099復讐「絵」
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崩れゆく精神 ―― 罪の十字架
「何訳の分からない事言っていやがる……」
家屋の影に身を潜め、荒い息をつきながら修造は呟いた。だが、エドガーの返答は対話ではなく、圧倒的な「暴力」であった。
「貴様が出てこないなら、こちらがFN MAGで住民を殺してやる」
「やめろーーーーー!!!」
修造の絶叫は、空を切り裂く銃声にかき消された。無慈悲な7.62mm弾の雨が、逃げ惑う罪なき住民たちを次々と貫いていく。130名もの尊い命が、物言わぬ肉塊へと変わり、鮮血がエリドゥの街を赤く染め上げた。
「お前が家屋から出てこなかったから、これだけ死んだんだ。……全部、お前の所為だァ!」
エドガーの言葉が、鋭いナイフとなって修造の心を抉った。
「俺の所為だ……俺が弱かったから、あんなに大勢死んだ……。俺は、俺は大量殺人鬼だ……!」
情熱の炎は消えかかり、修造は深い罪悪感の沼に沈み込もうとしていた。
その時、メルリン♀少佐が修造の肩を強く掴み、その瞳を覗き込んだ。
「修造大尉、しっかりして! あなたは何も悪くない。これは歪んだ社会情勢が生んだ悲劇よ! 自分を責める暇があるなら、その怒りを敵へぶつけなさい! 殺すことに集中してッ!」
メルリンの激しい叱咤が、修造の思考を一本の鋼へと変えた。
「敵を殺すことに集中……。俺は冷酷な戦闘マシンだ……俺は冷酷な戦闘マシンだ……」
呪文のように繰り返し、感情を殺した修造がM1カービンを構えて飛び出した。しかし、そこには既にエドガーの姿はなく、ただ馬車の轍が空しく残されているだけだった。
:復讐の叙事詩 ―― 虐げられた者の執念
その頃、エドガーは馬車を駆り、漆黒の殺意を胸に王宮へと迫っていた。
彼が手に握るFN MAGは、もはや単なる武器ではない。それは、奪われ続けた人生の「叫び」そのものだった。
「アルリム……貴様だけは、この手で地獄へ送らねばならぬ」
エドガーの脳裏に、かつての故郷の光景が蘇る。アルリム王がこの「理想国家」を築き上げる裏側で、多くの名もなき村が地図から消された。インフラを整えるための強制労働、領土拡張のための無慈悲な徴用。エドガーの両親もまた、王の「文明創造」という輝かしい名声の陰で、人知れず犠牲となったのだ。
「エリドゥがどれほど繁栄しようと、その土台は俺たちの血と涙で塗り固められている。俺はあの日から、煮え湯を飲まされるような屈辱を抱えて生きてきた……。この命が尽きるまで、復讐の炎を消させるものかッ!」
エドガーの瞳には、かつての修造と同じ「何かを守りたい」という願いではなく、ただ「壊したい」という純粋で苛烈な執念が燃え盛っていた。
:王宮壊滅 ―― 怒号のセレナーデ
王宮の門を突破したエドガーは、白亜の巨塔を仰ぎ見た。
かつて両親が、そして村人たちが命を懸けて運ばされた石材で造られた、美しすぎる監獄。
エドガーはFN MAGのトリガーを引き絞った。
「これが、俺たちの怒りだァアア!!」
「ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッオン!」
怒号のような銃声が王宮を包み込み、精緻な装飾が、高価なステンドグラスが、次々と粉々に砕け散る。近代兵器の暴威は、魔法の加護すらも暴力的に剥ぎ取り、エリドゥの象徴であった王宮を、一瞬にして瓦礫の山へと変貌させた。
静寂が訪れた時、そこには立ち込める硝煙と、崩れ落ちた王宮の残骸だけが残っていた。
果たして、悪魔に魂を売った王、アルリムは生きているのか?
それとも、エドガーの復讐は完遂されたのか。
次回:『瓦礫の中の祈り ―― 王の帰還と、修造の覚醒』
物語は、最悪の終局へと加速する……!!!
弱者の復讐。




