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魔王を追い詰めるのは、勇者じゃなくて魔王

正社員になり、初めての投稿です

外仕事なのでなかなか体力が奪われます

体が鈍ってるのを実感しました


そして、とうとうブックマークしてくれた方が100名を超えています

これは1つの目標でも合ったので、とても嬉しく思います

これてかも妄想をフル回転させますデス

それでは、これからも読んでいただければ幸いです

王顕は王都シャハラを出て、数時間飛び続け、枯れ木の森【ジャンクの森】にたどり着く。

このまま飛んで魔王・ベルメスの居る城に向うつもりが、森の上空に差し掛かった瞬間、視界が回る。

そのまま宙をきりもみしながら、森の中に落ちていったが、態勢を整え無傷で着地した。

森の入り口辺りに落ちた後、何が起こったのか気付く。


「この森…、ダンジョンか…、こう言うのはゲームと同じなんだな…、しかも(すで)に囲まれてるし…」


この広大な森自体がダンジョンになっていて、城が陣地なのだろう。

そしてダンジョンのルールにより、飛んだりテレポートによる近道は出来ない為、王顕は落とされたのだろう。

隠蔽(いんぺい)を解き、魔王の姿に変えると、黒騎士(くろきし)(よろい)も形と大きさが変わる。

索敵(さくてき)を使うと、まだ森に入ったばかりだと言うのに、複数のモンスターに囲まれている。

彼がスクト村に行っていなければ、胸が高鳴り未知なるダンジョンを隅々まで楽しんで、陣地に乗り込み魔王を倒していただろう。

だが今回は、そんな気にはなれなかった。

ズアアアアアアアアアアアア

欲界の倉庫(たけじざいてん)から、槍とギガポーションを取り出す。

槍を両手で構えて、体を回し、地面と平行に投げる。


「ラアァ!」


回転しながら強い光りを放ち、空間を(ゆが)める。

槍に巻き込まれるモンスター達、城まで一直線の道を造り出した。


「…」


生物の消えた森を歩み進める。

城の方から、悪魔が波のように出てきた。

レベルは20〜50の間。

王顕を呑み込もうと、数で圧倒する。


罰砕大裂(ばっさいだいれつ)


レベル310の土系武法(ぶほう)で、片足を使い地面を思いっきり踏み付ける。

王顕の前を扇状に、地面が(いく)つもの太い針状に隆起(りゅうき)し、悪魔達を串刺しになり、何とか致命傷を避けた者も、少しでも針が(かす)れば石化して(くだ)け散る。

地面から(せま)る者は、これで消え去った。

そして今度は、翼のある奴らが城から飛んでくる。


浮横雲連閃(うきよこぐもれんせん)


レベル330の風系武法、自分を中心に上空へ、円形の鎌鼬(かまいたち)を発生、悪魔と一緒に雲さへ散らす。

また来られると面倒なので、一気に城まで走り抜ける。

城門を越え、城の中に入り、内側から破壊する。

少し進むと、開けた場所に出て、分かれ道になっている。


「面倒だな…」


すると、手前の道から赤い甲冑を着た、4本腕の悪魔が姿を現す。

そいつが城の壁に手を当てると、壁から槍と剣を作り出した。


「錬金術か…」

「侵入者は始末する」


他者の把握で敵のステータスを確認する。


魔将(ましょう)・ドリス】

種族 悪魔

役職 中級悪魔

レベル 107

HP 2980/2980

MP 1100/1100

攻撃力 200

防御力 130

特攻力 220

特防力 150


魔王では無かったが、こいつにも聞きたいことがあった。


「1つ聞かせろ、スクト村を襲ったのはお前か?」

「村の名など覚えておらん、幾つ村を消したと思っている」

「…」


魔王・ベルメスの居る広い部屋は、死臭が(ただよ)い、壁や柱はいろんな生物の骨で出来ていた。

ベルメスはチャラそうな男で、金髪2本角を持ち、真っ黒な服とマント、アクセサリーを体中に身に付けている。

彼の前には、青い甲冑に4本腕の悪魔、魔将・メフィトスが侵入者の報告をしに来ていた。

ステータスはドリスとまったく同じだ。


「ベルメス様、ただいま侵入者はドリスが相手をしています」

「城の中まで入られるとは、失態だな」

「申し訳ありません」

「早く侵入者を排除して、次の村へ行って来い」

「はっ、(ただ)ちに」


メフィトスは一礼し、王の間を後のする。

侵入者を排除しに彼も王顕の元に向う。

玉座から部下の後姿を見詰め、ため息を1つ。


「後一歩で、悲願が叶うという言うのに…」


分かれ道の開けた場所、そこには体がバラバラになり、壁や床に肉片が飛び散ったドリスだった物と、指を鳴らし(たたず)む王顕。

これだけの惨状(さんじょう)なのに彼の鎧には、返り血の1つも付いていない。

とりあえず索敵を掛ける。

ドリスが来た方から、1つの反応があった。


「もう1人の魔将か…」


王顕は腰を曲げ、左脚を少し前に出し、右肩に力が集中する。

ドッ!


獅子一足(ししいっそく)


レベル60の基本的な武法で、高速のタックルだ。

ドガシャアアアア

メフィトスを()き殺した。

悪魔の肉体が(はじ)ける。

彼は何も感じる事無く、()っただろう。

血に濡れた鎧が不気味な雰囲気を漂わせる。


「後は魔王だな」


まっすぐ進むと、動物の頭蓋骨を数100使って造られた門の前に着いた。

問答無用で殴り壊した。

決壊する門、部屋の中に骨がバラ()かれる。


「!!」

「…ベルメスだな、一方的に蹂躙(じゅうりん)させてもらう」

「ハァッ!」


ベルメスの判断は速かった。

床が変質して王顕を両側から(はさ)む形で、()り上がる。

バガアァン

王顕が目の前から居なくなる。


「…今のが侵入者か、ドリスとメフィトスは殺られたか…」


玉座から立ち上がり、王顕が居た場所に近付いていく。

ドゴォン

王顕は挟んだ壁を壊し、ベルメスの頭を砕こうと迫る。

すると、今度は彼の足元の床が上昇し、天井に激突する。


寒空大震(かんくうだいしん)


ピキピキピキ

部屋が冷気に包まれる。

天井から柱、壁を伝い全てが()て付いていく。


「がぁ」


部屋の中に居て、さらに黒騎士の鎧の効果もあり、確実に攻撃が当たり、ベルメスの体が凍り始める。

数分もしない内に全身が凍り、氷柱と化す。

が、氷が溶け出す。


「く、はぁはぁ、何て威力だ」

(死なないだと…)


錬金術で氷を水に変えたのだ。

ふつうならHP0のダメージを受けてはいるが、まだ死なないでいる。

王顕は正宗と骸切を取り出す。

彼は魔王をアンデットにして、永遠に彷徨(さまよ)わせる事にしていた。

自分の死んで醜くなっていく姿を晒しながら、死んだ後も後悔させたかったからだ。


「こんな所で…」

「お前の顔も、これ以上は見たくないし、もう終わらせよう」

「…」


片膝をつき、俯いている魔王を仕留めるため、2本の刀を構える。

その時、背中に悪寒が走り、飛び退いた。


(何だ今の感覚…、奴からじゃない…)


その感覚は、彼がこの世界に来て初めて感じた恐怖だった。

絶対に滅びない体を持ち、圧倒的な力をふるいながらも、人間の内面を持っていたからこそ感じた嫌な気配。

そして王顕は、アンデットにする事より、ここでこいつを確実に消した方が良いと、そう思った。

彼は拳を構え叫ぶ。


無常(むじょう)せ…」

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


急に雄叫びを挙げると、城が揺れ出す。

城と森を囲むように巨大な錬成陣(れんせいじん)が浮き上がる。


「なっ」


予期しない事態に戸惑い、武法を途中で止めた。

すると、ベルメスが語り出す。


「侵入者…、お前は”賢者(けんじゃ)(いし)”を知っているか…」

「…」


賢者の石、【ワールド・インフィニティ】では、レア装備と交換出来るアイテムだった。


「賢者の石は、あの方を復活させる為の材料だ、少し足りなかったが、それはこの付近に居る奴等の血と心臓でおぎなえ…」

突貫貫手(とっかんぬきて)、話なげーよ…」


レベル50の武法、雷を(まと)った腕による貫手。

とりあえずヤバイ奴を召喚しそうだったんで、一気に距離を詰め、胸を(つらぬ)いた。

(しびれて)れて、痙攣(けいれん)するベルメス。

心臓を掴み(つぶ)す、吐血しうなだれた。

そのまま勢いよく、玉座の方に投げ捨てる。

だがこの行為が誤算(ごさん)だった。


「ふ、ふふふ」

「クソッ、まだ生きてんのかよ」


魔王の持つスキル、”魔王の執念(デーモン・リベンジ)”が発動している。

効果は、神と勇者以外に攻撃を受けても、HPが0にならず100残る。

そうと知らず、とどめをを刺そう、王顕は駆け出そうとしたが、その前に…。

カアァ

紫の光りが、玉座の辺りから()れ出す。

この巨大な練成陣の中心があの場所だった。

賢者の石は、玉座にはめ込まれた赤黒い宝石で、その石も輝きだす。

森に居たモンスター、城に(ひそ)んでいた悪魔達が次々に死んでいく。

賢者の石の材料は、生物の血と心臓だったからだ。


「復活ください、【邪神(じゃしん)ミクトルン】様ァ!!」

「!!」


王顕とベルメスの間に、黒い(きり)が発生した。

霧はすぐに部屋中に広り、視界を(うば)われる。

欲界の倉庫(たけじざいてん)から無量大数(むりょうたいすう)を取り出し、装備を変える。

鎧武者の姿に変わる。

ダメージと回復を反転させる防具、攻撃を受けたらHPは回復し、回復する時に倍のダメージを受ける。

やがて霧が晴れる。

………………

……………

…………


「お、おお、おおお」

「…」


ベルメスは、心臓を無くしながらも歓喜し、王顕は、自分の目を疑っていた。


「――」


2人の目の前に、1人の少女が無表情で体育座りをしていた。

座っている為ちゃんとした身長は分からないが、見た感じ140前半くらいで、真っ黒な肌をしており、髪は真っ白で身長の倍近く伸びて、床に流れる様に広がっていた。

童顔ながら切れ長な顔に、眼球は紅色(べにいろ)で瞳は黄金色(こがねいろ)に光っている。

左の側頭部には、左半分が髑髏(どくろ)で、右半分が生身の人を(かたど)り舌を出した小さなお面を着け、それだけで不気味さが増している。

金で出来た筒状(つつじょう)の小さな髪飾りを、左右に3つずつ縦に並べて着けていて、服は身に着けていないが、首に巻いた白い布が長く延びて、絶妙に前を(かく)している形だ。


【ミクトルン・テクノウトリ】

種族 神

役職 上級神、死神、王

レベル 1

HP 24億6500万/24億6500万

MP 20億4900万/20億4900万

攻撃力 760万

防御力 680万

特攻力 800万

特防力 700万


(ステータスがバグってるな…)


ステータスを確認すると、レベル1なのに他が凄く高い数値になっている。

彼女は動かずジッとしている。


ベルメスはすがる様に彼女に近付き、四つん這いで願う。


「ミクトルン様、どうか私をお救いください、私のHPも残りわずか、貴女様のお力で…」

「――」


スッ

彼女は脚の前で組んでいた右腕を動かし、ベルメスの頭上にてのひらを持っていく。

助かると安堵の表情を浮かべた瞬間。

ズンッ

力を得ようとした魔王は、圧倒的な質量にトマトみたいに潰された。


「死んだか…」

「――」


王顕の目的は思わぬ出来事で達成された。

邪神と呼ばれた彼女は、自分で殺したのに、何故なぜ潰れたのか分からない、といった顔をしている。

が、すぐに興味が失せたのか、視線を王顕へと向ける。

そして彼女はベルメスを倒した事により、ステータスが変動した。


【ミクトルン・テクノウトリ】

種族 神

役職 上級神、死神、王

レベル 125

HP 1兆5700億0410万/1兆5700億0410万

MP 1兆1880億4070万/1兆1880億4070万

攻撃力 87億6020万

防御力 82億9000万

特攻力 91億1470万

特防力 86億3910万


無表情で見詰めてくるが、体育座りのまま動こうとしない。

そこで気付くが、彼女の座っている場所が少し沈んできていた。

見た目と質量に、かなりギャップがある様だ。


(どうするか…、彼女はまだ何も悪さはしてないし、いやでも過去に何かしているかも…)

「―――」ジィーーーーーーーーーーーーーーーー


未だに(まばた)きせず、金の瞳が見詰め続けている。

魔王は複数存在する設定だったので、良い頃合だし1人くらい消そうかなーっと

そして邪神のミクちゃん

さ、次回はミクちゃんと王顕が…

どうなることやら…

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