083ベニス「絵」
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ベニスは屋敷で焦っていた。
強敵は全て仲間に任せればいいと考えていた。しかし、その慢心が、想像を絶する絶望へと彼を突き落とすことになるとは、その時の彼は知る由もなかった。
ベニス
「起きているのは俺だけか…」
静寂に響く、自分の呼吸音だけ。仲間たちは、誰も彼も、まるで死んだように眠りこけている。その異常事態に、ベニスは冷たい汗を流した。
その時、影が動いた。3等曹士アエタス♀。その手に握られていたのは、闇を吸い込むような黒光りする魔剣だった。一瞬の溜めの後、斬撃が放たれる。その軌跡は、ベニスの喉元を狙った確実な一撃だった。
ベニス
「うおっ!」
必死に後ずさりし、間一髪で回避する。だが、斬撃の衝波が頬を掠め、熱辣な痛みが走る。
ベニス
「何て奴だ…!俺は青銅剣しか持っていないんだぞッ!」
3等曹士アエタス♀
「貴様を殺した後、次は修造を屠るわッ!」
ベニスは青銅剣を構え、応戦した。しかし、戦況は一方的だった。アエタス♀の動きは、ベニスの認識を超越していた。彼女は部屋の壁や天井をまるで重力がないかのように駆け回り、ありとあらゆる角度から、見えないほどの速さで斬撃を繰り出す。ベニスはただ、その斬撃を必死に受け流すか、捌くかするのが精一杯だった。青銅剣が発する、甲高い悲鳴が部屋に響き渡る。
3等曹士アエタス♀
「貴様の剣、鈍らねえかしら❥」
ベニス
「クッソ…何て奴だ…動きが全く読めない…!」
アエタス♀の高速攻撃は、雨のようにベニスの体を襲う。防ごうとしても、その衝撃は腕に痺れとなって伝わり、次第に剣のさばきが鈍っていく。やがて、ガードしきれずに斬撃が肉体を抉り、無数の切創がベニスの全身を彩っていった。
ベニス
「クッソ…チビの癖に…」
その言葉が、引き金となった。
3等曹士アエタス♀
「今、何と仰った…?『チビ』ですって…この私に向かって…ッ!」
アエタス♀の瞳に、冷徹さの代わりに、純粋な殺意が燃え盛った。彼女の動きは、さらに加速し、もはやベニスの目には残像としてしか捉えられない。
3等曹士アエタス♀
「殺してやりますわッッッ!」
止めどなく続く連撃の嵐。ベニスの剣は、悲鳴を上げ、ついにその限界を迎えた。
「カチンッ!」
甲高い音を立てて、青銅剣が根元からへし折れた。
ベニス
「やべぇ…」
3等曹士アエタス♀
「トドメですッッ!」
アエタス♀は、渾身の魔剣を振りかぶり、ベニスの心臓を狙って突き刺した。それは、回避不可能な、確実な死の宣告だった。
「グサッ!」
鈍い音と共に、魔剣がベニスの胸を貫通。しかし、ベニスの体から流れ出る血は、一滴もなかった。
3等曹士アエタス♀
「何故…死なない!?」
アエタス♀が驚愕しているその一瞬の隙を、ベニスは見逃さなかった。彼は突き刺さった魔剣を無視し、アエタス♀の腕を掴んだ。
ベニス
「これが俺の…新必殺技…脳天頭突きィイイイッッッ!!!!!」
ベニスの全身の体重を乗せた、渾身の頭突きが、アエタス♀のこめかみに炸裂する。
3等曹士アエタス♀
「ぐはぁ……」
アエタス♀の瞳から光が消え、その場に崩れ落ちた。気絶だ。
ベニス
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…死ぬかと思った…」
ベニスは、胸に突き刺さった魔剣を自ら引き抜いた。その下には、彼の肌を守る、奇妙な光沢を放つスーツがあった。
【回想シーン】
アルリム王「我が文明創造スキルの粋を集めて作ったこの防刃スーツを、お前に授けよう。これがあれば、たとえ竜の爪でさえ、お前の心臓を貫くことはできまい。」
ベニス「至極感激の極みです、陛下!」
【回想終わり】
ベニスは、気絶したアエタス♀を縄で縛り上げると、眠っている仲間たちを一人ずつ起こしていった。先に目を覚ましたのは、松岡修造だった。
修造
「何だって!?このカワイ子ちゃんが暗殺者だったの!?」
ベニス
「俺も驚きました。正直、こんなに弱そうな奴が刺客だなんて、夢にも思いませんでした。」
修造
「敵はそういう所を突いてくるのか…油断ならん…」
ベニス
「とにかく、こいつを尋問して、他に仲間が何人いるのか聞き出しましょう。俺はこれが得意なんだ。」
ベニスは、気絶したアエタス♀の頬を平手で叩き、無理やり叩き起こした。彼は拷問と尋問のスペシャリストだった。その手から、逃れられる者はいなかった。
ベニス
「さあ、白状しろ。お前の仲間は、あと何人いる?」
3等曹士アエタス♀は、ベニスを憎悪に満ちた目で睨みつけ、嘲笑を浮かべて答えた。
「仲間?そんなもの、数えたこともありませんわ。ですが…アニムス軍全体とすれば、約2740万体、でしょうかね。」
ベニス
「ファ!? 2740万…?そんな馬鹿な…!そんな数がいたら、我々が勝てる訳ないだろう!嘘を吐くな!」
3等曹士アエタス♀
「本当ですわッ!嘘じゃありませんわッ!」
その言葉に、松岡修造とベニスは、言葉を失った。背筋を、凍るような戦慄が駆け上がった。
2740万。それは、もはや軍隊という名の、自然災害に等しい数だった。
果たして松岡修造達は、アニムス軍約2740万体を、この地で全て殺戮することができるのか?
次回に続く…!
松岡修造の戦いはまだまだ終わらない!




