヴァーミリオンと同じ黒曜神・デスカドリポカの使徒の1人だった。
デスカドリポカの命でキフォーカ大陸に向かい、王顕達をガトランの縄張りに連れて行くのが今回彼に課せられた仕事だ。
ばれない様にステータスは隠蔽を使い変えていたが、彼はこういった作業が苦手で、姿までは変えることが出来なかった。
「さて後は風雷竜王に任せて、俺はアックウーノに戻るかな」
オーカーは水飛沫を上げながら、高速で泳いでガララ海域を離れていく。
ルカとミクトルンは海流によって、リッドテム大陸の方へ流されていき。
イジェメドと叉夜は、目の前の脅威に身動きがとれず。
王顕はこの状況でも起きる事無く、ただただ海へと沈んでいった。
イジェメドは、背中に叉夜を乗せカタライボから逃げるように飛ぶ。
相手のレベルが以前より上がっていて、さらに守るべき仲間が居るのだ、ここは全力でこの場を離脱するしかない。
だがそれをカタライボが許す訳も無く、追いかけて来る。
その速さは雷の速さで、イジェメドはすぐに負い付かれる。
「逃すわけないだろーが、お前には昔の借りもあるしな、ここで返させて貰うぜ、…まぁぶちゃけお前と戦いたいだけだけどな」
「昔から変わらん戦闘狂が、吾は今忙しいのだ」
「ボクは大丈夫、一緒に戦えるよ」
「大丈夫なのか」
「ご主人様の薬が有ったから」
「お前が誰かと一緒に旅をしてるのが意外だったな、それにその人猫…普通じゃねーぞ」
叉夜は大きなダメージを負っていたが、王顕が酒の席で叉夜にメガポーションを数本渡されていた。
2人がかりでも、相手はレベル1000を超えた化物だ、倒す事より死なずに逃げ遂せる事を最優先にする。
先手に出たのはイジェメド、火炎ののブレスを放つ。
小さい島なら消し飛ばすほどの威力だが、カタライボには遅すぎる技だ。
「優しくなったねー、これだから女は弱いんだよ」
「!」
「ウオラァ」
後に回りこまれ、電撃の蹴りをくらう。
叉夜を守るため振り返るが、そのせいで防御が遅れる。
脇腹に蹴りが入り、イジェメドは苦悶の表情を浮かべる。
「イジェ!、こんのグランド・ドラゴン」
叉夜は手を前にかざし、土の魔法を使う。
目の前、数10センチの距離、いくら相手が速くても当たると核心できる距離だった。
バチバチバチ
しかし、叉夜の魔法は砕けて消滅した。
「そんな…」
「くぅ…」
「甘いな、俺様にそんな攻撃が当たるかよ」
カタライボは自分の体から周りに放電させ、攻撃を防いだのだ。
その放電は2人も襲う。
「あ、きゃああああああああああああ」
「ぬが…ぐああ」
イジェメドは何とか放電の範囲から逃れでる。
叉夜はまたしても瀕死の状態、王顕から貰った薬にも限りがある。
震える手で、メガポーションを取り出し飲み干す。
「う、うう」
「…」
体の傷は癒えても、精神的にはかなり疲弊している。
目の前の敵に勝てる気がしない、神にすら挑んだ事のある彼女だが、今の相手に対しては手の震えが止まらない。
イジェメドは、まだ戦えるが、叉夜の事が気になって集中できていない。
このままでは、確実に2人とも殺られる。
「守る者が出来ちまうと、ここまで弱くなるんだなぁオイ」
「…確かに守ってはいるが、こいつには吾にはできない事ができるんでな」
「え?」
(イジェメドにできなくて、ボクにできることなんて…なにも…)
「長い封印で弱腰の腰抜けになっちまって…、そんな小さい奴に何ができるってんだか、昔のお前と戦いたかったぜ」
ビュンッ、ボフウゥ
カタライボは空高く飛び、黒雲の中へ入った。
「俺様がここで終わらせてやるよ」
黒雲が球体になった雷雲になり、数百個にも分裂した。
ふと、後から汽笛が聞こえ振り向くと、大きな船が近付いてくるのが見えた。
船は客船ではなく、戦艦のようでこちらに向ってきていた。
が、球体雲がその戦艦に吸い寄せられるように飛んでいき、触れた瞬間大爆発を起した。
煙を上げ沈んでいく。
「そ、そんな」
「叉夜!」
「あ…」
イジェメドは叉夜を両手で包み、襲い来る雲を避けながらこの海域を脱出するため飛んだ。
叉夜は暗闇の中、何度も爆発音を聞く、外の状況は分からなくともイジェメドが体を張って守ってくれているのが分かる。
「イジェ、イジェ、イジェ」
叉夜は、大きな手の平を叩きながら彼女の名を呼ぶ。
ポーションは飲まないと効果を発揮できない。
それなのにイジェメドは手を開けることはしなかった。
叉夜は回復の魔法、ヒーリングを掛け続ける。
ヒールの上を行く回復魔法でHPを大きく回復させるが、まったく回復が追いついていない。
(もう少し、あと少しで…)
目の前には黒雲の端が見えてきている。
バチイィ
「よう」
「ツッ!」
雲の中を通り、先回りしたカタライボが姿を現す。
イジェメドは体中に火傷を負い、羽には穴が開き、角にはヒビの入ったものがある。
その姿を見てカタライボはため息をついた。
「ふぅーふぅーふぅー」
「終いだ」
球体雲がイジェメドの周囲に集まり、互いを繋ぐように放電し彼女を感電させた後、全てが一気に爆発した。
黒焦げになりながらも、原型を留めたまま海へと落下していく。
本当に最後だと言わんばかりに、カタライボが雷速で迫ってきた。
角で貫かれる数秒前、イジェメドの手から叉夜が2人の間に入るように飛び出す。
カタライボは彼女が飛び出してくるのが見えていたが、気に留める事無く突っ込んで来た。
「ボクにしかできないこと、先止め!!」
「ガアァ」
先止めの効果でカタライボの攻撃が届く前に、叉夜の拳が目玉に直撃する。
しかも彼女の手には神獣の爪が装備されていて、毒、麻痺、火傷、呪いを受ける。
予想外の反撃と、自分の体の異常に頭が付いていかず、しかも目眩ましで攻撃も反れてしまう。
イジェメドど叉夜はそのまま海へと落ちていった。
「……逃がしたか、まぁ楽しめたし見逃すか、それにしてもこの傷、火傷に麻痺、毒に呪いか…自然治癒に時間が掛かりそうだ」
カタライボは片目から血を流しながら、縄張りの中心にある島へと帰っていく。
…………
………
……
「ぷはぁ、はぁはぁ、イジェ、大丈夫イジェ」「…」
海から顔を出した2人、イジェメドは気を失いながらも、竜人の姿になっていた。
叉夜は彼女を抱えたまま、必死に泳ぐとたまたま流れてきた流木に抱き着いた。
そしてそのまま、2人とも意識を失う。
他の奴等も、バラバラに離れてしまった。
ルカとミクトルンは小さな泉が複数ある島に流され、叉夜とイジェメドはリッドテム大陸に流され、そして王顕は深海へとどんどん沈んでいった。
今回は四大竜王が敵になるお話でした
神様よりレベルの高いドラゴンって…
次回はバラバラになった後のお話
王顕が沈んでどこ行くんですかね




