屋敷から城へ
最近、昼を過ぎたあたりでゲリラ豪雨が増えましたね
外に出かける時はご注意を…
今回は少し短い内容です
部屋に冷房が無いので、ボーっとしながら書いていたので、少し不安がありますね…
屋敷で出会ったリアスと言う少女と出会って、次の部屋にトランプの5と6の2体と遭遇した。
5は三日月刀を、6は両刃の剣を持っていた。
5は横薙ぎに、6は上段から縦に両断するように武器を振った。
王顕はリアスを後に離れさせ、自分から前に出る。
ガキキイィン
横の攻撃は左腕に、縦の攻撃は右肩に当たり、傷1つ付けないまま止まった。
「出直して来い」
「「!?」」
王顕はトランプ兵2体の顔を掴むと、そのまま床に叩きつけた。
ボボウン
倒したと同時に、普通のカードになる。
「ふむ、もう大丈夫だぞ」
「うん」
王顕が後に声を掛けると、リアスが駆け足で近付き服の端を掴んだ。
少し歩きにくいが、2人は次の部屋へと向った。
右側1階の部屋は、全て見て回ったが他の奴は居なかった。
Uターンして今度は左の廊下を進む、左側には1体も居なかった。
今度は、玄関入って直ぐの大きな扉に向う。
「怪しくて後回しにしてたけど、この子も居るしさっさとクリアしないとな」
「お兄さん?」
「よし、行くか」
「うん」
扉を開くと食堂になっていた。
「お、居る居る!」
「いっぱい居るよ…、大丈夫?」
「任せとき」
そこに居たのは7,8,9,10とジャックの5体だ。
7は弓矢、8はボーガン、9は盾、10は大剣、ジャックは金色の鎧と兜そして片手斧を2本持っている。
相手もこちらに気付き、臨戦態勢に入る。
9が前に出て7と8は下がり、ジャックは中央に構え、10はいち早く突っ込んで来た。
王顕は右拳で大剣を砕き折ると、左手で突貫貫手を使い胸を貫く。
ボウン
「これで4体目、他の奴らも終わらせようか」
欲界の倉庫を開き、武器を取り出す。
【ワールド・インフィニティ】のイベントクエスト、”妖魔の復活”のボス【リョウメンスクナ】を倒したときに手に入れた武器。
”死屍累々”。
青い柄の十文字槍、刃の部分は紫色に発光している。
能力は、巨大化による攻撃範囲の拡大と、MPを100消費することで、武器と盾をすり抜け本体に直接攻撃ができる。
「フンッ」
ググン
槍が、一気に伸びる。
9の盾に衝突し、大きな盾は砕け散った。
9は槍に刺されて、そのまま後ろ壁に貼り付けになり、カードに変わった。
仲間が殺られても、他の奴らは動揺せずに動き出す。
7,8は互いに矢を放つ。
王顕はリアスの前に立ち、死屍累々を元の大きさに戻し、高速回転し矢を弾き落とす。
「ほいっさ!」
矢を落とし終わると、持っていた死屍累々を投擲し8を仕留める。
槍を伸ばすよりも、投げた方が速かったからだ。
そして、また違う武器を出す。
「今度は、これな!」
王顕は、7に合わせて弓矢を装備。
これもまた、リョウメンスクナを倒した際に手に入れた武器で、古ぼけた札が巻き付く様に張られた青い弓に、鏃は2又になっている。。
”七星”。
効果は矢への属性付与で、火、水、風、土、雷、光、闇から全部で3属性を選び、1本の矢に付与し射る。
ゲームとは違い、矢を複数放てるようで、3本の矢を弓で引き、狙いを定めて放つ。
ビィン
「…」
「「…」」
「お兄さん、矢が全然飛んでないよ」
矢は3本とも、1メートル以内の場所に落ちている。
落ちた場所は、床にボコッと大きな穴が出来たり、火が付きゴウゴウと燃え始めたり、矢の周りにバチバチとスパークを放っていたりと、とりあえず1本につき、1つの属性を付けていたが、威力はまぁまぁ強い、だが当たらなければ意味がない。
「…練習が必要だな」
「何で使えない武器を持ってるの?」
「…練習するから、いずれ使えるさ」
そんなことをリアスと話していたら、トランプ兵が仕掛けて来た。
矢を的確にリアスに向かい放ってくる。
王顕は弓をしまい、代わりに盾を取り出した。
課金ガチャで手に入れた装備で、鬼の頭を模った灰色の盾。
”鬼瓦”。
効果は攻撃を吸収し、カウントが溜まる。
カウントが全て溜まると、姿を変えてモンスターになる。
「相手の攻撃が弱すぎて、カウント溜まんねぇし」
守る者が居るから武器と盾を乱用していた。
武法は加減が難しいので、二次的災害でリアスを巻き込む虞があったからだ。
矢は休む事無く2人を狙い飛ばすしてくる。
その時、気配を消しながら移動してきたジャックが、横から斧を投げてきた。
「バレバレだっつの!」
「!」
王顕は、回転して飛んできた斧の柄を掴んだ。
驚異的な動体視力と、瞬発力のなせる技だ。
斧は”アックス・ハート”と言う武器で、効果は投げたら相手の急所に自動的に飛んでくる物だ。
「当たる前に止められたら、意味を成さない効果だな」
王顕は今までで1番弱い武法を使う。
つまり、初期から使えた武法。
「指弾」
「!」
指を弾いて、空気の玉を打ち出す武法。
ジャックの額に命中して、頭が破裂しついでに壁も破壊した。
リアスには見えないように、後ろを向かせといた。
ジャックもカードに成った。
同様に、7にも指弾を使い倒した。
「これで残るは4体か」
「そう言えば、お兄さんはどうしてこの屋敷に居るの?」
あれだけ部屋を破壊する戦いがあったのに、気にする事無く自分の疑問を口にするリアス。
王顕は出会った時と今のギャップに、不思議な感じがしながらも頬を掻き答える。
「俺はこの世界を仲間と旅しててさ、神様のイタズラに巻き込まれてここにやって来たんだよ、その時に仲間達とは離れ離れになって探してるんだよ」
「そうなんだ、お兄さんは冒険家なんだね」
「ん~ま、そんな感じかな」
「そっか~、仲間の人達と無事に会えるといいね」
「…会えるさ」
王顕は彼女達の強さを知っている。
だが、相手は神だ。
少し心配になり、先を急ぐ事にした。
少女の手を引き、屋敷の2階へと足を運ぶ。
2階は、左側から調べる事にした。8番目の部屋に、2と4が居た。
2は杖を、4はハンマーを持っていた。
2は魔法を連続で使い、4を強化したり、こちらに攻撃をしてくる。
「いや、だから効かないって」
「痛くないの?」
「無効化するからな、当たる感覚もないよ」
「スゴーイ」
戦いの中でも質問してくるリアスに対し、素直に答える。
王顕はリアスを部屋の外に出すと、拳を握る。
「無常正拳っ!」
ドガガゴゴゴガガガガ
部屋が吹き飛ぶ。
館から外の森にかけ破壊し、2と4を瞬殺。
「大丈夫かリアス」
「すっごい音がしたけど、私は大丈夫だよ」
(そういえば、うさぎちゃんの攻撃は屋敷に効かなかったのに、俺の武器や武法で破壊できるんだな)
「…なら、屋敷ごと破壊すれば速いな」
王顕はリアスを連れ、破壊した場所から外に飛び降りる。
屋敷に目線を向ける。
「邪手合掌…」
ゆっくりと、両手を動かす。
ズズズズズウゥ
レベル90の武法、闇の力で生物、無機物問わず全てをプレスする。
両手が胸の前に近付くにつれ、同じ速さで、屋敷が大きなプレス機に挟まれる様に潰れていく。
合掌した時には、屋敷は縦にペシャンコになっていた。
「これで倒せたんじゃないか?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
庭の中央に、地下へと繋がる隠し通路の扉が開く。
「倒したみたいだな」
「この中に入るの?」
「ああ、こっからはさらに危険になると思うし…、連れて行くのもな…」
「ここで待つの?」
「それもな~」
ここに彼女を置いて行って、何かしらのモンスターに襲われる可能性も0ではない。
王顕は、ふと思い至る。
「そう言えば、うさぎちゃんが俺を監視してるんだっけ」
王顕は異界喰を取り出す。
すると、白うさぎちゃんが空から降ってくる。
「待ったぴょん、その槍は使わないんじゃなかったぴょん!!」
「きゃっ」
「お、来た来た」
狙いどおり姿を現した。
王顕は槍をクルクル回し、白うさぎちゃんは額から汗を流す。
「それがさ、この子が屋敷の中に居てさ、保護したんだけど引き取ってくれね?」
「保護って…、勝手に迷い込んだ者までは知らないぴょん」
「これ使おっかな~」
「あーあーあー、分かったぴょん、港町まで連れてくぴょん」
「じゃ、頼んだ」
「…お兄さん」
「大丈夫だよ、会えたらまた会おうや」
白うさぎちゃんにリアスを任せ、王顕はリアスの頭に手を置き撫でて、地下へと進む。
王顕が見えなくなると、白うさぎちゃんはリアスに話しかける。
「まったく、お戯れがすぎますぴょん、アリス様…」
「え、何を言って、私はリアス…」
「そうだったぴょん」
リアスは、オロオロして白うさぎちゃんを見上げる。その時、胸が弾む。
ドックン
「かっはぁ」
息が詰まる。
ボボウン
リアスから小さな爆発が起こり、カラフルな煙が舞った。
「おかえりなさいませ、アリス様」
「……アハ、良いタイミングだね」
煙が消えると、そこに現れたのは不思議神アリスだった。
彼女の固有スキル童心の能力。
設定した時間の間、全ての記憶と魔法を使えなくして子供の姿に変わる。
ステータスも変わり、他者の把握でも見破れない。
元の姿に戻ると、子供のときの記憶はそのまま残る。
アリスは、腕を上げて背伸びをする。
「う、う~~~んしょっと、間近で見るとやっぱりスゴイな~、じゃあ城に戻ってるから、後はお願いね」
「かしこまりましたぴょん」
アリスは、先に自分の城に戻っていった。
そして、白うさぎちゃんは王顕の監視に戻る。
屋敷の地下。
地下にしては明るく、いたるところに光りが灯っている。
灯りに使われているのは、光る茸で足元から天井にかけ生えている。
階段を下り終えると、ハートを模した扉があった。
「ここだな」
扉に手をかざし、止まる。
手を引っ込め、欲界の倉庫から”次元闘技場Ⅱ”を出し発動させた。
扉の反対に居た、ハートの女王も異常に気付く。
「これは…」
「ようこそ、俺の世界へ」
次元闘技場Ⅱは森の中だ。
さらにこの中ではアイテム、武器、防具の効果は失われる。
互いに使えるのは、純粋な力、魔法と武法のみ。
ハートの女王の最も得意とするのは、自分の戦闘ではなく、他者を指揮する能力だ。
そして彼女のスキル”ハートの兵団”は、1000体のトランプ兵を創りだし従える能力だったが、今それは封じられた。
「ごめんな、途中までは遊ぶつもりだったけど、仲間が心配になってきたわ」
「ヒィッ―」
ハートの女王は、悪寒が背中を走るのを感じた。
神になり始めての感覚。
「今この中では武器やアイテム、スキルは使えなくなっている、つまり神の復活で生き返ることも無い、…降参してくれないかな?」
「…」
彼女は、得体の知れない生物を目の前に膝を着いた。
戦意喪失。
王顕はアリスの城へと転移する。
「次に会えたなら、今度は遊んでやるよ」
「…」
ハートの女王は最後まで顔を上げることが出来なかった。
ハートの女王については戦わせるか迷いましたが、自分が楽しむだけじゃなく、仲間を想い急ごうとする感じをだしたく戦わずして勝つようにしました。
戦わないのに少し残念だとも想いましたが、次回はアリスと彼女の使徒との話ですから暴れさせたいと思います。




