150リガルと逃走
嫌な事があれば逃げていいんだよ。
松岡修造はエリドゥにあるテヘレット♀の家から逃げて逃げて逃げ続けた。唯逃げたかった。辛い人間関係から逃げた。嫌な奴から逃げた。その結果残ったのはリガル♀だけ。俺には何も無かった。俺が世間で必要とされない人になったとしてもリガル♀は優しく俺を抱き締めてくれるだろう。それだけは信じられる。何せリガル♀と俺は運命共同体なのだから。俺にはリガル♀しかいなかった。β世界線のシフォン♀はどうやら俺に幻滅しているらしい。リガル♀と一緒にいるのに俺は常に独りぼっちな気分だ。俺一人なんだ。結局誰も俺を必要としなくなった方が楽になれると信じた。しかしそれは間違いだった。誰にも必要とされなくなれば爪弾きにされ謂れのない無限の誹りが待っていた。それは生き地獄にも似た体験だった。それでも生きた。生きるしかなかった。俺はどうやら自殺出来ないらしいから生きた。生きて生きて生きまくった。この世界は誰も弱者を救済してくれないのだ。優しいと思っていた人も実は優しくなくて本当は虚実に満ちていた。下らない人間関係なんて必要ない。俺はリガル♀と二人で生きていく。そう決めた。周りの人間は所詮偽者だ。口では美辞麗句を語る癖に肝心な時は誰も助けてくれない。それが人間だ。俺は二人で生きていく。本当は皆に助けて貰いたかった。それでもそれは不可能なんだ。俺の病んだ心を治して欲しかった。さりとてそんな事が出来る人はきっといないのだろう。リガル♀は所詮人間の心など分かりはしないだろう。
松岡修造
「リガル♀は俺の味方か?」
リガル♀
「何時迄も味方ですよ!」
俺の可愛いリガル♀。この世界は俺を殺そうとする。俺から希望を奪おうとする。それでも生きていこう。生きなきゃいけないんだ。最後迄足掻き続けるしかない。
松岡修造
「近くのウルク王国(60km先)迄馬を借りて逃げよう。そこでたらふく食べて幸せになろう。」
馬はアルリム王から無料で借りた。
リガル♀
「良いですね!私もウルク王国に行きたかった所です!」
そして松岡修造とリガル♀はウルク王国迄逃げる。道中蠍や蛇を見かけたが素通りした。俺は辛かった。毎日誹りだらけで早く解放されたかった。誰も助けてはくれなかった。そこで俺は逃げた。ウルク王国は最高の大麦(主食・ビールの原料)、ナツメヤシ(食料・甘味料)が飲食出来る。俺はそこで第二の生を謳歌するんだ。もう誰にもごたごた言われる筋合いはない。俺達は自由だ。俺とリガル♀の幸せを脅かす奴は一人残らず殺してやる。松岡修造の眼にハイライトが消えた。それは新たな冒険の始まりだった。果たして松岡修造は無事新たな人生を歩めるのか?
次回に続く...!
逃げちゃ駄目は幻想だ。




