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アリスとの最後の遊びは、人形に任せよう

盆休み過ぎての投稿ですぴょん

地元で過ごされた方、旅行された方、家でゴロゴロされた方、いろんな方が居られると思いますにゃ

自分は、ほぼほぼゴロゴロしながら漫画、アニメ鑑賞でした!!

不思議な城(ワンダー・キャッスル)が不気味に建っている森に、大きな存在感のある者が出現した。

王顕が現れた証拠だ。

その出現に、森に居た全ての生物が反応する。


「これは…」

「ご主人様が来たんだ」

「王顕…、遅かったな」

「―お兄ちゃん、ミクはここだよ」


ミクトルンは、質量操作(しつりょうそうさ)で巨大化する。


「おおおぅ、あれはミクか、でっかいな…、まっお陰で索敵を使わなくても場所が分かったが」


木の上でミクトルンの姿を見て驚きつつも、その判断に感謝する。

王顕は木から飛び下りると、木々を()ぎ倒しながら、彼女達の居る小屋まで走り抜けた。

バッゴオオン

(ひら)けた場所に出たので急停止した。

ミクトルンとイジェメドが小屋の前で待っていてくれた。


「よっ!、待たせたな」

「―ん」

「おっと、どうした」

「―探した、…―お帰りなさい」

「ああ、ただいま」


ミクトルンは体を元に戻し、走って王顕に飛びつき腰をがっっちり掴んだ。

今度は(はぐ)れない様に、離れない様にぎゅっと抱きしめる。

これが、なかなか力が強く痛いくらいだ。

イジェメドも近くに寄り、笑顔を見せてくれる。


「無事だとは思っていたが、ここまで来るのに時間がかかったな」

「ん、まぁ何10回っと、ダンジョンをクリアしてきたからな、待たせて悪かった…」

「いいや、吾らのとこに帰ってきたんだ、それでいいだろ」

「はは…、それで、叉夜とルカはどうした?」

「うむ、2人なら小屋の中だ」


イジェメドが後に建てられた小屋を指さす。

王顕はミクトルンを腰にぶら下げたまま、小屋へと近付き扉を開く。


「主様…」

「ごめんなさい、ご主人様ボクが弱いせいでルカが…」

「ルカ!、大丈夫なのか」


そこには横になるルカと、こちらに土下座する叉夜がいた。

王顕はすぐにルカの元に近付き、顔色を(うかが)い手を取る。

ルカは上半身だけ起こす。


「はい、主様が来られるまで休ませて(いただ)いたので、体を動かすのには何の問題もありません」

「そうか、敵にやられたのか?」

(わたくし)たちでは、神を倒すのに無傷ではいられなかっただけです…」

「うう、うぅぅうう、ごめんなさい~~~」

「あ~あ~、泣くな泣くな、しょうがないだろ相手が悪かったんだ、俺もお前らに十分なアイテムとか渡してなかったしな、とりあえずルカはギガポーション飲んどけ」

「ありがとうございます、主様」


王顕はギガポーションを取り出し、ルカに手渡す。

そして、泣き止まない叉夜の頭を撫でながら落ち着かせた。


「う、ううう、ごめんなさい、取り乱しちゃって…、ご主人様の顔を見たら急に…、ふううぅ」

「はいはい、落ち着こうな」


外に出ていた2人も小屋の中に入ってきて、これで全員の無事を確認した。

小屋の中で円形に座り、このふざけたダンジョン世界で起こった事をそれぞれ話した。


「なるほど、イジェとミクが1番楽だった訳だな」

「うむ、話を聞く限りそうだな、そして今回1番狙われているのは王顕ってこと」

「なんの嫌がらせだよ」


話しをし終わった直後、小屋が大きく揺れる。

一瞬敵からの何らかの攻撃とも考え、身構える5人。

数秒後、揺れが収まったので王顕を先頭に外に出る。

外は森では無くなっていた。


「えーー…」

「こんなことって」

「神の力ですか」

「相変わらずだなアリスは…」

「―」


小屋の外は、荒野と化していた。

見た目が変わっただけじゃなく、ダンジョンでもなくなっている。

地図を開くと、ちょうど大陸の中心に自分達はいるようだ。

そして小屋の真後ろには、アリスの不思議な城(ワンダー・キャッスル)の城門があった。


「歓迎しますってか」


門は独りでに開き、入ってこいと言わんばかりだ。

王顕の指示で叉夜とルカは、欲界の倉庫(たけじざいてん)の中へと待機させる。

からり嫌がられたが、無理やり詰め込んだ感じだ。

残る3人は、城の敷地内(しきちない)に足を踏み入れる。


「魔法によるトラップは無いと…」

「―城ごと壊せば終わる?」

「どうだろうな~」

「いや、向こうからお出ましだぞ」


城の中から、金髪にリボンが特徴的で、青と白を基調としたドレスの女性を中心に、白うさぎちゃんとチャシャ。

王顕が他者の把握で、ステータスを確認する。


【不思議神・アリス】

種族 神

役職 上級神

レベル 2000

HP 188000/188000

MP 236000/236000

攻撃力 5700

防御力 4700

特攻力 8250

特防力 7250


「へぇ~、トップからお出迎えか」

「前に会った時よりも、だいぶ強くなってるようだな…」

「イジェはあいつと知り合いか?」

「昔にちょっとな」


眼が泳ぐイジェ。

過去に嫌な事でもあったのだろうか…。

アリスが、右手を前に突き出し笑う。


「アッハァ、会えて嬉しいわ王顕に邪神ミクトルン!、そしてお久しぶりね火焔竜王(かえんりゅうおう)!、また遊んでくれて嬉しいわ~~」

「吾はあまり嬉しくないがな」

「アハハハハハ、あの時は楽しかったわ、貴女の必死さがホント忘れられないもの、プッハハハハ」

「…」


イジェは、今までに見せた事の無い嫌な顔をする。

対してアリスは、手を口とお腹に当てて大笑い。

王顕は2人の顔を交互に見て思う。


(何があったんだろ、後で聞いてみるか)

「それじゃ~、最後のお遊びしましょお~」

「お、おおおおお」


城の一部が崩れ宙に浮き、こっちに飛んでくる。

王顕たち3人は、飛んできたレンガや大きな石を避ける、もしくは砕く。

アリスはその場から動かず、だが(うしろ)にいた2人は必死に避けていた。


「アリス様ヒドイぴょん」

「無駄に喋ってると、かわし損ねるにゃ」

「うわ~…」

「そこ、かわいそうな目で見るなぴょん」

「アハ、アハハ、アハハハハハ」


10分後。

レンガや石が1ヵ所に集まり、かなり広い闘技場が造られた。

シャハラのコロシアムにあった物の、5倍くらいある。

アリスは、闘技場の中心に立つと話し始める。

他の奴らは無駄に疲れていた。


「ルール説明ね~」

「―ミクが殺れば終わる話」

「まぁ待てミク、ここは話聞いてから考えような」

「―お兄ちゃんが、そう言うなら」

「今回はお互い1人を選び、戦ってもらうね~、ちなみに私と王顕は出られないよ」

「勝ち負けの定義は?」

「HP0もしくは降参宣言だよ、こっちが勝ったらもう少し遊びに付き合ってもらうね~、王顕たちが勝ったら私に叶えられるお願いを聞いてあげるよ~」

「ほほ~」


神様が叶えてくれるとは、なかなか魅力がある提案だ。


「おお~、良いよその条件で、ただ負ける気は無いけど、俺たちの誰かが負けたら、遊ぶのは俺1人な、他の奴らは港町に戻してくれ」

「ん~、まぁ貴方が相手してくれるなら良いよ~」

「よし、それでそっちの相手は?、後ろの2人のどっちかか?」

「ちっちっち、それが違うんだな~、さぁ来てちょうだい」


彼女が城の方を振り返り、それを呼んだ。

城の尖った屋根の窓から、姿を表す。

黒のターバンが特徴的で、怪しげなローブを着て、灰色の目に、長い顎髭(あごひげ)を伸ばしている。


「この大陸に居た()()()で、今は私の最強の使徒、【ザ・ターク】」

「ザ・タークだと…」


王顕は(あき)れていた。

何故なら、【ワールド・インフィニティ】に同じ名の魔王がいたからだ。

見た目も同じで、正直拍子抜(ひょうしぬ)けした。

しかも、ステータスはゲームの半分ほど…。

違いは魔王であり、使徒でもあること。


(たしか元ネタはトルコ人(The Turk)…、18世紀に作られたチェスを打つ自動人形(オートマタ)で、相手に合わせ自動でチェスの駒を動かす人形だった…、だが作られて50年後、人形の中に実は人が入っており、その人が人形を動かしていったと分かった物だったか、いわゆる手品やインチキの(たぐい)だ)


ザ・タークは闘技場にテレポートすると、スキル”32の兵(チェス)”を発動させた。

キング、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、ポーンの6種類の石像モンスターが、白が16体そして黒が16体、合計32体現れる。

全てが敵で同時に襲ってくる。

しかも、それぞれが違う属性を持っている。

【ワールド・インフィニティ】でも、使ってくるやつだ。

ゲームでは、単独で倒すには(きび)しい設定にされていたが、王顕はソロで(いど)み、42分掛け倒した。


「さぁ、王顕はどの方を選ぶのかしら~」


王顕は無言で、欲界の倉庫(たけじざいてん)から叉夜とルカを出した。


「きゃ」

「ここは、城の外?」


着地に失敗した叉夜。

状況を確認しようと、周りを確認するルカ。

アリスは、面白くないと言った顔をした。


「まさか~、それのどっちかに戦わせる積もり?、せめて邪神か火焔竜王じゃないと無理じゃないかな~」

「―お兄ちゃん、ミクが出るよ…」

「いや、みんなは休んでいてくれ、イジェは2人に状況説明してくれ」

「ああ、それは良いが、誰を戦わせるんだ?、お前自身も出られないんだぞ」

(あつか)いが面倒だが、性能を自分の目で見る良い機会だと思ってな」


4人を後ろに下がらせる。

イジェは城に入ってからの事を2人に話してくれている。

王顕は隠蔽を解き、魔王の姿に変わる。


「もしかすっと暴れるかもだからな、この姿じゃないとな…」

「…あれが王顕の本当の姿、禍々しい姿の中に(おだ)やかな感じがする」


王顕は欲界の倉庫(たけじざいてん)から、”あれ”を取り出す。

ガシャン

宙から地面に、(かた)い物が落ちる音。

白装束(しろしょうぞく)に、球体関節の人形。

ガチャガチャ

ゆっくりと立ち上がる。

霊魂球体関節人形スピリチュアル・ドール艶魅(えんみ)


「aぁ、……ここはぁ、何処(どこ)なんやろなぁますたぁ~、うちは港町に居ったはずやけどぉ」

「あ、ああぁ、ちょっとな、そんで勝手だが頼めるか」

「…」


艶魅は頭を揺らした(あと)、球体の首から頭を1回転させた。

数人がビクつく。

最後に目を細め、自分の主を見る。

状況を理解したようだ。


「ますたぁ、うちは物やぁ」

「ああ」

「でもなぁ、同時に生きてもおるんよぉ、感情もあるぅ」

「ああ」

「そういやぁ、愛でてもろとらんなぁ」

「…」


王顕は2回返事を返していたが、3回目で顔を(そむ)けた。

ニコニコしている艶魅。

ヒュッ


「ぬはぁ」

「ふふふ、さすがやなぁますたぁ~」


艶魅が腰に差していた小太刀を抜くと、一瞬で王顕の(ふところ)に入ると、脇腹に衝き立てた。

右手で刃を掴み防いだ。


「な、あいつ!」

「主様に刃を…、許せない」

「待て待て」


怒りに身を任せ、走り出そうとする2人を、イジェが力ずくで取り押さえる。


「何で…邪魔するの…」

「落ち着け、お前ら2人がかりでも、あれには勝てないぞ」

「勝てる、勝てないじゃありません、主様を攻撃したのです、(わたくし)たちが動かずどうするのです」

「まぁ、分からんでも無いがな、王顕はそれを望んでいないだろ」

「「…」」


2人は沈黙した。

だがイジェメドでも、止めれない奴が1人いる。

ビュン

飛翔のマントで空を飛び、艶魅に殴りかかるミクトルン。

ヒラリと簡単に避けられる。


「―大丈夫?お兄ちゃん」

「無傷だ、ミクも抑えて下がってくれ」

「―でも」

「大丈夫だから、な」


王顕はミクトルンの頭を撫でて下がらせた。

艶魅は口が笑っているが、眼が笑ってない顔をして、こちらを見ている。


「うちには、な~にもしてくれんやったにんなぁ」

「あ~なんだ、すまんかった」

「それでぇ、謝ってる積もりなんかぁ?」

「どうすれば、許してくれる?」

「ふふふ、そやなぁ」


艶魅は右手で顔を(おお)い、(なまめ)かしく笑う。


「うちのぉ体を、ぜ~んぶ高級な布で拭いてやぁ」

「「!」」

「…分かった、今度は約束を守ろう」

「「!!!」」

「ただし、あいつをお前が倒したらな」

「…いけずやわぁ、まぁうちはますたぁのもんやしぃ…、従うわぁ~」


ダンッ

大きく跳躍(ちょうやく)して、闘技場に上がる。

目の前には33の敵。


「さぁ、ゴミ掃除させて貰うわぁ」


アリスたちは、王顕たちの一連のやり取りを静かに見ていた。

と、言うよりも、見ている事しか出来なかった。


「あれはいったい、何なのかな…」

「さ、さぁ分からないですぴょん」

「でも、王顕のあの姿にステータス…異常だにゃ」

「それを言うなら、あの人形のステータスもデタラメぴょん」


王顕たちの姿や威圧感。

それは神でありながら、恐怖を抱くには十分だった。

闘技場では戦いが始まる。


「自分では貴女には勝てないでしょうが…、アリス様の(めい)です、全力でやらせてもらう」


ザ・タークが指を動かすと、ポーンが一斉に動き出し、艶魅に襲い掛かる。

艶魅は、ただ襲い来る石像を素手で砕いていく。

2体が瓦礫へと変わる。


「こんなにもあっさり倒せるものでは無いのですがね」

「余計にぃ、ゴミを増やしてしもうたわぁ」


艶魅は、後にジャンプし距離を取る。

闘技場が広い為、30体いようが、攻撃範囲から脱出するのは簡単だった。

ザ・タークから、20メートル離れた場所に着地。


「クイーン!、相手に攻撃の瞬間を与えるな」


クイーンは魔法で、地面を爆発させる。


「ホコリが舞って、迷惑やわぁ」


さらに下がり、攻撃の当たらない距離も保つ。

その時、避けながらおもむろに帯を解き、白装束をはだけさせ、身体を(あらわ)にさせた。

白く綺麗な肌だが、隙間の開いた箇所が人では無いと感じさせる。

ザワザワウジャウジャガサガサギチギチ

隙間からは、何かが(うごめ)いている。


「おいでやぁおいでぇ」

「?」


艶魅は魔法や武法は使うことが出来ないが、その代わり特殊な攻撃手段を持つ。

設定は王顕が作ったもので、陣地を守らせる為、広範囲に攻撃ができ、護りもできる。

MPの消費量で、威力の変わる攻撃。


「”怪蟲(かいちゅう)”ぅ…、蟲雪崩れ(むしなだれ)ぇ」

「な…」


ドッバアアアアァァ

身体の隙間から、黒色の虫が(あふ)れ出る。

ゴキブリ、ガ、ハチ、ハエ、ムカデ、ヤスデ、ケムシ、クモ、アリetc.、様々な種類の虫たちによる蹂躙が始まる。

虫の集合体は、どす黒い波になり、敵を顎で砕き、消化液で溶かし、無残な姿に変えていく。

ゲームと違い、桁外れの虫の量に不快感すら感じる。

この世界では、艶魅の出した虫の1匹で、中級神を殺せる力を持っている。

チェスの駒は闘技場と共に、虫たちに呑み込まれ、一瞬で消えてしまった。


「魔法?、いやスキルなの…、どちらにしても、こんなの見たこと無いよ」

「1体で国を落とせるタークの兵が、みんな消えたぴょん」

「規格外すぎるにゃ」


アリスは震える。

自分の遊び相手が、自分の手の平の上で遊ばれる存在だと思っていたが、この光景は完全に想定外だった。

使徒たちも拳を握り、額から汗を垂らす。

そしてそれは、アリス達だけではない。


「う…、気持ち悪いぃ」

「あんな攻撃の仕方があるなんて…」

「神を殺す人形、まるであいつの様だな」

「―ミクなら…」

「…」


叉夜は目を背け、手を口に当てる。

ルカは、その光景を目に焼き付ける。

イジェメドは、ある者を思い出し。

ミクトルンは、無表情の中に何かを思う。

そして王顕は思う。


(うん、今回はちゃんと約束を守ろう…)


自分の兵隊が殺られ、ザ・タークは空に飛んで回避したが、虫の量は増え続け闘技場は黒一色に成り果てた。

そして、空も安全な場所ではない。


「ふふ、蟲団子(むしだんご)

「ぐあぁ、うわぁ、ぁあgjdvbはbひゅwあああ」

「ふふ、ふふふ、ふふふふふふふ」


空中で虫たちが、ザ・タークを囲む様に球体になり、閉じ込め押し潰す。

蟲団子の中では、虫たちがザ・タークの皮膚(ひふ)(やぶ)り、体の中から食い散らされる。

艶魅は顔を伏せ、ザ・タークが虫に食い尽くされるまで、笑っていた。

ぞ…ぞぞぞ…ぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ

敵を骨と服だけにすると、怪蟲は艶魅の体の中へと帰っていった。

ザ・タークは、神の復活(ゴット・リベンジ)により(よみがえ)りはしたが、意識は当分戻らないようだ。


「ふふ、体が(たかぶ)ってぇ、火照(ほて)ってまうなぁ」

「艶魅、良くやってくれた、後でちゃんと約束は守る」

「と~ぜんその時は、2人っきりやろなぁ」

「…あ、ああ」

「ふふふふふ、楽しみやわぁ」


艶魅は服を着直し、クスクス笑いながら王顕に抱きつく。


「ちょ!!」

「む」

「あーあ…」

「―んーんー」


その様子を睨みつける仲間達。

先程の戦いを見た後だからか、突っ掛かってくる奴は居なかった。

王顕は艶魅を離れさせ、アリスの元へ向う。


「俺たちが勝ったな、約束は守ってもらうぞ」

「……あ、ああ…」

「「アリス様」」


アリスを(かば)うように、使徒の2人が前に出る。

かなり警戒されているみたいだった。

王顕は頭を掻き、提案する。


「あ~なんだ、今回はいろいろと互いに消耗して、落ち着く時間が要るよな、だからさ明日(あす)また話をしないか?」

「……それは助かる」

「よしっ、決まりな」

寝床(ねどこ)はこちらで用意するよ、白案内を頼む、チャシャはタークを部屋に連れてって」

「分かりましたぴょん」

「了解だにゃ」


アリスたちとの騒がしいダンジョン世界は、これで終わりを迎えた。



その()、食事に風呂、そして各自個室を準備してもらい、今日はゆっくり休む事になった。

最初はダンジョンに落とされた経緯で警戒はしていたが、何も仕掛けてくる事無く夜になった。

コンコン

王顕の部屋をノックする音。


「来たか…」


キ、キイィ

扉が開き現れたのは、白装束の生きた人形、艶魅だった。


「ふふふ、約束果たして貰いますぅ」

今回は艶魅の力を中心としたお話しでした

楽しんで頂けたのなら幸いです

日本人形から虫が出て来た悪夢を見てこのキャラクターが出来たのですが、インパクトはあったと思います

次回は次の大陸を目指して行く形です、海でのお話し(仮)だといいな~と(笑)

それでは次回も読んで貰えればと思います

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