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プロローグ

『世界各国に広がるとある怪奇事件。その謎を特集します。』

階段から降りてきて真っ先に聞こえたのはテレビのアナウンサーの声だった。

「おはよー」

間延びした声が響く。

「あらおはよう」

両親はリビングのテレビを見ながら食事していた。


私の名前は、逢坂美咲都(おうさかみさと)ごく平凡な高校二年生だ。

「何の特集やってんの?」

私は椅子に腰掛けながら聞いた。

「ほら、あの例の異世界症候群よ」

「ああ、あの」

半年前からある日突然誰も知らない名前を名乗りだし自分は異世界に来たんだと騒ぎ出すというなんとも奇っ怪な事件が続いている。異世界症候群とは、その事件の総称だ。

「確か美咲都の同級生も異世界症候群にかかったのだろう。美咲都も気をつけなさい」

父が言った。原因不明なのにどうやって気をつければいいんだろう?

「はあーいって時間やばい!急がなきゃ!」

私は朝ごはんを急いでかきこむ。

『ライアン様が解決してくださる』

異世界症候群の人が言ったその言葉にライアン様って誰だよと私は心のなかで突っ込みながら家を出た。

異世界症候群なんて私には関係ないそう思っていたのだ。


今日は朝から晴れ晴れとしたいい天気だ。

朝の空気は住んでいてとても気持ちがいい。

「おはよう美咲都ちゃん」

幼馴染みの日暮明理(ひぐれあかり)ちゃんだ。

ふわふわしたボブヘアーの髪を揺らしながら満面の笑みを浮かべている彼女は線が細いほんわりとした雰囲気を持つ女の子女の子した女の子だ。同い年の高校二年生で私の見る限りいつも嬉しそうな顔をしている。今日もご機嫌なようだ。

「おはよう明理」

「今朝の特集見た?」

「うんちょっとだけ見た」

「私美咲都ちゃんが異世界症候群になったら元に戻るようなんでもする!」

「なるわけないって大丈夫だよきっと」

そんな他愛のない会話が続く。

と、曲がり角を曲がろうとしたその時、青い光が私を包んだ。

前が…見えない…

「あ、危ない!」

奔る閃光。衝突するバイク。

「美咲都ちゃん!美咲都ちゃん…!」

明理の呼ぶ声を聞きながら私は意識を失った。


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