本気と本音だった
目がシパシパする
書きたい事があっても脱線してしまうな…
考えてた奴を書こうとして、書いてる途中で、あれま、あれまと変わって行く感じ
評価してくれた方、ありがとうございます。
やはり漫画と違って、文字だけで物事を伝えるのは難しいですが、自分の絵は絶望的ですから…
という事で、これからも言葉足らずな面があると思いますが、これからも頑張りますね
ウノルルに来て数日、今日は約束の出航日だ。
この港町では、バカンス気分で過ごした。
観光で真っ白な町並みを見て回り、ビーチで日光浴、市場で魚介料理を食い、綺麗な海に潜った。
この数日でリフレッシュはできた、そして気付かされた事もあった。
(MPを削る事で、海の中でも呼吸しないで行動出来るし、水圧もこの体なら大抵耐えられたな)
そんなこんなで港に向かう。
港には約束した船長が手を振って待っていた。
王顕も振り返す。
「今日はよろしくな、用心棒!」
「こちらこそ、キフォーカまでよろしく、そしてこいつらが俺の仲間だ」
「はっはっはっ、美人揃いじゃねーか」
「だろ」
叉夜は少し照れて、俺の後ろに回り、ルカは目を閉じ頭を下げ、イジェメドは豪快に笑っている。
相変わらず温度差のある奴等であった。
顔パスで船の中に入れてもらう。
中は木造と思えない程、きらびやかだ、シャンデリアに螺旋階段、金の装飾品。
(洋画に出てきそうだな…ただ動力源は魔動石とか言う、魔力を蓄えたアイテムらしいが…)
部屋は2部屋準備されていて、誰が王顕と一緒になるかでもめ始め、最終的にクジを作り、イジェメドが一緒になることになった。
叉夜は膝を付き、本気で悔しがっている。
ルカはジッとクジを見詰めたまま固まっている。
2人と別れ、王顕は部屋に入り、ウノルルで買ったアロハな服を着て、地図を広げた。
「イジェメドはさ、他の大陸に行った事あんの?」
「吾か?、若いときに旅をしていたから、行った事はあるぞ」
「ちなみに何年前?」
「5000年前だな」
「…そっか、うん、分かったありがと」
地図にはキフォーカ大陸の全体が写っている。
キフォーカ大陸は、アックウーノ大陸の7分の1くらいの広さで小さく、形は8つの花びらが開いた様な形だった。
地図を見詰めていると、暇を持て余した同室の竜王が俺の頭に乗っかって来た。
ムニムニと胸を押し付けて、頭をホールドする。
「王顕よ、今は吾らは2人っきりだ、男なら押し倒すところではないか?」
「何でだよ!、やらねーよ!」
「ふむ、残念だな、おっまだこの国が在ったんだな、【迷宮都市スティユラ】」
「迷宮都市?」
頭の方から肩に移動し、耳元で話し、角をゴリゴリこすり付けて来る。
尻尾を腰に巻き付け、決して離れないと言いたげだ。
「キフォーカ大陸で最大の都市だな、確か国を治めているのは、上位神の”不思議神アリス”だったな」
「神が統治してんのか、面白いな」
「行くのか?」
「そうだな、この大陸の最終目的地だな」
「ふ~ん」
グルッと王顕の体を回り、首にぶら下がる。
トカゲの様に、縦割れの瞳が見詰めてくる。
吐息が当たる距離で、ドキドキしてしまう。
「友よ、お前は強いが油断しすぎだな、人生経験が圧倒的に足りていない、もし吾が敵であったらどうしていた?」
「……屈服させた?」
「ガッハァ、その返しは予想してなかったな」
「そうか?」
彼女は俺から離れ、部屋を出て行こうとする。
「どこ行くんだ?」
「甲板だよ、外の空気を吸いたいから」
「俺も行くよ」
地図を欲界の倉庫に放り込み、指輪を取り出す。
「これで良いな」
「王顕、置いていくぞ」
「待った、待った!」
ギュウ
イジェメドが先に出て行こうとしたので、咄嗟に尻尾を掴んだ。
先端は刃物状で実際、鉄をも断つ切れ味だが、王顕は普通に強く握った。
「うひゃ、あわあああ」
「ぬぁ」
尻尾を勢いよく振って、手を払い除けた。
やけに可愛い反応をされたので、ニヤニヤ笑ってしまう。
怒って振り向きざま、右手をドラゴンの爪に変え、振り翳す。
ブゥン
ヒョイ
右に軽く避けてみせた。
「吾の尻尾に触れるとは、良い度胸じゃないか」
「ほほ~お前尻尾が弱いのか~」
「誰も触れなくて、触ったところで切り伏せてたし、握られるのなんて初めてだ!」
「…お前部分的に、そうやって体を変えれるのか?」
「話しを逸らすな」
お冠になったイジェメドを落ち着かせ甲板に向うと、広い甲板には大勢の人が集まっていた。
出航まで後数分、皆港を離れる瞬間を見ようと外に出ていたようだ。
ほとんど人だが、チラホラ人外も居る。
その中でも一際目立ち視線が集まるのは、見た目は竜人に近い王顕の連れだ。
「見られてるな」
「吾の美しい体を崇めるのは、自然の摂理だな」
「へいへい」
なにやら自信満々な表情で、甲板を進み椅子が設置されていたので座る。
汽笛が鳴り船が動き出す。
船客達は離れ行く陸地に向かい手を振ったりしている。
王顕はイジェメドの横に立ち、地図を出し話しをする。
「ちょっと聞いてくれ、船がこの島の近くを通ることになってるが、この島に海賊の溜まり場らしくてな、船長に護衛を頼まれてる」
「それで?」
「海賊が現れても手を出さないでくれるか?」
「護らなくても良いのか?」
「俺が何とかする」
「…分かった、吾は見物させてもらう」
「ああ」
頷き、彼女は日光浴をする。
王顕はその場を離れ、船の周りを一周してから、部屋に戻る。
イジェメドは先に戻っていたのか、部屋で片腕の腕立てをしていた。
ゴスロリが筋トレと言う、とてもシュールな光景だと思った。
「ん、帰ったか友よ、そうだ外に出ろ吾と試合をしよう」
「馬鹿言え、お前と戦い合ったら船が沈むわ」
「暇なのだ、お前の本気も知りたいしな、もし戦わないのなら…」
「戦わないなら、何だよ」
「竜の姿に変わる」ビキビキ
体の筋肉が膨れ、髪が逆立ち、魔力が溢れ部屋が軋む。
既に両腕と角は、竜に変わり始めている。
(どう言う積もりだ?、俺の力を感じていながら、なぜ戦おうとする)
「どうしたんだ急に?」
「まだお互いに拳を合わせて無いだろ、やっぱ信頼はこれに生まれると思うんだよ吾はな」
そう言い、拳を前に突き出す。
牙をギラつかせ笑いながら、俺の目を見る。
王顕は深くため息をこぼし、欲界の倉庫を開く、次元闘技場を出し発動させた。
「ご主人様、どうしたの!」
「イジェメド何をやっているんですか!」
「観客も来ちまったな」
「…タイミング悪すぎだろ」
発動と同時に部屋の扉が開き、別室に居た2人が入ってきて、2人も闘技場に入ってしまう。
何も無い広い空間、乾いた大地に岩がいたる所に突き出ている。
この場所に始めて来た者は辺りを警戒して、ここに4人しか居ない事を確認する。
「安心しろ、ここは俺の所有物だ」
「空間そのものを掌握するアイテムか、そんなもの持ってるのは英雄や神、娯楽好きの王くらいだな」
「で、試合形式は?」
「試合とは何のことですか、主様」
「知らん、イジェメドに聞け」
「イジェメドご主人様に牙を向けたの…」
「単に戦ってみたいだけさ、さて試合のルールはどちらかが降参もしくは気絶するまで、武器に魔法何でもありだ」
「「イジェメド」」
「2人とも下がれ!」
「「!!」」
取り乱した2人を叫んで止め、後ろに下がらせる。
指輪の効果を使う。
”聖域創り”は真っ赤な宝石の指輪、魔法を使わない王顕が、結界を張る際に使うアイテムで、船の周りにもこいつで結界を張っている。
魔法と物理、進入を拒む結界で、簡単には破壊できない。
結界の中に2人を入れ、観ている様にいった。
「彼女にも何か考えがあるのさ」
「ご主人様…うん、分かってるよ」
「主様どうか寛大な処遇を、あれでも共に旅をする仲間ですから」
イジェメドに向き直る。
不適な笑みを浮べるが、姿は竜人に戻っていた。
逆に王顕はイヴィルの姿に変わる。
「本気じゃないのか?」
「何故わざわざ的を大きくする必要があるんだ」
「なるほどな、その状態でも全力が出せるんだな」
「ぞれじゃあ、準備運動から始めようか!」
互いに一気に距離を縮め、拳と拳が衝突する。
拳を弾かれたのは、以外にも王顕の方だった。
「ぬおおおおああああああああああああ」
「な、そんな」
「主様が押し負けた…」
吹き飛ばされ、そのまま何度か地面をバウンドしながら、岩を幾つか砕き、拳を合わせた位置から200メートルくらいで止まる。
アロハな服がボロボロになった。
怪我はしていない、頭を振って正面を見据えた瞬間。
ドッ
「ラアァッ」
「ごあぁ」
飛んで来たイジェネドの蹴りを顔にくらい、今度は横に吹っ飛ばされた。
欲界の倉庫から正宗を取り出し、地面に衝き立てこれ以上跳ばない様にした。
そのまま腰に挿す。
「日本刀の使い方じゃなかったな」
「どうした吾が友よ、まだ準備運動だぞ」
「どんな仕掛けだこれ?」
「種明かしにはまだ早くないか」
「確かに、よっと…」
破魔の衣を装備、これで魔法無効化により、あの攻撃が魔法かスキルか分かる。
だが攻撃される前に、彼女が余裕ぶって空を飛んでいるので、ムカつくから無理やり落とす事にした。
右手を握り、頭の上まで上げ、そのまま振り下ろす
「空圧鉄墜打ちっ」
「ガァ」
ズウウウン
武法、空圧鉄墜打ち空気の塊を作り、相手に潰す技。
そのまま地面まで落とした。
ドン
だが、落とされてすぐに王顕に突っ込んで来た。
「ハアッ」
「なるほどさっきまでのは魔法な分けだ、そして手加減したとは言え、HPが半分以上残ってるな」
「!」
吹き飛ばないという事は、今までのあれは魔法だったという事。
吹っ飛ばない王顕を見て、後ろに退くこうとするが、十分に離れる前に王顕が両腕を振り上げた。
そのまま地面に叩きつける。
「激震蹂躙っ」
「ツッ―――」
ビキィ、ゴガガガガ、ドゴオオーーーーーン
地面の噴火、大量の溶岩がイジェメドを襲う。
真っ赤な波に呑み込まれてしまった。
レベル200の武法だが火の属性の攻撃なので、それほどダメージは無いと思い使った。
ゴパアァ
溶岩を飛び散らせながら、飛び出した。
見上げた先に居た、イジェメドの姿を見て感心する。
「へ~、そんなんもあるんだな」
「”火焔竜神”、これは四大竜王が持つスキルだ」
「なるほど切り札か」
目の前に浮いている彼女の姿は、前とは変わっていた。
先のイジェメドのロリ巨乳が、大人な女性に変わり、両腕両脚は完全にドラゴンのそれだ。
そして1番注目すべきは、手に持った両刃の大斧、常に真っ赤に発光し斧の周りだけ視界が揺れる。
「スゲー熱そうだな…」
「そうか、これでも6000度だぞ、まあ普通は刃が触れる前に炭になるか」
(太陽かよ!!)
姿が変わっても、ステータスまでも変わった訳ではなかった。
だがHPとMPは全回復していた。
「さあ、続きと行こうか」
「もう、やらなくてm…」
ズンッ
瞬きして目を閉じた間に、目の前に迫り、片手で斧を振り、その斧か脇に直撃した。
魔法では無いため、ダメージが通る。
この時、初めて異世界に来てガチの痛みを感じた。
傷口は焼け、たんぱく質の焼ける臭いがする。
彼女を離れさせるため、蹴りを放つ。
「くっ、渦螺旋回転蹴りっ」
「ふっ」
渦を描くように、円形の連続蹴りを、身を翻し交わして、今度は逆側の脇に斧をぶつける。
王顕は、斧を素手で掴み止めた。
自動回復により怪我は治る。
「…初めてだぜ、俺が本気で痛みを(この世界で)感じたのわ」
「痛みで済むあたり、こっちは自信なくすけどな」
(吾は本気で胴体切断させる積もりだったが…)
「部屋で言われた通り、俺は油断が多い、慢心しているとも言える」
「…」
「…だから少し本気出す」
「ハッ」
斧を自由自在に操る。
王顕は両腕を脇まで引き、一言呟く。
「悟れ、抗えぬ力に」
レベル480で覚えた敵単体に使う武法、圧倒的な数の暴力。
無量大数のさらに先の数、人間では到達できない、未知の領域。
無数とも思える突きと蹴り、火、水、風、雷、土、光、闇の全属性攻撃。
「あ…」
イジェメドは自分以外が一瞬遅くなったと感じ、頭が考える事を放棄し、空っぽになった気がした。
死ぬ間際、走馬灯を見ると言うが、実際は何も考えられず、何も思うことができなかった。
……………気絶したイジェメドが目を覚ます。
「ううぅ…ハッ」
自分の体が無事か確認する。
傷1つ付いていない、変わったのは体の大きさくらいか。
「起きましたかイジェメド、まったく何故こんな事を仕出かしたのか…」
「ご主人様に勝てる訳無いのにね…」
「お前ら…吾はどれくらい気を失っていたのだ…」
「ほんの2分ですね」
「…そうか、あ…」
そして気付く、自分達が居る場所の周り一面が、地盤沈下して崖になっていた。
遥か地平線まで広がる崖、下を覗くと底が見えなかった。
イジェメドがフレイム・ドラゴンを崖下に向って放つが、何にも当たらず、見えなくなり、とうとう底に当たる音もしなかった。
「ボクも遠くから見てたけど、何が起きたのか、まったく分からなかったよ」
「主様は、私達の理解を超越していますね」
「…王顕は?」
「あそこです」
指差された方に王顕は浮いていた。
空から自分が造った傷跡を見て、考え込んでいる。
空から見ても、悟れ、抗えぬ力の効果範囲が視認できなかった。
(この威力は不味いな…、イジェメドに当てなくて正解だった…、外ではこれ以上の武法は封印した方が良いな…)
「おっ」
イジェメドが起き上がったのを見つけ、彼女らの元へ下りて行く。
姿は隠蔽で人の姿に変えている。
服はボロボロで、その上から飛翔のマントを装備する痛い奴になっている。
王顕がこの戦いの真意を問う。
「こんな事を始めた訳、教えてくれるか?」
「友の実力と、吾の実力を互いに知っておきたかった、後は友情を築く為だな」
「それは本音だろうが、他にあるんじゃないか?」
(もちろん感で言ってます)
「…王顕の素性が気になって、戦いで何か掴めないかとな…」
「「!」」
(テキトーに聞いたが、そんな事思ってたのか…、だが本当の事を言ってもな)
その一言で、眷属2人も顔を上げ興味ありな反応をする。
次元闘技場を使い、船に戻る。
新しい服を着なおし、ベットに腰掛ける。
「話す前に、さっきの戦いで、俺の事どう感じた?」
「攻撃、防御共に、この世界でお前を超える者は存在しないし、アイテム、スキル、防具、武器も神話に語られるほどの能力だろう、だが経験だけは浅すぎる」
「…」
「どういうことですかイジェネド?」
「経験って…」
「武術の動きは見られる、だが自分の技を探る仕草や、耐久力に任せた戦い、自分の体に傷ができた時の反応、これらから王顕、お前がその力を身に付けたのは、まだそんなに日が経ってないと思ったんだが?」
「なるほどな~、さすがは俺の友達だな」
観念したと、両手を顔の位置まで上げた。
叉夜は未だに、何のことか分からないでオロオロしている。
ルカは冷静な顔で直立しているが、口元の小さな鋏だけがキチキチ動いている。
イジェメドはいつもの豪快な感じとは違って、真剣な顔をしている。
三人の顔を順に確認し、頬をポリポリと掻きながら、苦笑いをして口を開く。
「まずこの体になったのは、叉夜お前に出会う8日くらい前の事だ、その前までは普通の人でだな、たぶんレベルで言ったら1,2程度の村人程度だな」
「ご主人様は…人だったのですか…?」
「「…」」
さっきの話は衝撃的な爆弾発言だっただろう。
言葉を発したのは叉夜だけで、他2人は黙って話しを聞いてくれている。
話の続きを下を向き、語る、彼女達の顔を見ない様にして…。
船の中だと言うのに、揺れる事無く、波の音が聞こえて来る。
「この力を得たきっかけは分からないが、俺は1度死んだんだ、そして気が付いたらある森の中に居た、そして旅をし始め今に至るんだが…、まぁ何だイジェメドの言うとおり、この体になって本当に間もないし、死ぬ前だって30年くらいしか生きてなかったからな、ルカやイジェメドにとったら赤子にも等しいだろうな…、よし話し終わり」
両手を叩き乾いた音が狭い船室に響く、話しを聞いていた3人は黙ったまま何も喋らない。
「あっあの!」
沈黙を崩したのは叉夜だった。
下げていた顔を上げると、彼女と目があった。
「ご、ご主人様が前は人だったて言うのは、い、今まで側にいたから、何となくそうなのかな感じてて、でも、でもボクのご主人様なのは変わらなくて、ボクにとっては神様で、だけど人で、あれ?、あ、悪魔みないな姿で、あれあれ?」
「…」
ワタワタと身振り手振りで一生懸命伝えようとしているのが分かる。
耳もパタパタと動かして、必死さは伝わった。
見かねたのかルカが叉夜の肩に手を起き、横に並ぶ。
「ルカ〜」
「貴女という人は…、主様、私は主様が以前は人や神、悪魔だろうと、今の貴方様にお仕えするただそれだけです、もちろん歳の差は関係なく、そして迷惑でなければ今まで通り愛してくだされば嬉しいです」
「…そっか」
(やべぇ嬉しすぎる、少し泣きそうだ)
メイド服を崩さずに、跪き頭を下げ、忠義を尽くすと言い、同時に愛して欲しいとも言ってくれる。
男として主として、ここで泣けないと必死に我慢する。
「ボクの事もいっぱい愛してください!!」
勢い良く跳び付き、力いっぱい抱きしめられた。
俺がそっと頭を撫でてやると、いつもの笑顔を見せてくれる。
その顔を見てホッしている自分に気付き、話して良かったと思えた。
「友よ」
イジェメドが隣に腰掛け、肩に寄り添い頭を擦り付ける。
ちょっとだけ角が痛いが、口には出さない。
「ガハハ…お前の素性が聞けたのは嬉しく思うぞ」
「ああ、俺も話せて良かったよ、イジェメドありがとな」
「ふむ、吾のことは、これからイジェと呼ぶ事を許すぞ」
「イタイ、イタイ」バシバシ
彼女は上機嫌に、今度はバンバンと背中を叩く。
体がガクガク揺れて、叩かれた場所はジンジンするが、悪い気はしなかった。
こうして腹を割って話せたことで、つっかえたものが無くなり、これからも笑い合いながら旅が出来る。
だが王顕は、唯一言わないでおいた事がある。
違う世界で死んで、この世界に来たという事、こればっかりは信じてもらえないと思い話さなかった…。
船は進む、海賊が待ち伏せしている岩礁地帯に向って…。
ブックマークしてくれた方、60名超えますた、パンパカパーン、嬉しい限りであります。
さてさて今回は、仲間内でのシコリを無くそうかな~と、思い立ってこうなりました
ふうぅ猫に蠍に竜…、次は何を仲間にすべきか…
次の話は海賊のお話?だと思います
では、また会いましょう!




